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まだ早い
冬の公園

ゴシック体
午後4時の橋
ウロコ
白い藻
よそ見も

いく面への想い
希薄に見える
僕はめでたい虫
ハルニレの木
坊主にされてた子
冬の公園

リュックをまわる
サンタの赤い帽子がすてれない
思い出せない
元気
みちびかれる

まだ早い


冬の終わりの日を決めれば

手に持つ氷は薄氷

のぞく向こうの景色は ふにゃふにゃ

まだまだ

遊んでてくれていいんだよ

とてもたのしそう


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冬の公園


風が吹くと

景色が波打ち

すごい雪

平らになれる?

それでも

道だったところを

歩きたい

すっかり 大人だし

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桜の種ほどに 花言葉はあり

散る花びらたちの交じり合うところは土のうえ

鋭いものに
指を指されることもないほどにふり積もる

夜桜 妖気ただよう呪文

ご用心

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ゴシック体


ゴシック体が好きな僕は

きょうもゴシック体

線が均一なことらしい

字体には癖がないので

書く文はいつも主役

僕の日々が僕の中で主役でいれる

ゴシック体

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午後4時の橋


玉砂利の敷きつめた 広場にいきたくって

橋を渡ろうとするけれど

こちら側からでは

大きな桶に水をはった ヨーヨーすくいの生業屋が

渡り終わる前に 通せんぼをする

向こう側からでは風が変わる

忘れたい思い出が沸きあがり

とってもこの橋の長さでは足りない

渡ってくる なにかを交換しあえそうな人を

待てばいいのか

でもあまりにも今日は
僕だけの午後4時

ここんとこ 

なん日も なん日も

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ウロコ


ウロコのことを知りもしない魚と

ウロコが苦手な僕

どちらも水辺にいながら 喉の渇きをわすれ

はるか向こうの 雪山に刺さる小枝が

戦い破れた戦士の十字架にみえ

小さくとも できる影はそのもの

そんな山深さが

ウロコのついた魚の 眠るところだとしたら

お老いたとはいえ

りっぱなウロコの

龍はどこに眠る

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白い藻


時空にゆがみがしょうじ

明治時代のおばあさんが向こうからやってくる

こんなに雪かきのされた道なんて始めてみるね

それだけでも嬉しいよ

昔はこの雪を白い藻かと
物語を書いてみた事があるんだけどね

今の時代にわたしの名前が残ってないんじゃ

あの本はだめだったのかい

すれ違うおばあさんに

ゆっくりおいきよ

といわれた


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よそ見も


真冬の大草原

僕は今にも負けそうになりながら

膝上に積もった雪をこいで前に進む

でなければ 明日はないのだろうか

横をみれば暖かな長屋から

おでんでも食べていかないかい?と
声をかける長屋の住人達

その長屋の長さといえば

万里の長城よりも長い

だって僕の進む方にいつものびる

過ぎ去った後ろは消える

いつでも温まりに入れるんだと思っても

それは真冬の蜃気楼にちがいないのです

そう思うから戸口に触れることすらできない

それでも前ばかりをみて
途方もない気持ちになるよりは

温かな気持ちにしてくれる

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新雪のうえの戻ろうとする
小さな足あと

それだけが残る

砂漠に消えたのだろうか

少しばかり熱風を感じる

なにかが負けて

なにかが勝った

そんな跡なのだろうか

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いく面への想い


僕が寝ると夢が目をさます

今すてきな夢

やがて静かな景色だけが

白黒に姿を変えてまで

そ〜っと残り

その中のいく面かは

よほどの想い

それを
消し去ろうとする

鋭い力も
僕の中にあるモノのよう

夢の中でエスカレーターをさがす

なにかから逃げるんだと思う

どこまでも

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希薄に見える


地面から離れるほど空気が薄くなるから?

ビルの非常階段の赤い電気が上の階にいくほど薄暗く見える

地上から近い階はバリアーで囲まれてる

お祭りがあっても 祝いがあっても

上にいくほど無味になってゆく

遠くから見つめる僕なのに

東京の裏小路のようなその景色の中

サンバだって地面から離れると
踊りを忘れるのかもしれないねと

犬が

しっぽをふりながら
散歩に出かける

もう夕方

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僕はめでたい虫


寒いといっても

寒いだけに上から雪どけ水が

落ちてくるわけじゃないし

直射日光のきらいな僕は

雪を通したこのぐらいの光が好きな



地球が爆発してなくなっても

確率では生き残れるものがいるはず

その時ぼくは 宇宙を 漂う

だから その時も今も

僕には

まわりのすべてが

便利
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ハルニレの木


北海道らしい木


女の子が赤いリボンを付けてゆく

お友達になれたのか?


その辺を歩いてみたら

そして振り返ると


ハルニレの木

北海道らしい木

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坊主にされてた子


幼稚園に通わなかったので スキップがにがてで

幼稚園から見た外の景色をしらない

あの服を着てみたい

あの帽子をかぶってみたい

僕も小学校には いけるの?

それとも

戦争にいくの?
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冬の公園


小高い丘の上を

あんなにすいすいと
歩く人たちを
見上げると

足元の雪だけが
とけたそうで

とけた雪は下にたまり

こどもたちがさわると
氷になる

ひとしきり遊んでは

小高い丘をめざし

大人になりすぎては

とけて また子供になる

この公園の冬は

その繰り返しなのが

たのしい

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リュックをまわる


リュックのまわりを
ぐるぐるまわる
ご婦人は

雪の中でも
ぐるぐるまわる

雪の途切れたくぼみで

その大きさに合わせて

ぐるぐるまわる

すこし
照れてるように見える

そんな日差しの中

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サンタの赤い帽子がすてれない


すてきな映画が終わり拍手

せめて僕の周りの方たちと
よかったねと

言いあいたいのに

下が小川だと信じたものは流れてしまった


サンタの赤い帽子を置いて


人を喜ばせることを知らない
映画館にこそ

置いてあげたい

モノだろうに

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思い出せない


僕が なにかを思い出そうとしてる

なのに言葉が雨になりふり続ける

そのどれかをすくい上げればいいのか

それとも輝くことばのふるのを

待つものなのか

たしか どこかに

書き損じたページがあるはずと

引き出しを深く深く探しまさぐる

なにも思い出せれないから

言葉の切れっぱしだけでもいい 

指先に触れたい

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元気


僕のようなモノが通り過ぎてゆく

とってもていねいに跳ねてゆく

きっとまた
帰ってくる道だからなんだろう

こわす事なくもどれば

光の反射も 鏡に移る虚像も

僕のヒジの後ろ

前には振らない

後ろに振るのが

元気

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みちびかれる


白い雪の上に
はがれ落ちた樹皮が

化石になるためには

今が一番と思って
落ちるのか

だれに教わったのだろうか

この世を

みちびくモノが

やはり

いるのだろう

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