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水槽
アスファルト
白樺

オルゴール屋さん
語る夏
用心
銀杏
エレキ

雪と氷
石器
描く
公園に遊ぶ
盗み聞き
まだ まだら
銀河鉄道

ゆれる景色
値札
矢印
闇夜
麦わら

水槽


水槽の中にいる僕が悲しむと
水があふれるのを

水槽の外で僕がみてる

でも水槽の中の柱時計が昔僕が
活躍した時間に針がとまると

どんどん水は針に吸い込まれてゆく

まだ針の向こうでの昔は活躍中で

水槽の外の僕は移動する時には

水槽を水がこぼれないように
持って歩かないといけないので

昔の活躍した自分を思いだしては

いつか針に吸い込まれてしまいたくなる

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アスファルト


アスファルトの上の枯葉を
足で舞い上げ 蹴散らし

とっても上手にできてしまう

人とうまくやっていけてる

アスファルト

雪が降る前に最古の
アスファルト路を訪ねて

触れてみたくなる

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白樺


葉がすっかり落ちてしまった白樺

すばらしい これが白樺

でもところどころにまだ落ちずにいる葉は
腐り垂れ下がる

白樺林にステンドガラス窓が
小さいながらもそんな景色を素敵に操る

通り過ぎざまに振り返ると

カラフルな小物入れが枝に垂れ下がり

落とし主を待ってる間の
遊びだったらしいのだけれど

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オルゴール屋さん


ピアノとオルゴールの違いが分かるようになったころ

この町にオルゴール屋さんがないことに気づく

どこに行けば修理をしてくれるんだろう

ピアノの修理屋さんはあって音は聞こえるのに

音楽を奏(かな)でてはくれない

今度「オルゴール屋さんになりたくないですか」

と聞いてみよう

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語る夏

暑い夏

地面を力強く蹴って
花の上をジャンプして向こうに着地

花を守った遊びをしては
まるで良いことをしてるように思ってるのに

蝶ちょやトンボにはジャンプという遊びは出来ないようで

こんなにも暑い思いでなのに こちらに近づこうとしない

そんなでは この冬も語り聞かせる夏の思いでが

1人さみしい お話になってしまう

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用心


早く来過ぎてしまった公園

雨上がりで草も濡れ 朝露にも濡れ

陽だまり前の蛇口は水が冷たく

まるで取り壊されそうな
公園の冬支度の中に迷い込む

いつもより 靴の音が響くので

風邪をひいてしまうのはこんな日なのかな

用心 用心

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銀杏


枯れて落ちるんじゃなさそうな
艶やかな色のイチョウの葉

艶やかなものは子をやどさないものと
旅芸人のおなごがいうのに

銀杏

落ちた葉と木に留まる葉とにサンドをされてる
銀杏拾いの夫婦

こんな黄色の絵の中で
よくみつけれるものだと思う

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エレキ


稲妻は光  落雷に逃げ惑い 雷は語り草

エレキ

伐採された青草も 枯れた草も匂いは似てて

ばつの悪そうに走り回る犬まで エレキを発っする

遠吠えよろしく雲に発射 空に漂う エレキだまり

あつめた先は クリスマスの夜

やさしく あちらこちらに

舞い降りる

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雪と氷


寒い日の池を絵の具で白く塗れば氷が張ったようなのに

周りは寒いだけで雪はまだ降らない日もあれば

氷が隠れるほどの雪にみまわれる事もある

圧雪のほとんど氷のような層は氷として 生まれ変わり一生を終わる

雪と氷・・・

その先が聞こえないのでは

池に氷を描くのはまだ早そう

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石器


鉄棒の砂場に石器が眠る

その砂場は昔 底なし沼で 隆起して今の高さに落ち着いたらしい

石器や恐竜の化石などとの現代人の出会いとは

本当にあることで

僕が今その石器を手に取っても あたりまえにカバンにしまう

この石器を手に持ち化石となったとしたら

私は 何原人なんだろうか

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描く


消えて欲しい落書きは空へ 一筆書き〜

残したい思いは荒地に

人の寄りつかない 雨の降らない 流れない

消せない大地へ

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公園に遊ぶ


白樺の紅葉ほど似合わないものはないのに

それには目もくれず 他の花や草にまで 一々どこに咲きなさい いつ咲きなさいと指図をする人がいる

それなりに必要とされてはいるけれど その人の肩に舞いおりようとする枯葉はなく

くもの糸にからまって 散ることのかなわない枯葉だけが目立つ公園

これがこの人の成果なのか

良かれと思い  いろいろ指図をする彼も

休むのは  遊び心のある草刈職人の仕事あとの公園

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盗み聞き


人形を干すところはみても 洗うところはみたことがなかった

洗う順番があるのか テキパキと頭から顔腕足と洗ってゆく

次に洗われる人形もそばでまってる 親子なんだろうか

そんなに気持ちのいいものなのか さっきから人形は声をださない

洗う人も少女なのか 母親なのか 人形とは思えないほど優しく洗ってあげてる

すすいでは絞って紐に洗濯バサミで干してる

なんだ 人形だと分かってたんだ

次のを洗おうとすると

その子は寒がりなのでお湯で洗ってあげてくださいと 干された人形がいうので 親子なんだと分かる

盗み聞きをしてる僕も 温まりそう

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まだ まだら


手袋がまだ暑く
脱いで丸めて手に握ってると

毛糸の温かさが うれしい

みんなもこうすれば

温かいやら 寒いやらが

まだ まだら

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銀河鉄道


美しい光を放つお嬢さんたちや

書き下ろしたばかりの譜面をなぞっては 指で拍子をとってる初老のバイオリン弾き

膝で眠ってしまった子供の口から どうにか駄菓子を取りだすお母さん

馬車で着いた駅に置いてきた馬が
ここまでの道のりを嫌いにならないようにと願う青年

工場の煙突から我先にと あちらからもこちらからも煙が上がりはじめる

それに誘われ いよいよ蒸気機関車が出発の用意

もう直ぐ日が昇り朝日が空に向かうレールを照らせば

出発〜

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ゆれる景色


なんとも趣味のよいお膳が用意されてて

その上にお月様が

三日月なので真ん中にのってるのに
真ん中には見えず

欠けたところには大きな枯葉が垂れ下がり輝きをうける

なかなか素敵なもので 絵に描いたように平面で表され

風が吹いては そよそよとゆれる景色

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値札


枯葉に値段が付いていたのか

向かう方向に値段が付いていたのか

湯船に入ると140円の値札が僕の体から剥がれ落ちる

役目を終えた開放感に浸っては ゆったりと漂ってる

何の値札なんだろう?

なにかを教えてくれるのか

湯船に落ちた歯ブラシがゆったりと周り始めては
羅針盤の針のつもり

僕の方を向いて とまるような気配を子守唄に

目をつぶり 肩まで浸かり ゆったりと

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矢印


河川敷の
石段の途中にある小石を横に蹴っても

下に落ちてゆく

横向きへではなく
下向きの矢印へと いい当てるような小音

そうなのか

もし そうなら

申し訳ないことをしてしまったのかもしれない

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闇夜


真夜中に灯る炎が この暗さが相性がいいのか 

酸素がこんなにも溢れてるからなのか いつまでも灯ってる

そばにいて離れないモノもいるけれど それらは眠たい生き物のようで他愛のないモノ

でも  消えた後の世界が奥深さを確かめにやってくる

暗闇とはいえ歩み始めれば旅人

闇夜に研ぎ澄まされた 魔物になるまえに

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麦わら


広げられた麦わらの向こうにいろいろな世界が現れる

麦わらはみんなに愛されてるので  どんな世界が現れても受け入れてもらえる

チョッと悲しい物語も 私にもあったわ

のどかな景色の中の恋物語

あきらめ切れない物語が現れると 目を閉じ耳を澄ます

麦わらの中の純な想いと目があって恥ずかしい

そんなところに座っちゃいけないよ と言おうにも長い西日に分かる気もする

そんな素敵な時も終わりがくる

やがて麦わらが物語を映しだせなくなり 

一色ではない装飾された もとの世界

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