初日の出(2007/01/01)



思い立って高尾山に初日の出を見に行って来ました。

去年一度行ってからどうやらはまったみたいです。事前に情報収集したところによると、京王線は31日から元旦にかけては終夜運転をしているようです。また、登山道は灯りが着いているので普通に登れるとか。高尾山の日の出は国立天文台によると06:52、山頂での待ち時間を考えて、京王線柴崎駅02:38発の電車で行くことにしました。座りながらDSのFFかドラクエをやりながらのんびり、と思ったらなんと!電車は朝のラッシュの如く劇混みでした。皆考えることは同じのようです。小学校の時ドラクエ4を買いに始発に乗った時の混雑を思い出しました。

到着すると大半の人はケーブルカーに乗り込みますが、やはり自分で登りたいものです。WEBで見た限り夜間は一号路のみ開放している、とあったので幾人かが進む方向へ向います。最初は普通の道路から始まり「こんなもの?」と思いながら進むと、いきなり山道へ入ります。最初は20メートル間隔ぐらいに灯りがあったのですが、途中からなんと全くなくなってしまいました。間違えたか?すぐ前には男性二人組みが懐中電灯を手に歩いていきます。とりあえずは後ろを付いていくことに、と思ったのですが、ヒタヒタと付いてくる感じが気持ち悪く感じたのでしょうか(分かる気はする)。なんとここからは完全に一人です、

さて、懐中電灯を消すと完全な闇、道は一切舗装などなく、木の根が足に取られそうになるので足元を照らしつつ、たまに前方を照らし方向を確かめます。実はここは6号路で通称びわ滝コースと呼ばれる、沢沿いの山道でした。なので、音は沢の音のみです。空を見上げると森の隙間から北斗七星が見えます。さすがに星は天の川、まではいきませんが家の周りとは比べようもないぐらい綺麗でした。しかし今は漆黒の空間、気を抜いて足を取られたら冗談抜きで一巻の終わりです。また、よりによって先日高尾山にクマが発見されたというニュースを思い出してしまい、山から出てきたらどう対処するか、など考え初めてしまい一人臨戦態勢に。組み付かれたら懐中電灯は手にしてられないと思うので、なんとか沢にクマを落として全力で逃げる、なんてうまくいく確立は5%ぐらいかもしれませんがいざという時の為に考えておかなければ!結果から言うと当然クマは出ませんでした。しかし一人で歩いていると、後ろから妙なゴトゴト言う音が聞こえた気がして、ク、クマか?と思い後ろを照らしますが何もいません。しばらく歩くと再び。。。正体はリュックの中の荷物の音でした。完全な闇のせいで少しの音にも敏感になっていたようです。たまに懐中電灯を消すと訪れる闇。遭難したらこれは無理だな、など考えてしまいます。電池は直前に充電してきたエネループ、尽きる心配はないのが安心感となりました。

20分程歩くと前方に光が見えました。山頂から来た人のようで「こんばんは」とお互いに声を掛け合います。この機会を逃しては!と思い、コースについて聞いてみると、やはり灯りが終夜点いているのは一号路のようでした。まだ山頂まではあるけど、途中で若い人達に会ったとのことなので他にも人がいることを確認し、登山を再開します。そこから更に15分程歩くと集団が見えました。恐らくさっき話していた若人達でしょう。道も狭いので後ろを付いて行くことにします。山道は気づくとなんと、完全に沢の中を通っていました。下は完全に河、河に置かれた飛び石を伝って進みます。正にリアルゼルダ、なんだかリンクが身近に感じました。

進むこと約10分、集団のペースが遅いので体力もやや復活してきました。沢の道の終わり前には木の杭が階段状になっています。ここを抜ければ頂上では?予想は当たりでした、前には光がいくつも見えてきて、話し声も聞こえました。いや〜凄い登山でした。最初の20分は正に生命の危機を真面目に感じました。しかし終わってみるとこれはこれで凄く楽しい経験、頂上へ向かう足取りも軽やかになってきます。

頂上は既に凄い人でした。西側は既に場所取り合戦が始まっていますが、混じる気にはなれないので売店方面に。丁度花壇の様な盛り上がった場所が運よくあったのでここに陣取ることにしました。登山で熱くなったのでコートを脱ぐとなんと体から湯気が!これもかつてない経験。そしてコンビニで買ったおにぎりが美味しいこと!かつて無い旨さでした。体を温める為に買った酒がなんと!栓抜きが必要なタイプで飲めませんでした。これが一番ショック。。。

あとはひたすら待つのみ、最初はDSをやったりipodを聞いたりしてたのですが、余りの寒さに余裕がなくなってきました。恐らく氷点下、完全防備態勢を取りひたすら待つこと2時間。周りから雅楽が聞こえたと思ったらアナウンスがありました。どうやらもう少しで日の出なのでこれから高尾山の薬王院主催で新年の祈願を行い、その後国家斉唱、万歳三唱をやるとのことでした。お経を聞いているとなんとも言えぬ気持ちになってきます。そして遂に初日の出!初めて見ましたが遥か遠方の雲の間からのぞく太陽は素晴らしかったです。

帰りはリフトで帰ろうかと思いましたが、物凄い行列だったので一号路を早歩きで下ると、なんと20分足らずでふもとに到着。高尾山はまた違うコースで登ってみようかな、と思います。

恐怖の山道
初日の出前(灯りは電球)
初日の出


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