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空を飛びたい
無声の散歩
冬の緑

はだかな土
散歩の仕草
吹雪の白さに
一年 いいから
病院
雪の森
雨漏り風呂

切り株
妖しくせまりくる

銀河を写しだす星
思いでのクリスマス
イブの夜
蝋人形
クリオネ
空のペットボトル

日陰と日なた
雲をにらむ
10次元

空を飛びたい


僕の影がどれほどのものを包むのか

影がうごくように僕も飛んでは 山の影に消えて

影のみえない生身の僕は 

飛ぶことだけが目標ではいれなくなるんだと
聞かされたことを思いだす

風が吹いて飛ばされぬように

そんな重たい心を何度も飲み込んで
元気に地上にまっすぐに立ってみても 昼下がり

影は消えたまま いたたまれない

僕は消えてしまったのか

それでも やっぱり

空を飛びたい

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無声の散歩


素敵な舞台を 

しってるように ふる

楽しそうに ふる雪も

乱舞する雪も

命とはいわないだろうに

春に向けて時を刻むように

淡い

無声の散歩道

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冬の緑


季節はずれの焚き火から
舞うような煙が

空にも

地にも

木にも


空には緑はなく

地にあり 

木に育ち


緑が空まで漂うなら

冬でも
いやされるのに

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はだかな土


はだかな土がみえて ところどころ
デコボコな庭がいい

鶏がいて適度に敵意をむき出しにするものも
一羽ぐらいならいてもいい

こどもたちが すり減らすほどの
お気に入りなところでは草が生えない
 
乾いた土の
癒されることを知らせる 
下駄の音

忘れていた
 
たずねていこうにも

今は雪ノ国

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散歩の仕草


空にも季節があるのでしょうが

子供の遊び場から帰る道すがらほどには

く切れは はっきりしなく

やはり何かを さがしてしまう


みつからなくったって


そう それも

散歩の仕草

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吹雪の白さに

この冬いちばんの吹きだまるほどの吹雪の白さに

早く冬が終わって欲しいと思いながらも

霧の色が思いだせれないので

ただただ一生懸命に歩く

目に入る雪に しばたつかせながらも

真っ只中

きっと春まで

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一年 いいから


揺れ漂う光

思えばどこから発したのか

帰りたいとは思わなかったのか

じゅうぶん旅だったといえる


波 いきつ もどりつ

岸に届いたことで お前は消える

淡い

いやいや そんな
幻をみるような おもいで
語りかけないで

波音が私のすべて 消えることはない


積みかさねだった

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病院


病院の待合室で心配

目の前のドアを帰りには
どんな気持ちで開けるんだろうか

開けたら
行き先も言わないのに

真夏のひまわり畑の真ん中 

畑仕事の人たちの休憩用に
ひまわりの咲かないスペースがある

たどり着くと薬屋さんがニコニコと待っててくれて
「調子はいかがですか」と微笑んでおにぎりをくれる

いろいろ打ち明けようか迷うけれどお茶も欲しい
「昼寝もしたい」というと心配そうに

入院の手続きを済ましていただくと
このスペースが使い放題となりますよ

やっとドアの中から名前を呼ばれる

整理券「1」番とは

こんなにも特別扱いをしてくれるものなのか

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雪の森


きのうも今日も雪です

目に入っても溶けてゆく

口に入れても溶けてゆく

でも今日の雪は冷たさが足りないので

違う遊びをしましょう

吹き荒れる雪の向こうに興味がわく

迷いの森遊び

劇的を装うには 吹き荒れる森の出口はせまく

両手でこじ開ける

そう まるで

踊るように

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雨漏り風呂


お風呂に雨が降る

そんなに急いでも

海に流れてゆくだけなのに 

まるで知ってるように

何かの思いでなのか

キラキラしてる

寿命をむかえた屋根のお家では

たまにあることらしい

それでも

屋根の上で仲良く留まってる雨もいて

思わず 名前があるならと

聞いてみたくなる

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切り株


切り株は愛され庭の日よけの中でイスに生まれ変わり

もうそこから動くことはなさそう

まだ微かに残る水分を運べないでる

いつかは届けると約束でもしたのか

だとしたら待ちわびてるかもしれない

でも水をこぼさずに運べるのは人間だけで

ブランコにさえ乗る余裕があるものまで現れるんだ

切ってしまった切り株に うっかり
今年も冬囲いをしそうになる庭の主

柵は低くで いいね

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妖しくせまりくる


心の体幹に迫ってくるものが妖しい

ななめから真へ くねくねと迫りくる

目は笑ってはいない

 
こちらの心の中に入ってからが本性をあらわす

さとられそうになると

大きく激しく舞い

まどわす

歌が聞こえる

竜宮で聞いた歌か

そうか

こんな時に聞こえるのでは
蛇に飲み込まれるような心地よさ

けっして その歌声は
この物語の主ではないだろうに

何故こんなにも
戸惑わせるのか

もう遅い

先ほどからか

見つめられている

妖しいものに

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銀河を写しだす星


宇宙から見た暗黒の地球に微かに
夜景の明かりが浮かぶ

銀河を反射する星のよう

大気があり熱源もあり

太陽から比較的近いので太陽のめぐみも受ける星

それが地球

ほぼ半日たつと 太陽の光を浴びた
生き物達の動き回るのが確認される

高度な文明をもつ星の地球への研究は
どこまで進んでるのか

その星にもきっと地球人の付けた
名前があるのを知ってるのだろうか

銀河を写しだす謎な星 地球

それだけでいいだろうに

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思いでのクリスマス


鳩にえさをあげる人に間違われてるのかな

帽子かな 仕草かな

まるで違うところを
馬のたてがみのような美しい髪の女子が走る

けれど 違うよう


何もあげるものはないんだよ


ポケットの隅のホコリを握りしめては

もとは何のホコリだったんだろう

鳩がその頃を知ってるとでもいうんだろうか

思いだせたかい? あの時は楽しそうだったね

今年も

メリークリスマス

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イブの夜


さきほどからラジオが ちっとも音楽を流さない

話ばかりしてる

開いたカレンダーと僕の書きたいことが あわないので 下敷きにもならない
 
静かにカレンダーを閉じようと思うけれど

音楽なしではとっても特別なことをするような気がして

臆してしまう
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蝋人形


毎日がさむい

そういってはよろこぶ 

蝋人形

一番苦手なのが暑さと煙草

でも煙草がやめれない蝋人形がいる

手から煙草がはなせない
そう思わせるようなつくり

目の前に食事があるのに
いつまでも食べることが出来ない蝋人形

やはり本物に良く似たものの照明は明るい
ひび割れからでさえプライドがみえる

あまり似ないモノの前では

存在意味をみつけれない者たちが

足をとめる

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クリオネ


みかんの粒のついた
歯間ブラシ

まるで 

クリオネ

かわいい

北の海の妖精

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空のペットボトル


倒れた空のペットボトルを
おこしてあげたところで

何か意味があるんだろうか

お礼を言われるわけじゃないし

顔を描いても手も足も出ない 

だるまさん?

こけしさん?

倒れたままにしとけば
これ以上は倒れないんだし

おこしたのに一度でシャキッとしないペットボトル

それはもう足で けっ飛ばして欲しがってるんだと思う

いつかそのためのゴールをつくらなきゃ

それとも

空になると ころぶキャラ

僕だけの秘密にしておこうか

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日陰と日なた


雪の上にも日陰と日なたがあり

日陰はグレー?

日なたは白?

いえいえどちらも白なんですよ

そしてどちらも雪なのに
太陽の恩恵を受けてるんですよ

日なたがモノの影を作れるのは
冬だけのものじゃなく

と いいたくなるほど
雪の上にクッキリ

どちらにも雪国なので
花が咲かないだけなんですよ

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雲をにらむ

目的なく歩けば旅人なんだろうか

ちがう気がする

雪にかくれ坂道にみえる小さな階段

いつだって そう

冬だって人を化かす 

深い沼の底で魚の口から

空気の泡が無責任なことばのように
水面にあらわれ 空に吹きだまるほどに寒い

そう思うと

風が吹いては 雲をにらんでしまう

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10次元


宇宙のこと

10次元が共通言語

難解である

意識が世界を支配し

意識には経験が要らない

全てが遠いし 全てが隣り合わせ

人の体をなしたままでは

過酷な宇宙は さまよえない

10次元までも自在にみちびく超弦理論

そう
ニュートリノよりも小さく早く

そのことの全てが何ものにも影響をあたえないのであれば

やがて永遠に存在可能

ヒュ〜

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