不思議の国ニッポン(2007/02/07)



ショックなことがありました。

恐らく日本最大のwikiサイトである、Wikipedia、仕事で使うこともありますが、 やはり調べ物はここが一番お手軽、ということでよく利用しているのですが、先日とんでもない事実を発見してしまいました。
不思議の国ニッポン、というシリーズの本があります。ポール・ボネ、という日本に長年在住している在日フランス人商社マンから見た、 日本について不思議?と思うことを書き連ねている本です。初めて読んだのは中学校の頃、当時は星新一を始め、筒井康隆、ニール・R・ジョーンズ(ジェイムスン教授シリーズ)、アシモフ、田中芳樹、など本を読み漁っていた時期で、何かのきっかけでこの不思議の国ニッポンシリーズを知り、はまったのです。

内容は、というとさすがに在日暦が長いだけあり、政治、経済、などあらゆる分野で日本人以上に日本について詳しく、そしてその分析力は ユーモアが溢れています。出版された時期は高度経済成長〜バブル、バブル崩壊、という経済大国(今は借金大国)全盛期を背景としており、 当時の世情を知る上でも今読むと貴重な資料とも言えるでしょう。国際感覚に強く、世界の中で今日本はこういう位置にいる、こう見られている、 など新聞、TVだけでは考えつかない視点が、若かりし当時は新鮮でとても気に入っていました。

一度読んでからは本棚にずっと眠っていたのですが、最近通勤時に読む本を探しているうちに発見(発掘)し、読んでいる、という訳です。 そんな折、「そういえばポール・ボネってどんな人物なんだろう?」とふと思い、Wikipediaで軽い気持ちで検索してみたら・・・

なんと!そこには驚愕の事実が記されていました。ポール・ボネ、というフランス人は実在しておらず、藤島泰輔なる日本の作家兼評論家が ゴーストライターとして書いていた、というのです。最近ではマガジンの某有名マンガなど、ゴーストライターは稀に耳にすることもありますが、 中学の頃からある意味尊敬、していた人物だったのでかなりのショックでした。今まで経験したネタばれ、の中でも最大級に位置するでしょう。

日本人でも知らないような四字熟語を普通に使う、など言われてみれば、ということが色々と見えてきてしまうようになりましたが、 よくフランスにバカンスで帰郷した際には、や、フランスにはパン屋が多く、地元のパン屋は三代続いている、といった小話的な逸話など、 全く疑いもしていませんでした。ある意味、今の今まで全く気づかせなかった(Wikipediaが無ければ一生気づかなかったことでしょう)という のは凄いと言えます。

とはいえこの本、一読の価値はあるのでお勧めです。古本屋などで見かけたら騙されたと思って^^;


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