2012年3月6日 板倉弘実
済州島、友好・連帯のつどいニュース 

 「安保」=腐敗しきった政権による自然破壊、国民生活破壊、人権蹂躙…
 5年任期の最終年を迎えた李明博大統領一家と、側近の腐敗ぶりが、明らかにされている。
 李明博一家の私邸購入に公金を使った疑惑が、検察の調査を受けている。
 李明博氏の実兄の与党の大物議員に不正蓄財の容疑があって、次期選挙での立候補を断念した。
 息子も、検察の調べを受けている。
 大統領府の秘書官たちの不正も暴かれた。
 与党の現職の国会議長が「党代表選出に絡む〈金封筒事件〉」で検察の告発を受けて辞職し、次期立候補断念を表明した。

 カンジョンの海軍基地。
 村人は、一度の面談、説明もないまま、電話と葉書で土地を強制収用された。
 村人が共同作業でつくった道を閉鎖されて、畑、海辺に行くことができない。
 塀と鉄条網で囲まれた済州海軍基地敷地の外の、カンジョン港への往来を拒まれることがある。
 不正、不法、脱法の基地建設工事に抗議する言論、集会、示威行為の権利が圧殺され、逮捕・投獄、懲役刑、罰金刑を科せられて市民が続出している。
 海軍軍人、基地工事作業員による暴行、「逮捕」も繰り返し行われている。
 「美しい海を守り、子孫に譲り渡したい」村民の素朴で強い要求が、道政、国政を動かし始めた。
 基地建設推進派であるウ・グンミン道知事とセヌリ党支部も、工事中断、計画再検討を求めている。
 道・商工会議所が、「一方的押しつけをやめて話し合うよう」求めるなど、経済界にも葛藤の解決を求める声が広がっている。
 追いつめられた国防部・海軍は、「権力の、すざまじいほどの執念」を見せ始めている。
 村人、道民の中から、「腐敗した権力が求める安保」。「国民の生活を破壊し、人権を蹂躙することによって守る国家の安全保障の本質」を問う声が上がっている。
 「村人の信仰の対象」でもあるクロンビの爆破を強行すれば、流血の事態をよぶのではないか。
 何もしない、できないでいることが、切ない。
 3/6板倉弘実


速 報

《漢拏日報電子版、2012/3/5》
工事一時保留 検証後、カンジョン村民に回付
道、道議会、与野党などの道内「政治圏」、観光美港について共同会見
クロンビ岩爆破の一時保留要請 政府も受容すべき時

(要約)
 3月5日。ウ・グンミン道知事は、オ・チュンジョン道議会議長、キム・ドンワン セヌリ党道支部長、キム・ジェユン民主統合党道支部長と合同会見を開いて、政府の済州海軍基地強硬推進に対して、公正な検証のために工事を一時保留し、検証後、政策を受け入れるかどうかを、カンジョン村総会に回付するとする立場を明らかにした。
 彼らは、「観光美港の安全性を確保するための政治的判断の根拠となる国防部の船舶調整シミュレ−ションに済州道の参加が排除された。
 もう一度、済州道と海軍がいっしょに参加して、公正性と客観性を確保できるシミュレーションをして、その結果、問題がないという結論が出たら、海軍基地に反対してているカンジョン村に、民軍複合型港建設の政策を受容するかどうかを、村総会を開いて決めさせる」ことを明らかにした。
 カンジョン村が住民総会開催を拒否した場合には、「特段の措置をとる」と語った。
 彼らは政府に対して、「済州道と道議会、道政治圏が力を合わせて問題解決のために努力を始めることを公式に明らかにしたことを考慮して、クロンビ岩の爆破などの工事を即刻保留して、今までに蓄積された材料などを根拠にして、済州道と海軍がいっしょに公正な検証をして欲しい」と要請した。
 会見後、ウ知事は、オ・チュンジョン議長といっしょに、イ・ドンミン西帰浦警察署長を訪ね、クロンビ岩の爆破申請許可を最大限遅らせるように要請した。与党のセヌリ党まで共同した今回の要請に、基地建設工事強行、厳格対応を決めた政府がどのような対応をするか注目される。

《同、3/6》
済州道議会、「工事中断、知事は強力に対応しろ!」
 5日。済州道議会は全議員の懇談会を開催した後、オ・チュンジン議長とアン・チャンナム議会運営委員長が記者会見を行って、道庁がクロンビ岩の爆破など工事を一切中断することを要求し、これが受け入れらなかった場合は、道知事が、あらゆる手段と方法を使って要求を実現するように求めた。
  オ議長は、「一触即発」の危機を避けるために、中立的な機関で客観的で公正なシミュレーションを行って、結果がでるで、クロンビ岩の爆破を中止することが必要だ、と語った。
 議長は、西帰浦警察署長に、クロンビ岩の爆破許可申請書を返却するように、要請した。

済州海軍基地事業、破局に向かうか?
国防部、「工事は予定通り」。済州道の工事保留要請拒否

 6日。国防部のキム・ミンソク「代弁人」が、定例のブリ−ヘングで、ウ・グンミン済州道知事が政府に要請した、「工事の一時保留要請」を拒否し、「「政府は、先月29日に総理室が発表した通り、工事を推進する」ことを明らかにした。
 イム・チョンリュン総理国務室長も同様の立場を表明し受容是非をカンジョン村総会に回付することにも反対した。

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