グラゴル・ミサの歌詞について


2001.12.16
 
 

MŠA GLAGOLSKAJA

 
 

歌詞原文(古代スラブ語) 読み方 日本語訳
GOSPODI POMILUJ 
Gospodi pomiluj. 
Chrste pomiluj.
Gospodi pomiluj.
ゴスポヂ ポミルイ
ゴスポヂ ポミルイ
フルステ ポミルイ
ゴスポヂ ポミルイ
キリエ
主よ、あわれみ給え。
キリストよ、あわれみ給え
主よ、あわれみ給え。
SLAVA
Slava vo vyšńich Bogu 
i na zemľi mir človekom blagovoľenja. 
Chvalim Te, blagoslavl'ajem Te, 
klańajem Ti se, slavoslovim Te. 
Chvali vozdajem Tebe velikyje radi slavy tvojeje. 
Bože, otče vsemogyj, 
Gospodi synu jedinorodnyj, Isuse Chrste! 
Gospodi Bože, Agneče Božij, Synu Ote?! 
Vzeml'ej grěchy mira, pomiluj nas, 
primi molenja naša. 
Sědej o desnuju otca, pomiluj nas! 
Jako ty jedin svět, ty jedin Gospod, 
ty jedin vyšńij, Isuse Chrste. 
Vo slav? Boga Otca so Svetym Duchem. Amin.
スラヴァ
スラヴァ ヴォ ヴィシュニフ ボグ
イ ナ ゼムリ ミル クロヴェコム ブラゴヴォリェニャ
クヴァリム テ, グラゴスァヴリャイエム テ,
クラニャイエム チ セ, スラヴォスロヴィム テ,
クヴァリ ヴォツダイエム テビェ ヴェリキイェ ラヂ スラヴィ トゥヴォイェイェ
ボジェ オッツェ フセモギュイ
ゴウポヂ シィヌ イェヂノロ,イスセ フルステ
ゴウポヂ ボジェ,アグネチェ ボジイ,スィヌ オテッチ
ヴゼムリェイ グリェヒ ミラ,ポミルイ ナス
プリミ モリェニャ ナシャ
セデイ オ デスヌユ オトゥカ,ポミルイ ナス
ヤコ ティ イェヂン スヴェトゥ,ティ イェヂン ゴスポットゥ
ティ イェヂン ヴィシュニイ,イスセ フルステ
ヴォ スラヴィエ ボガ オッツァ ソ ヴィティム ドゥフォム アミン
グロリア
天のいと高きところには神に栄光、
地には善意の人に平和あれ。
われら主をほめ、主を讃え、
主を拝み、主をあがめ、
主の大いなる栄光の故に感謝し奉る。
神なる主、全能の父なる神よ。
主なる御一人子イエズス・キリストよ。
神なる主、神の子羊、父の御子よ。
世の罪を除き給う主よ、われらをあわれみ給え。
我等の願いを聞き入れ給え。
父の右に座し給う主よ、我等をあわれみ給え。
主のみ聖なり、主のみ王なり、
主のみいと高し、イエズス・キリストよ。
聖霊と共に、父なる神の栄光のうちに、アーメン。
VĚRUJU 
Věruju v jedinogo Boga, Otca vsemoguštago, 
tvorca nebu i zemľi, 
vidimym vsěm i nevidimym. Amin. 
I v jedinogo Gospoda, Isusa Chrsta, 
syna Božja jedinorodnago, 
i ot otca rožděnago prěžde všech věk, 
Boga ot Boga, svět ot světa, Boga istinna, 
ot Boga istinnago, roždena, 
ne svor'ena, jedinosuštna otcu, 
jimže vsja byše, 
iže nas radi člověk i radi našego spasenja 
snide s nebes. 
I voplti se ot ducha světa iz Marije děvy. 
Raspet že za ny, mučen i pogreben byst. 
I voskrse v tretij den po pisanju, 
i vzide na nebo, sedit o desnuju otca, 
i paky imat priti sudit žyvym, mrtvym so slavoju, 
jegože cěsarstvju nebudet konca. 

I v Ducha Svetago gospoda i životatvoreštago, 
ot otca i syna ischodeštago, 
s otcem že i synom kupno, poklanajema i soslavima, 
i že glagolal jest proroky. 
I jedinu svetuju katoličesku i apostolsku crkov. 
I spovědaju jedino krščenje votpuščenje grěchov, 
i čaju voskrsenja mrtvych 
i života buduštago veka. Amin. 

 

ヴィェルユ
ヴィェルユ ヴ イェヂノゴ ボガ,オッツァ フセモグシュタゴ
トヴォルツァ ネブ イ ゼムリ
ヴィヂミム フシェム イ ネヴィヂム アミン
イ ヴ イェヂノゴ ゴスポダ イスサ フルスタ 
スィナ ボジャ イェヂノロドゥナゴ
イ オト オッツァ ロジュデンナゴ プレジュデ ヴセフ ヴェク
ボガ オト ボガ,スヴェト オトゥウ スヴェタ,
ボガ イスティナ オト ボガ イスティナゴ,ロジュディナ,
ネ ソヴォレナ イェヂノススティナ オトク,
イェムジェ ヴィシャ ビィシェ 
イゼ ナス ラヂ チョロヴェク イ ラヂ ナセゴ スパセニヤ
スニデ ス ネベス 
イ ヴォプルティ セ オト ドゥチャ スヴェタ イズ マリィイエ デヴィ
ラスペ ジェ ザニ ムチェン イ ポグレベン ビストゥ
イ ヴォスクルゼ フ トゥレチイ デン ポ ピサニュ
イ フジ デナ ネボ,スィェヂト オ デスヌヤ オッツァ
イ パキ イマトゥ プリチ スジトゥ ジヴィム,ムルトゥヴィム ソ スラヴォユ
イェゴジェ チェサルストゥヴィユ ネブデト コンツァ

イ ヴ ドゥファ スヴェタゴ イ ジヴォトトゥヴォレシュタゴ
オットゥ オッツァ イ スィナ イスフォデシュタゴ
ソッツェム ジェ イ スィノム クプノ ポクラナイェマ イ ソスラヴァ 
イ ジェ グラゴラル イェストゥ プロロキ
イ イェヂヌ スヴェトゥユ カトリチェスク イ アポストルスク クルコフ
イ スポヴィエダユ イェヂノ クルシェ ヴォトゥプスシェニイェ グレコフ
イ チャ ユ ヴォスクルセニア ムルトゥヴィフ
イ ジヴォタ ブドゥシュタゴ ヴィェカ アミン

クレド
我は信ず、唯一の神、全能の父、
天と地、
見ゆるもの、見えざるものすべての創り主を。アーメン。
我は信ず、唯一の主イエズス・キリスト、
神の御一人子を。
主は、よろずよの先に、父より生まれ、
神よりの神、光よりの光、
まことの神よりのまことの神。
つくられずして生まれ、父と一体なり、
すべては主によりて創られたり。
主はわれら人類のため、またわれらの救いのために
天よりくだり、
聖霊によりて、処女マリアより御からだを受け、人となり給えり。
われらのために十字架につけられ、苦しみを受け、葬られ給えり。
聖書にありしごとく、三日目によみがえり、
天に昇りて父の右に座し給う。
主は栄光のうちにふたたび来たり、生ける人と死せる人とを裁き給う。
主の国は終わることなし。

我は信ず、主なる聖霊・生命の与え主を、
聖霊は父と子よりいで、
父と子と共に拝みあがめられ、
また預言者によりて語り給えり。
われは一・聖・公・使徒継承の教会を信じ、
罪の許しのためなる唯一の洗礼を認め、
死者のよみがえりと
来世の生命とを待ち望む。アーメン。

SVET
Svet, svet, svet! Gospod, Bog Sabaoth. 
Plna sut nebesa, zem slavy tvojeje! 
Blagoslavl'en gredyj vo ime Gospodňe. 
Osanna vo vyšńich!
スヴェト
スヴェト スヴェト スヴェト ゴスポットゥ ボグ サバオス
プルナ スット ネボゼム ニャ スラヴィ トゥヴォイェイェ
ブラゴスラヴリェン グレディ ヴォ イメ ゴスポディニエ
オサンナ ヴォ ヴィシュニッフ
サンクトゥス
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主。
主の栄光は天地に満つ。
ほむべきかな、主の御名によりて来る者。
天のいと高きところにホザンナ。
AGNEČE BOŽU 
Agneče Božij, vzemľej grěchy mira, 
pomiluj nas!
アグネチェ ボジイ
アグネチェ ボジイ,ヴジェムリェイ グリィェヒィ ミラ
ポミルイ ナス
アニュス・デイ
神の子羊、世の罪を除きたもう主よ、
われらをあわれみ給え。

テキストについて

現行のミサ通常文とほぼ同じであるが、グロリアに1箇所繰り返しの省略があり、クレドではsub Pontio Pilato(ポンティオ・ピラトのもとにて)が省かれている。Hosanna in excelsis(天のいと高きところにホザンナ)が1度しかなく、アニュス・デイでは最後の繰り返しにdona nobis pacem(われらに平安を与え給え)がない。


発音の要点

(1)アクセントは常に第一音節
(2)Ch ドイツ語と同じ喉の奥から吐き出すだけの母音のない音
  (例 chrste は喉の奥から吐き出す音+巻き舌の半母音、フルステのフは無声音なので注意)
(3)rをしっかり巻くこと(4回くらい巻くつもりで)
(4)gは全て濁音で鼻濁音はない(ロシア語と同様)
(5)iとyはほとんど同じ”イ”であるが、iは普通に柔らかく、yは舌が上前歯に近づく感じ(少し訛ったような暗い感じ)
(6)d→口の中で舌を使って破裂音を出す。
   ca→ツァ、di→ヂ(口を横に広げないように)、dy→ディ、ti→チ、ty→ティ、
   v→無声子音の前と語尾にある場合はヴではなくフ、zy→ズィ、
   l’a→リャ(リィャ)、l’e→リェ(リィェ)、l’u→リュ(リィゥ) 


参考資料

ミサ及びレクイエムの式次第アンサンブル・ヴォーチェのHPより)
・札幌放送合唱団 練習用資料
・第425回札幌交響楽団定期演奏会プログラムより歌詞対訳(宮城教育大学 森田稔教授による)
・木村彰一著 古代教会スラブ語入門(白水社)

Special thanks to Mr. K.H.Woody


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