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アスファルトに肥料
コスモスを通り越す

クモ

おばさん〜
アリの住みか
雨の通学路

水たまりの甲羅
季節が変わろうと
リス
雨の公園
夏がお別れに
砂時計

めんどそう
とげ抜き
表紙になれば
月に行ける道

きれいな緑色
紫系クリスマスローズ
スタートの合図
隠れ家

アスファルトに肥料


アスファルトも

落ちた枯葉や小枝で

とてもとても まっ平らではなく

雨で流れ着いた木の実と
落ちたばかりの木の実とのせめぎ合いに

化かされ

春に花見に使ったゴザを
アスファルトに敷いては

肥料にしてちょうだいね

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コスモスを通り越す


紙で出来た服なのに雨が降る

その角を曲がると雨はやみ
風も吹くけれど

太陽の日差しがうれしい

この道を行く人たちは
忙しそうに去るので

簡単に

細いペン先で描かれた枝葉
花は芋版で描かれ

やさしそうなコスモス


咲く道


できあがり

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クモ


クモの巣の中で干からびたクモ

占いに使われる前に

きっと彼の
おじいちゃんやおばあちゃんが

泣いてくれる

古いビルのひび割れなどよりも

歌が聞こえそうな

光景に見えてしまう

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となりの町の向こうが
海だと思ってる人たちで

この町内はだれもいない

でも昔の門は残ってて

手を触れると思い出がよみがえる

だって小さい時にもさわった事があるから

みんなが
この門を通って行ったのも分かる

落書きがこんなにも残って

なにかの

御まじないのよう

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おばさん〜


おばさん!
あぶないよ〜

もう 車にぶつかるよ

おばさんはどんな
子供時代をすごしたの?

で、今
僕と出会う事になったんだろうね

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アリの住みか


アリさんの出入りをチェックするアリさんが穴の横にいる

凄い働き者か怠け者か

そのアリさんにはもどってくる様子で直ぐ分かるらしい

でも もどってくるんだからいい

人間などに踏まれてもどってこないアリさんもけっこういるみたいです

他所の穴からお嫁さんを連れてきて

女王蜂に怒られるアリもいます

チェックをするアリさんは

こういう変なアリはチェックをしないで

通してしまうらしいんです

今日も 穴の中はにぎやかです

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雨の通学路


雨の日でも通学路を変えない小学生

今日もまた同じ上空でけんかの
カラスを見ては

土葬にしたハムスターのことを思い出す

あの時のお父さんは小さかった

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水たまりの甲羅


公園の水たまりに落ちた僕は

その深さにあまりにも心地がいい

だんだんと背中は甲羅になり

水たまりを覆うほどで
濡れたままなものだから

道行く人たちに

水面と間違われてる
僕の甲羅の背中は

自分の役目をやっとみつけれたようで
張り切ってます

甲羅が乾かないように

水分をこまめに
取ろうと思い

水たまりに入ったようにさえ

思え


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季節が変わろうと


笹の葉群は大きな
ハリネズミの背中

冬も元気な松ノ木に降り積もった雪も
やはり元気でまだとけずにいる

じゃなければ冬の落し物が
寂しそう

雷さまの夏に使いすぎた雲の
ホコリ掃除の音が

地面の水たまりに小さな波模様をつくるのは

なにかを
伝えようとしてるようにも思えて

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リス


雨の日はリスが

木から降りて

草むらで立ち姿

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雨の公園


黒いリュックを道端に放り投げる

その周りを小躍りしながらまわり

またリュックをかついで歩き

またリュックを放り投げて
同じことをする

そんな女性が雨を降らせる

公園にわすられた
黒い水筒が

雨にぬれても

アリは逃げもせず

さっきから女性のマネをしては

水筒の周りを
小躍りしながら

まわる

今度は女性が

アリさんのまねをして

靴を脱ぎだす

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夏がお別れに


今日は暑い

夏が今年のお別れに
来たんだそうです

あのビルは5階まであったんですか

知らなかった

この町の夏は

3階から上はまぶしくって

見上げれない夏でしたよ

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砂時計


この砂時計は何分計ですか

ひっくり返してごらんよ

はい でも

まだ幸せの主人公に
なりきれないので

できません

幸せだけが
くり返される日を

待ちます

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めんどそう


いつものリュックじゃないのを
もって出てしまったけど

すてきな花壇が
こちらでは たくさんで

もう今はとても
もどれない気がします

でも今日は
このリュックの荷物で足りる
一日を送ることにするのですが

花壇以外はアスファルトで
敷き詰められてることが

いい訳にも出来なかったのですが

やはり交換しにもどるのは
めんどそうです

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とげ抜き


とげ抜きが今日も車の中にある

虫眼鏡が必要なとげの世界でなら

この車の中はとっても広い

それを

楽しめる人がいる

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表紙になれば


もっと広がる手足があれば

僕らも上手に水の上を歩けるはず

そんなためらう
蟻さん仲間がいる

水たまり

そんな事が とっても
絵になるので

お気に入りの週刊誌の
表紙になればと

久しぶりに

手にとってみる

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月に行ける道


月まで行けるつもりの子がいました

この道は違うよ

月までいけるのは
あっちの道だよ

でも あの道で
まえに長靴の中敷をなくしちゃったの

だいじょうぶ
行ってごらん

今日が雨なら きっと 

見つかるさ

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きれいな緑色


除草機を
手入れするおじさん

ふたを開け

ていねいに
たまったカスをとり除く

カスも やっぱり
きれいな緑色

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紫系クリスマスローズ


わたしは
紫系クリスマスローズ

どんな色に
花が咲くのかしら

白く咲くなら

クリスマスの夜に

ホテルの中で咲いていいよ

と いわれたの

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スタートの合図


マラソンのスタート横に咲く
黄色いたんぽぽ

彼がスタートの合図をしてくれる

ふっと 

たんぽぽも走りたそうに
ゆれた時が 

スタート


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隠れ家


こんな日がくるとは

扇風機のコードの収納に

かわりにダウンからぬけた羽毛が隠れる

いつまでもここに入れるんだと
思ってたようで悲しそう

やがてコードが巻き取られ
羽毛は出て行かなければならない

なにかのゲームでも
見つからないだろうほどの

隠れ家だったのに

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