2012年3月9日 板倉弘実

 皆様へ
 今日も、クロンビ岩の爆破作業が続けられ、大勢の抗議する市民25人名が逮捕・連行されました。
 現地は、「憤怒」「嘆き」「悲しみ」でいっぱいようです。
 「絶望のあまり、過激・無謀な行動に走ることをいましめる声」も上っているそうです。
 漢拏日報が、「与党さえも、基地設計図の再検討を要求」など記事を掲げ、基地建設推進派だったウ・グンミン知事が、「公有水面埋め立て許可の中止~取り消し」(知事の権限)の手続きに入ったそうです。
 ただ、手続きが終了するのは20日だそうです。
 昨年末、済州海軍基地建設予算の94%が削減され、工事予算が零なのですから、来年度からは工事ができないわけです。
 「工事予算の復活」がない限り、工事は中断されるのです。
 それなのに、狂ったように、回復が困難な自然破壊の爆破を強行する原因は?
 海軍に、広範な国民の批判が集中するのは当然のことのように思います。
 済州大学のイ・キルジュ教授(哲学)が、「24日~26日に開催された済州島国際平和大会の宣言文を皆様に紹介して下さい」というメールを下さいました。
 カンジョンの基地予定地を「平和公園」にし、済州島を「生命と平和の島」にし、朝鮮半島の統一、東北アジアと世界平和の島にする仕事を、日韓の市民の共同ですすめたいと念願しています。
 「済州島 平和の島宣言文」をお届けします。
 よろしくお願いします。


「済州島 平和の島宣言」

 済州島は、ユネスコが、2002年に生物圏保存地域に指定し、2007年に世界自然遺産に登録し、2010年に世界地質公園に認定するなど、自然科学分野の3冠王に指定していることが雄弁に語っているように、天恵の自然環境を誇る島である。

 同時に済州島は、日本帝国主義の侵略の傷跡が手つかずのまま残っていて、横暴な国家権力によって数多くの無この良民が犠牲になった済州4・3の凄絶な痛みが残っている場所でもある。

 そこで、韓国政府は、済州島のすぐれた自然環境と痛みの歴史を、生命と平和に昇華させるために、2005年1月27日に、済州島を「世界平和の島」に指定したのである。

 けれども、今、政府は安保を口実にして、 済州島に海軍基地建設を強行する矛盾を見せている。海軍基地建設の予定地であるカンジョン村は、共同体と自然環境が無残に破壊され、国家権力による狂暴な人権蹂躙が恣行されている。済州島は、葛藤と紛争の島、環境破壊の島に転落して、東北アジアの火薬庫になる危機にさらされている。

 政府の無謀な海軍基地建設強行によって、生命と平和が無残に踏みにじられているのだ。

 けれども、カンジョンの住民と平和活動家たちは権力の弾圧に屈することなく、5年もの間、激烈な海軍基地反対運動を続けてきた。このように、生命と平和の聖戦に根ざす血と涙が肥料となって、済州島が、「生命と平和」という人類普遍の崇高な価値を具現する「生命と平和の島」としての地位を占めることになるであろう。

 そこで、私たちは、すべての志ある人たちの切実な願いをこめて、済州島を「生命と平和の島」と宣言する。

 私たちは、自然環境がよく守られ、保存されるだけでなくて、人権が正しく保障され、正義が河の水のように流れる地、海軍基地建設予定の敷地に平和公園をつくって、アジア・太平洋非武装地帯としてすくっと立ち、世界の平和に寄与する済州島をつくるために最善の努力を尽くすことにした。

 このようにして、済州島は「真実の生命と平和島」になり、世界の多くの人が訪れて、天恵の自然の中で安らぎと治癒を得て生命力を回復し、すべての対立と分裂を終わらせ、韓半島の平和的統一、さらに、東北アジアと世界の平和への道を切り開いていく「真の生の場」になることだろう。

2012年2月24日

済州島国際平和大会参加者一同


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