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生まれ変わる事を信じられないネギ
リヤカーを持ってきました
メッセージを
ミニ

旅を忘れてた
大波

秋葉
赤い風が吹くと
水たまり遊び
歌詞とまり
ダウンパーカー
温かそう
もうすぐ冬

元気?
足跡

ここの家の子で よかった
ずれてる

さっぽろ三条界わい

橋の下
探し鳥

生まれ変わる事を信じられないネギ


長ネギはきざまれて
輪になると

生まれ変わるんです

刻まれる前のネギは

まな板の上で こんなにも
晴れやかな気持ちには

なれないでしょう

まな板の上は僕の
休むところじゃない

ガスコンロのそばで
干からびるように

終わりたい

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リヤカーを持ってきました


あなたに花をあげましょう

さっき降った雪が少しだけついたままですが

まだめずらしいですよね

これからあの朝日の向こうから

ど〜っと雪がやってくるんですから

その前にいただいて
ゆきたいものがあります

リヤカーを持ってきました

あなたの小さい頃の忘れ物も
持ってきましたよ

受け取っていただけないと

リヤカーも思いでの中に

消えてしまいそうです

雪がくるまえに

いただけませんか

____________________

メッセージを


犬たちの匂いのメッセージの
やり取りがうらやましい

手のひらを
にぎりしめるように

枯れたもみじの葉が
この時期ちじれる

この手に舞い降りた空気にも

メッセージを

感じてみたいのか

____________________

ミニ


枕木の長さが何ミリで

高さなんてこれだけなんです

その上をレールなんか
二センチづつをはわせ

小さい小さい列車が走ります

「よくそんなに小さい作業をさっきから
根をつめて出来ますね」

だって やがていつか
この小さな列車に僕が乗るんですよ

どこにだって行けるんですから

周りに景色を作りましょう

でも行ったことのない景色の

色が分かりません

とっても寂しいことなんですが

____________________

旅を忘れてた


家に入ろうとすると

玄関に駅長さんがいる

「今日はどちらまで行かれますか?」

いや家に入りたいだけです
といいたいけれど

それはゆるされなさそうなので

この家の方を旅に誘いにきました

「気ままな旅」

そんな言葉が

窓ごしに映る

____________________

大波


波の音かと思ったら

笹の葉の揺れる音でした

大波の時には

やはり

振り返ってしまう

____________________

秋葉


落ち葉はやはり

茶色でしょうか

紅葉はやはり

赤でしょうか

あなたの今隠した葉を

見せてくださいよ〜

____________________

赤い風が吹くと


赤い風が吹くと

木々は自分のことしか
見えなくなり

激しく揺れる

横揺ればかりの木

縦揺ればかりの木

なのに

音が音にかぶさり

散歩の犬たちのリードと
リードがからまり

明日の風が
どちらからくるのか

分からなくなる

そんな
夢からさめると

風は なに色?

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水たまり遊び


水たまりバシャバシャ用の
靴が出来ました

どれだけ乱暴にやっても水は入らないし

乾くのも早い

いくらかのしずくが残るような
ポケットも付いてます

おたくずいぶん
汚れてるね機能だけは

はずせません

付いたままがいいと
需要が多いので

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歌詞とまり


夜が明ける
向こうから白んでくる

「さきほどから聞こえる歌は変な歌詞じゃないですか」

丸いからじゃないかな

メロディーが先にできるとね
丸くなるから

迷うことなく歌詞がどこにでも
とまれるのさ

そして 朝日のように

この手のひらまで来てくれる

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ダウンパーカー


網で囲われただけの家に帰る

今年も冬囲いをしてはもらえないらしい

「だって ここは前は鶏小屋だったじゃないですか

網で囲うだけでいいでしょう」

少しの風除けだけでもしてもらえないでしょうか

でなければ ここは

ゴミ箱だったんだと
思うことにして

捨てられたのに
いつまでもだれにも

拾ってもらえないと

さけびますよ

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温かそう


こんなに寒い日なのに

弟は今日も空を飛ぶ講習会にいきました

この公園のこのグランドに
間違わずに着地を
しなければなりません

何日も忘れられベンチの上に置かれたグローブ

まだ元気そうなのに

明日は雨だそうです

透明なビニール袋に入れてあげて
そのままベンチにもどしまよう

いくらかでもキラキラして
弟がこのグランドだと思う目印にもなるし

冬囲いのない家に帰る前に

ビニールに入れられた
温かそうなグローブを弟とみたいし

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もうすぐ冬


もうすぐ
真っ白な雪で

たくさんの事が
春まで待ってほしい

寒いだろうな

あの冷たい風を噛み切って

まずは生きなきゃ

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元気?


ランチタイムあります

のお店にとまるタクシーは

大きく育ったカラスに負けまいと
トランクやボンネットを大きく開け

まるで羽ばたくような元気

垂れ下がる枝は何の木?
下をゆく僕の頭をかすめる

それとも僕が育ったんだろうか

僕ってそんなに元気?

あの子だって元気じゃなきゃ

配電のマンホールの鉄ぶたの上に立ってごらん

エレキだまりが元気をくれるから

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足跡


町内のお気に入りの景色から
キャンピングカーがなくなる

そのかわりにビルの入り口がバリアフリーに変わる

あの裸足で歩く女性のためなんだろう

キャンピングカーでさえ
どこにも連れていってあげれなかった

そんな日の足跡は

砂の上の足跡より

モロいんでしょう

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ここの家の子で よかった


どうも久しぶりですね

目の前がガラスなのか鏡なのか
分からないのです

ガラスなら双子なんだろうし
鏡なら僕なんだ

光を取り込みたいだけなのでしょうね

キラキラ
温かい


ここの家の子で

よかった

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ずれてる


波は鳴り 

雲は滑る 

岩は動けないでいる

本当に そうなの?

思いでが上手く
再生されない

焦る心が
飲み込まれて

秋を感じてくれたなら

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さっぽろ三条界わい


今ではビルの屋上に観覧車ができ

隣の町内に銭湯のあった頃の人は

風呂上りに観覧車の鉄骨に
タオルを掛け一周

あの頃にあればね 


そんな様子を
下で待つ愛犬に教えてあげる人も
散歩の途中


さっぽろ三条界わい

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橋の下


橋の下は物陰で

よそより土気色です

真冬には周りより
雪は積もりません

なのに

あなたは橋の下で拾われたのよ

と今日も
どこかで言われても

橋の下へ見に行く子などいない

お母さんが
優しくなれない

ところだから

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探し鳥


わが子たちの入ってる巣を抱えて

急ぎ足で歩く お母さん

人間に姿をかえた鳥

片手には枯れた花と
摘んだばかりの水々しい花とを

一本ずつにぎりしめ

自分の羽のどこかに
まとわり付いてたモノ

その時には意味があったんだろう

これから探しあてれたら
彼に聞いてみたい

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