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羽をください
風船
やかんのお湯
自転車だって 枯れる
炭酸がうまい
ワイシャツ

縄が宙に浮いてる


置物
夕暮れ時にあらわれる家
さむいのはいやだ

昨日は雨が降った
雨上がりの散歩道
ファゴット
切れっぱしが出ないよ
うに
日が短くなったので

歩く人の気
深呼吸〜
想い文


羽をください


ドロノキはやはり泥色

その小枝はまるでシオカラトンボの尻尾

それをみたオンコの実も私にも羽をください

羽の似合いそうな実を探すと
小さい実ならみんなが似合うと思ってるようで

木の実たちがざわめき立ち
我先にと木から落ちては潰れてゆく

羽など着いてないのに

くたびれて座るベンチからでさえ
いつかは去らなければならないのだし

仕方のない事なのかもしれない

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風船


風船が青空に舞い上がる〜

早い早い

どんどん上がってって 見えなくなり

飛んでるトンボまでが振り返るんだから
今では特別な出来事なんだ

おばあちゃんまでが見上げるけれど

おばあちゃん 最近の風船はね昔と違って
性能がいいから早いねって いってみたいけれど

おばあちゃんの思いでたちの
反撃にあいそうで やめました

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やかんのお湯


ポットに入りきらない
やかんの中に取り残されたお湯

もうすぐ冷めては
使われずに捨てられる運命なのか

さっきの沸騰してた元気はなく静か

それとも ポットの中のお湯より早く
また地球に染みては旅をする支度中なのか

水はいくども生まれ変わる旅人

人と接する機会をもつ水など奇跡の中の奇跡

それほどの出来事なので

ポットに入りきらなかったやかんのお湯の方を
先に飲みたがる人がいるということを

まだ知らないのである

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自転車だって 枯れる


自転車に落ちた枯れ枝が引っかかってるんだけど

その細さが自転車のいたるところの細さと似てて
なんともいえない存在感

長い枝なら 自転車何台分にも引っ掛かれ

枝に自転車が引っかかってるようにも見えて楽しい

そして何かの儀式が始まり

自転車はぶら下がるばかりでも風情をかもし

そして やがて

自転車だって 枯れて落ちる

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炭酸がうまい


かけっこなど苦手で足がからまっては転んでたけど

マラソンは得意な方だった

吊り輪は苦手だけど

けんすいは得意で28回も出来た

でも次の日 腕が伸びなかった 

決して武勇伝にはならず 痛かった



僕は何も出来ない 

でも

炭酸がうまい

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ワイシャツ


昼時ワイシャツを着たみんなと会社から
食堂街に向かうんだけど

どの店に入ろうか迷ってしまい 
段々と疲れた僕はみんなに遅れ始める

もうみんなの後姿も見えないほどに遅れてしまい

ワイシャツでいちゃいけないんだと思い
ズボンにシャツだけで定食屋に入ると

みんなが自分がはぐれたと思ってたらしく
ズボンにシャツでチョッと恥ずかしそうに笑いながら 

たらふく飯をくった くった

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縄が宙に浮いてる


縄が宙に浮いてる

そうじゃなくって 

あなたの思いの中にあらわれたんだから

宙に浮いてるようにもみえるし
空からぶら下がってるようにも思えるんだよ

野焼きの畑から 匂うあの香りが思わせるのか

道端に落ちる少しばかりの縄を拾ったところで
つなぎ合せるほどの縄がこれから見つかるわけじゃないだろうし

神聖な所からのほころびなのかもと

それならば虫たちが冬支度に使えそうな仕草にしてあげようと

目を閉じるとあらわれる麦わらの上に

やさしく置いてみる

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言葉と言葉を足しても「3」にしかならない

好きな数字

どんな言葉たちを足しても「3」にしかならない

突然大きなクローバーたちの集まるところがあり

大きなクローバー+集まってる=湿地帯だったりして

となってもいいだろうにやはり答えは「3」らしい

蝶とトンボ+一緒に飛んでるようにみえた
=一つの花にはとまらなかった

だって やはり答えは「3」らしい

そうなのか 

すべての答えが「3」になるこの世界って

まだまだ 捨てたもんじゃない

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公園の外で咲く花と

公園の中で咲く花の間に柵がある

こんなにも広い想いで

花たちが来るのを待ったけど

やはり柵の向こうの花たちは
これそうにないみたい

柵のこちらと決まった花たちも
きてはくれない

柵が開いたからって

きっとなにも変わらない

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置物


招き猫

どっしりとお店の入り口に置かれてる 動かない

置物だから 本物じゃ動いちゃって役に立たない

目を覗く人がいるけれど 目の前で手を動かしてみても

何も変化がない それをいい事に今日も変化がない

でも焼物でできてるから いつかは割れて捨てられるんだ

せめて原型を留めないくらいに粉々に砕け散って欲しい

割れた後も何とかなおせばお勤めが出来そうと
思えないようにしてあげないと

置物とはいえ 気の毒すぎる

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夕暮れ時にあらわれる家


窓ガラスに映るのはいつごろ?

そんな夕暮れ時

私が映るのは隅っこでいいよ

その向こうには家具が映り 

その家具の作るスペース分のスクリーン

その前を動くものはみんな妖しい 妖しい

きっとその裏には庭があって そこに着く頃はまだお昼ごろの
縁側で30そこそこの私が座ってて

いつか おばあちゃんが変わってくれるって
思って待ってるのよ きっと

そう 柵がちょっと壊れてたりするのよね

自転車の音が聞こえると おばあちゃんをたずねて来る
私なのかもしれないとも思っちゃうんだけど

お土産は窓ガラスの隅っこに映る私が今食べちゃったの

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さむいのはいやだ


空気をたっぷりと溜め込んで暖めてくれる生地のものを
リュックの中にしまいこんでは、寒い日にそなえる

こんな日の雲は何にでも化けてくれるので楽しめるけれど
空をみては首筋がさむい

下をみては震えた道のポイントは今年も寒い日には通れそうにない

枯葉はどこにいくんだろう

目に付くのは雨にぬれ体以上の草汁をもてあますような
アスファルトにへばりつく葉ばかり

あ〜 さむいのはいやだ〜

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昨日は雨が降った


ブログに昨日の出来事を書きおえて
散歩に出かけた子が

昨日は雨が降ったって
書くのを忘れて気になってるんだけど

いいと思うよ

いい天気の日の雨だからね

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雨上がりの散歩道


水溜りの落ち葉が 乾くまでは遊び心

濡れた小枝は踏んでも折れた音がしないままに

林のいたるところから聞こえる音に包まれる

雨上がりの散歩道

湿気が高いのか 山が近い

長袖のシャツ一枚分のぬくもりに

あったかい珈琲

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ファゴット


ファゴット

素敵な音色に魅せられた

今ここに吹く姿があるのに

思いでから聞こえてくるような

忘れてたところから
こぼれてくるのかもしれない

今度来てごらん
と小学校の用務員のおじさんからの残暑舞い

うす茶色からセピアへの時の流れ 

同系色の世界へと

流れてゆく 音なのかも

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切れっぱしが出ないように


枯葉も緑豊かな葉も雨にぬれ水々しい

まるでコーティングされたようで剥がせないつもり

それなら 今日夢に出てきたあの形

カラスのくちばしなのかハサミの先なのか

思い出せた後の先に行きたいけれど

それでも思い出せないのです

う〜ん でもハサミだとしたら

景色のどこかに切れっぱしが出ないように

気をつけなければ

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日が短くなったので


日が短くなったので

待ち合わせ場所に不向きと決まった景色たちは

言い訳をしやすくなり嬉しそうだけど

昼はあれだけみんなを和ませてくれた緑豊かな木々葉は
あっという間に夜に馴染み

そこは 暗がりそのものになってしまう

とり残される花は
 
自然にチップと成り行き場を知らない木の欠片だけを

朝までの温もりにと思っても

早く土に帰れたらいいね

と応援もしてくれてて

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歩く人の気


今日は行かなかった道の方から

静かな空気が漂ってる 

無にも揺らぎがあるように おもいにも引きがあるようで

少し怖くなり 時間のある日はやはり いく道なのだろうか

今日その道に行く人たちは飲み込まれてくようにしか見えない

歩く人の気にも
ドップラー効果があるようで 

どこに立てば感じれるのかも 

誰かと目が合うかもしれないとも思い

自然の中とはいえ 突然振り返ることはしない

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深呼吸〜


西日の当たらない山の麓に建つ家

誰もが選らばなそうなところなのに

緑豊かな森の匂いが部屋中を包むのは
道行く人には見えないから

気づいた人は 道のこちら側をゆっくりと歩いては

深呼吸〜

思わず両手を広げてしまいそう

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想い文


想いを文に綴る

髪を綺麗に結い 櫛をさし着飾り終えた花魁

書いてみても伝える相手の名前を知るすべもない

これ以上の言葉はないほどにしたため
幾重に折り重ねた文を目の前にかざす

この想いのためだけに着飾ったつもりの 時

誰もいないのに 差しだす仕草

やがて彼の背丈分にかざす

これでもか これでもかとかざし続ける

目はうつろ 

死んでも離しはしない

横一文字に口でくわえては

舞うように ゆく

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