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メンバーはシブヤ(g)とピアノが絶世の美女(古い言い方だ〜)ピアノに座る後姿は長く美しい黒髪、彼女はシブヤの学生時代のサークルの後輩で今は東京でプロとしてやってて、でもとある理由で札幌にくる事になり、連絡をもらったシブヤは「じゃ良い機会だからコンサートをやろうよ」と誘い実現する事に後のメンバーは省略?・・・・・じゃちょっとだけ。ベースはウッドベースで札幌から、ドラムも札幌で活躍するドラマー、今回はそれにパーカッションも入ってもらう。彼も札幌を中心に活躍するミュージシャン。そうそうボーカルに男性がお一人曲によって入ってもらうんですが、ボーカルが男性だと分かるまで夜も寝れないくらい気をもんだ、悔しがった女性が一人満席の客席の中にいるんですが彼女の事は後でまた。なんとチケット代が3000円なんです。で、誰からともなしに「3000円は高いんじゃないの」と言われもしたんですがシブヤは「いやそれだけのモンを聞かせれると思います。絶対高くはないよ」「んーじゃその言葉を信じるか、シブヤさんってジェリコでやるライブのチケット値段をつけるのってそれなりに色々考えてつけてるみたいだし、いいよOK来るよ1枚ちょうだい」と。ある日突然パット メセニーになった僕はコンサートをする事に。「皆さん来てくれてありがとう、今日は楽しいモンが出来そうです。一部は4曲、二部はチョット長めでやらせてください。よかったら最後まで聞いてってください」で、Are You Going With Me?(TRAVELS)が始まる。    



Are You Going With Me?が始まるとどれだけ弾けるんだろうとのみんなの目がシブヤにくぎ付けになりでも彼は淡々と段々に熱くなり一部のお客さんはシブヤが飛び跳ねながら弾くと吊られるように一緒になって飛び跳ねたりしてジャズ・ライブの世界でもこんな事があるんですね。2曲目にはFIRST CIRCLE(THE ROAD TO YOU)1曲目で行っちゃったから二曲目は抑えるのかな?二曲目もこのままだとくどいしなとか思ったりしてて、でもそう思ってたお客さん達は「へーこう行くのもありなんだアコースティックに持ち替えかいいな」とかって。この曲でもそうですがTWO FOLK SONGS(80/81)でも柔らかいピックでのバッキングに徹する’これなんかもメセニーになれたら是非やりたいと思ってたシブヤは疲れを知らないかのように弾きまくる。もう一人喜んだ方が<ボーカルが男性だと分かるまで夜も寝れないくらい気をもんだ、悔しがった>と前に出てきた女性。「なーんだボーカルって男性か、なら許してあげようかな(何を?)」三曲目にはギターの持ち替えのいらない(実際は違うギターです)ようにアコースティックのままでバラードTHE ROAD TO YOU(THE ROAD TO YOU)へ。先ほどまで険しい顔で聞いてた女性もゆったりしてる、皆が癒されてる。しかし’その素晴らしいギターを弾くシブヤの向こうに見えるピアノの女性の横顔の美しさにフッと不安がよぎる彼女。それは次の曲HALF LIFE of ABSOLUTION(THE ROAD TO YOU)でなおさら強いものに。でも今度は険しいのではなく悲しげな顔に    



HALF LIFE of ABSOLUTION(THE ROAD TO YOU)でのその美しいピアノの激しくも素晴らしいテクニック・ソロ、そのソロにまとわるシブヤの絶妙なバッキング殆ど二人の世界。その客席にいる女性は二人の世界を知ったような気になり悲しくなってしまう。でも客席にいる好青年が一人シブヤのギターに合わせるような仕草でギターに見入ったりピアノの女性に見入ったりするのを知らずにいる。で、一部は終わり休憩時間にシブヤはお客さん達にもみくしゃにされてる。「シブヤさんなんで、そんなに弾けるのに今まで黙ってたの?」みたいな攻め方をされてるみたいだ。7分ぐらいたったろうか、もう二部を始めようとしてる。思うに休憩タイムにあまりお客さん達がドリンクの追加オーダーをしないから「それなら始めちゃおうかな」とかってなったんじゃないだろうか、シブヤってちゃっかりしてる?「二部を始めたいと思いまーす。皆さん今日のライブが実現したのは先ほどから素晴らしいピアノを聞かせてくれてる○○さんが札幌にくる事になって実現したんです。その札幌に来た用事というのは先ほどから客席で僕のギターの真似をしてる男性がいるんですが、彼と結婚式を挙げるために来る事になったんです。皆さん○○さん’□□君ですー」と。皆から暖かい拍手が、客席のさっきまで泣き出しそうだった女性も全てを知り嬉しくなりうれし泣きしそうなのをこらえながら暖かい拍手をしまくってる。今’店の中がいい雰囲気だ。「お2人の結婚式で2人で1曲やるそうなんです。それが○○さんがピアノではなくな〜んとボーカル、□□君はギター。それで彼は今ショートで僕のギターの生徒になってます。○○さんの練習にもなるし□□君のイメージ作りにもなるからとお2人のリクエストで○○さんと僕とのデュオ(実際はデュオではありません)でTHROW IT AWAY(ABBEY LINCOLN/A TURTLE’S DREAM)をやります。二部もゆっくり聞いてってください」、などとしおらしいMCで二部を始めたシブヤですが、ギターの音を微妙に揺らしながら弾いてる。なぜなんだろう?僕の思うにシブヤの事だから、いくらサークルの後輩とはいえ在学中「可愛い」と思っててやはり”持ってかれた”とかチクッとして音を揺らしながら弾けば音を取りずらいだろ〜とか思ってじゃないの。せこい!でもそのおかげで素晴らしい曲に素晴らしいギターソロに仕上がった。1曲目が終わり「スタンダード(スタンダードではないけど物語上そういう事にしときましょ)ってやはりいいですね。僕にも1曲スタンダードを選ばせてもらえますか   


僕にも1曲スタンダードを選ばせてもらえますか?で選んだのがOld Folks(Question and Answer)「この曲はトリオでやらせてください」ベースのソロの後のチャラ・チャラ・チャ―のチャ―の所の決まった所で「シブヤのエッチ」「シブヤすけべ」とか来そうだなというやじが飛ぶけど本人はいたって真剣。この曲を聞いて欲しい人が客席にいるから。そこからBETTER DAYS AHEAD(THE ROAD TO YOU)へ大分方向転換するんだけど大正解な選曲だった。THE ROAD TO YOUのようなライブで、もし休憩をはさむとしたら二部の頭はこんなのから入ってって本題に持ってくってのも面白いんじゃないだろうかと思ってたのでやってみれてよかったみたい。NAKED MOON(THE ROAD TO YOU)と続きこの曲で完全に皆の心を掴んだ。今の気分は?とその時にいるお客さんに聞いたらみんなが「このままいつまでもライブが終わらないでほしい」と言うと思う。でも次のBEAT 70(THE ROAD TO YOU)で終演を予感させてTHIRD WIND(THE ROAD TO YOU)にもってっちゃう。であふれんばかりの拍手、拍手その拍手がアンコールと変わるのに時間はかからなくってその終わる事の無い拍手の中でアンコールに応えるんだけどメセニーになったとはいえ元はシブヤだからメンバーへの気配りもバッチリ(?)アンコール用に用意してた曲はSong For Bilbao(TRAVELS)パーカッションとドラムにスポットを当てる。この曲でのピアノがまたいいんですよ。客席にいるピアノ弾きが「東京に行けばこんなに上手くなるモンなのかな?」とか思ってしまうほどのテクニック。しばらく聞いてて「そうか東京と札幌を行き来すればいいんだ」という事に気持ちを切り替えたみたい。東京にいくってのもとんぼ返りじゃなくってしばらくいて他のライブにもささるとかしたらもっと身になるでしょうね。とか言ってる間にアンコールも終わって客席がまだ興奮も冷めずにいてメンバーが楽器を片付けようとしてる時にシブヤがカウンターにちょんと乗っかりマイクで拾うでもアンプにつなぐでも無しに生音でギターを弾き始めた。曲はSan Lorenzo(THE ROAD TO YOU)。店内の皆が聞きほれてて、シブヤのギターを弾くムードから誰かへの特別な曲なんだろうなと皆が思う。
END

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