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始まりの景色
冬のお伴
確かな思い込み
夜空散歩
セピア色
赤い月
ドライブ
華となれる夢
花のジョーク
故郷
調理パンの具の気持ち
ミスティ

ホワイトイルミネーション
思い出の初恋
クリスマスの遊び
空き地の時間
浮いて行く
龍の背中
戻りたい
春近い公園
2人の曲に

夜桜
素敵な建物

浅川マキ
夏秋冬春
つくし

屋根
ただいま
シロツメクサ
夏の公園の蛇口で

  

始まりの景色


セピアに赤を混ぜると紫になる

そんなありそうな嘘にだまされてみるのも落ち着けそう

手を伸ばし 足を伸ばしその色に同化したい

そしてそのままでいれたりする?

そんな小話にもだまされそうな

クリスマスの夜

セピアに赤を混ぜると紫になる

そんなありそうな嘘に乾杯

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冬のお伴


ぬくもりはうれしい

あったか〜い

でも欲張ると やがて汗となり冷えては
流れ落ちてゆく

でもまた ぬくもりは顔をのぞかせてくれて

「待ってた?」って

ぷっ’ おもわず両手で抱きしめてしまう

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確かな思い込み


「実は僕空を飛べるんだよ」と

誰かに言われたらどうします?

言ってみたくないですか。

「実は僕空を飛べるんだよ」

「えっ 本当に?」とかって

素直にビックリしてくれたら楽しそう


今度背中に乗せてあげるよ

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夜空散歩


毎日夜空を見上げる天文台が遂に
星空へ舞い上がる

拍手〜

帰るのはやはり小高い丘の上

拍手〜


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セピア色


「あそこの壁に掛かってる紙ってセピア色なんだね」

「ばか’セピア色の紙なんじゃなくって古くなってそうなってんるんだよ」

「セピア色ってそうやって作るんじゃないの?」


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赤い月


すすき野原のくぼみから見上げる月
すすきの重なりにセピアな月

あなたの心が見えないそんな二人で
見上げる月はかすんで見える月

夕空を染める真っ赤な夕焼けに
そろそろ帰っておいでとささやく

そんな赤い月

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ドライブ


郊外を走ってるといつものところに
いつもの景色がある
そんな久しぶりな景色に
「また会ったね」といえるのは
雪が解けてから

無造作な冬囲いのその向こうで
小さな僕が歩き始める
そんな思いを振り切るようにアクセルを回す
そんな怪しげな道も
雪が解けてから

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華となれる夢


咲きほこれず さりとて散る事もかなわぬ
忘れられた つぼみ

それでも朽ち 落ちる先は池の中

沈んでゆく
沈んでゆく

でも・・・

観る者があれば いまだ’華となれる夢はある

そんな朽ちたつぼみの 咲きほこるようなさまは 池の中でこそ ひらく

そう水たちがそ〜っと 忍ほどく

花びら散るなどない この華の姿こそ

あこがれか

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花のジョーク


花さん 花さん
あなたは何でそんなに美しいの?

「あなたのボーっとしてるのを
何とかしたいからよ」

わーっはっはっは

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故郷


この町にはこれからも居るんだから
この公園を
想い出に刻んどかなきゃ
なんて
ないから

今日も
公園の入り口に
差し掛かってんのに

ちょっと
楽しげに
いたずらっぽく?

公園の外堀を廻って行こう〜

_____________________

調理パンの具の気持ち


パンの外を見上げれば
希望に満ちた
暖かい光が差し込む

なのに僕は食べられて
終わっちゃうんだ〜ヨ

_____________________

ミスティ


私を見てと
霧深い中で叫んでも
きっと
それは
ただの独り言

ミスティ

_____________________




光のしっぽから
質量を得たかのように
剥がれ落ちる

まるで しずくのよう
拍手を待つかのよう

何にでもなれそうな
そんな想いで?
はがれ落ちてゆく

素敵な一度だけのショー

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ホワイトイルミネーション


見事な光の宴にも
立ち止まるには寒過ぎて

やり過ごすには
眩過ぎて

こんな思いが
毎年繰り返される

毎年 毎年

セピアに赤を混ぜると
紫になる

そんなありそうなうそに
今年もだまされそう

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思い出の初恋


壊れかけの石段が見える

行きは
上り

帰りは
下り

いつからなの?

空き地になった
言霊のお届け先

広げた事のない想い出は
空からじゃ見えない

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クリスマスの遊び


どなたのダウンから
抜け落ちたのかの
羽毛が

降り頻る綿雪を
ふわふわと
友達にしちゃってる

そんな
クリスマスの夜

メリークリスマス

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空き地の時間


みごとなコスモスの苑も
刈り取られ
忘れられてた小さな池が顔を見せる
でもなんか恥ずかしそうだな

がんばって がんばって
何本かの
刈り取り忘られたコスモスが
その池を隠してあげようとたなびく

がんばって! がんばって !

素敵な景色

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浮いて行く


ず〜っとあこがれてた
あの青空に舞い上がる
それが今出来てる
嬉しい

下を見ると彼が泣いてる
何で泣いてるんだろう

やっぱり戻ろうかな

でも
もっともっと空高く舞い上がりたいし

でも戻ろう彼を泣きやまさなきゃ

えっ
どうしたんだろう
戻れない

え〜っ?!

あ〜そうだ

あたしは死んだんだった

それで
戻れないんだ

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龍の背中


長く伸びた龍の背中を走る

キラキラと太陽の光を
足元まで
伸び反射する

浅瀬の海にあらわれる
一筋の
竜の背中

そして
空高く舞い上がりたいのかい?
それとも
海深く潜りたいのかい?

なんて言われたら

いや いや
あの地平線までつながってる今が
とっても素敵でって

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戻りたい


戻りたいのと
抜け殻にセミが

手伝ってあげようか
気が合いそうだし

ひゅ〜

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春近い公園


あ〜だめだめ
この公園の魅力はね

こっちから入ってさ

あ〜違う違う
こ〜う ぐる〜っと周る様に

そうそう
ここはこういう風に道が出来てるからなの

ここんとこは 幅はこれぐらいだったかな
彼女と2人で横に並んで歩くと楽しいかもね

出る時はね
まだいるだろう皆に挨拶できるように
そっちからこっちに来るように出るのさ
分かる?

「あのさ なんとなく分かるけどさ
雪が解けてから
もう一度言ってくんない」

それって
もうすぐ?

だよね?!

「だよね!!!」

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2人の曲に


歌詞のない曲に歌詞をつけて

思い出の曲の出来上がり

でも
曲名は変えない

合言葉だから

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夜桜


灯篭が支配する世界

白くも桃色を浮き立たせ

怪しい気持ちにさせる

まるで灯篭に書かれた文字が
誘いの呪いのように浮き出る

振りほどき
かろうじて家路に向かおうとする者あらば

これでもかと
池に映る橋までもが

「この真っ赤な橋を渡らねば帰れぬぞ〜」

物の怪の春のお楽しみ
夜桜縛り

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素敵な建物


素敵な建物がある
恋をした
建物に

いつしかその建物は
喫茶店になり
中からこちらを見れる
そんな建物に生まれ変わった

閉店時間にも帰らなきゃ
僕のもの?

ひゅ〜

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浅川マキ


木目の格子の入ったガラス戸を開けると
いつもの喫茶店がある

カウンター席に座る
黒で決めた娘が

「今日からあたしが浅川マキよ」
と、言っても

誰の心にも響かない

ひざ掛け代わりのコート
そんな様が似合う頃に また会おう

と、言った僕の言葉も様にならないな〜


ふっ と笑ったマキさんが
ガラス戸のきしむ音で
オチをつくってくれたような

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夏秋冬春


照りつけるぬくもりが花々を謳歌させる
太陽よ ありがとう

散りゆく、留まる事無く去りゆく潔さ
風よ ありがとう

行くも戻るも魅力無し 白い静寂な景色
雪よ ありがとう

抑えるな!芽生えるぞ!想いもつぼみもあらわな姿をさらす
命よ ありがとう

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つくし


皆さん 僕’つくしです

そうあのつくしです

僕を食べ物だとは 思わないでいいです

ただ’ただ’ そこに、いるだけです

本当に それだけですから

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屋根


屋根には 何物も残ってちゃいけないの?
誰かが そう言うの?

屋根の引っかかりに留められた人形が ばつが悪そうにしてるものだから

もうすぐ 風に誘われて さよなら なのにね

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ただいま


大きな花の上に

小さな花の
小さな小さな花びらが舞いおりる

・・・・おかえり

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シロツメクサ


シロツメクサ達の誘い

私達の仲間はこれだけ
今日は何を編んでくれるの

小高ければ小山を作り

周りに何もなければ土に浮かぶ
小島のように振舞う
シロツメクサ達

しかし
それだけではない

シロツメクサ

この名を特別なものへと 張り合わせる2人がいれば

4つ葉のクローバーをあげよう
魔力を秘める

やがて張り合わせた思い出が
朽ち果てるまでに

思い出の抜け殻を伝い
何かが再生する

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夏の公園の蛇口で


どこにでもある景色に今日は
「あの向こうに海があるのさ」
と言ってしまった

本当にありそうで
今のうちに真水を確保と
公園の水のみ場を探す

ごっくん ごっくん
水は飲んだ 服が濡れた
サンダル履きの足も濡れた
汗もけっこうかいてる
太陽はまぶしい

う〜ん 満足
今日はこの辺で 満足
あの向こうに行かなくっても 満足

熱い夏の日の突如現れる
心の蜃気楼


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