海軍基地問題が分かる5問・5答
 1.国家安保上必要なのですか?
 海軍の軍事政策は、「大洋海軍政策」と「沿岸海軍政策」に分けることができます。
 「大洋海軍政策」の目標は、海上交通路の保護と遠洋作戦能力の向上です。「沿岸海軍政策」の目標は、大潜水艦作戦と沿岸での北朝鮮の挑発撃退に必要な能力の向上です。
 海軍基地建設事業は、「大洋海軍政策」の一環として進行されている国策事業です。ところが、国防省は 2011年 4月 29日に、「大洋海軍政策」を事実上廃棄しました。北朝鮮の局地的な挑発など、現存する脅威に対応する方針に大幅に変更したのです。その結果、海軍基地を建設する国家安保上の必要性は減少したのです。
 2.適正な立地場所を選定したのか?
 カンジョン沖合は?

 @ユネスコ生物圏保全地域で指定。
 A景観保全地球で 1等級。
 B天然記念物である 軟珊瑚の群落がある文化財保護区域。
 Cカンジョン海岸は長さ約 800メートルに達する「一つのかたまり」の熔岩岩である「グロムビ岩」でできている。
 D海岸周辺の大部分が歴史遺物の土地である。
 E絶滅危機種である「プッグンバルマルトンガニ」(赤足馬糞蟹)の大規模生息地。

 海軍基地が建設されれば、カンジョンの海は消えてしまいます。共有水面埋立て面積は6万余坪で、海洋生物の生息地消滅と生態系の絶滅は不可避です。景観保全誌で1等級に選定されたカンジョンの海、絶滅危機種である「ブックウンバルマルトンガニ」(赤足馬糞蟹)がすべて消える危機に瀕しているのです。
 3.立地選定過程は民主的だったのか?
 カンジョン村の人口 約1900人の中で、約80人が海軍基地に賛成しましたが、果して立地選定過程は民主的だったと言えるのでしょうか?

 ●2007年 4月 26日 カンジョン住民の 87人だけ集まった中で、海軍基地の誘致を決定。
 ●2007年 5月 14日 済州島知事が、海軍基地のカンジョン洞への誘致の決定を発表。
 ●2007年 8月 10日 カンジョン村の会で、海軍基地誘致決定を主導した村長を解任。
 ●2007年 8月 20日 海軍基地誘致の賛否を問う住民投票を実施。
  *カンジョン住民 1050人の中 725人が投票。反対680人 ・賛成 36人・無效 9人。反対94%。
 4.法と手続きを守ったのか?
 絶対保全地域はハルラ山国立公園が相当部分を占めます。したがって絶対保全地域は、済州島自然保全体系の根幹を成す制度です。それでもキム・テイファン前道知事は、海軍基地建設という国策事業を理由に、法と手続きを無視してカンジョン海岸絶対保全地域を解除しました。
 これを黙認すればハルラ山も国策事業という理由さえつければ思う存分開発することができるようになります。済州島自然保全体系の根幹が崩れるわけです。
 絶対保全地域は済州島全体面積の約10%にあたります。絶対保全地域変更は知事だけができます。これを解除しようとすれば、住民の意見を聴取しなければならないのですが、手続きを無視して無断で解除したのです。
 5.平和の島と両立可能なのか?
 済州は、多くの道民が犠牲となった4・3の悲劇がある所です。そんな悲劇を昇華させて、平和と人権という人類普遍の価値を広げるために、2005年1月27日に、「平和の島」に指定されました。
 カンジョン村会の全道民の訴え状よれば、「海軍は懐柔と買収で村会の意思決定を操作して立地を選定し、住民たちを脅かして仲違いさせながら工事を強行しています。国家権力は住民たちを拘束、拘禁して罰金爆弾を浴びせています。それによって村共同体は完全に破壊されました」と書かれています。環境を破壊して、住民の人権を踏みにじりながら入って来る済州海軍基地が、果して平和の島と両立することができるでしょうか?
 済州海軍基地建設が正当性を持とうとすれば、国家安保上必ず必要であり、適正な立地場所を選定し、法と手続きを守り、立地選定過程が民主的ではなければならない。そして平和の島と両立可能ではなければなりません。しかし今、強行中である海軍基地建設は、そのどんな条件も満たすことができません。

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