日米宇宙探査シンポジウム(2006/03/28)



日米宇宙探査シンポジウムに行ってきました。場所はMEGASTARUのある日本科学未来館。 実は最近まで存在を知らず、会社の後輩が整理券を持っていて行けなくなったから、と譲ってもらって初めて知りました。

開会の辞は宇宙飛行士の毛利衛さん。会場はかなりこじんまりとしていたので表情まで伺い知ることができました。TVのまんまです、独特の語り口。とても魅力的な方でした。

その後は基調講演が2つ続きました。

[基調講演1]
「『はやぶさ』−技術挑戦で拓かれる新たな太陽系探査」
こちらはJAXAの川口教授、はやぶさのプロジェクトマネージャを務められた方です。
はやぶさは先日大々的に報道されたイトカワという小惑星に着陸し、岩石を持ち帰るという世界初の試みとして一躍有名となった宇宙探査船です。現状は採取には成功したものの、通信機器の故障などで一時的に音信普通になりましたがなんとか回復し、2010年の帰還を目指して航行中です。当基調講演でははやぶさ開発の経緯、着陸の際の苦心談、そして日本の宇宙開発の今後についてのお話でした。これまでの宇宙探査船は一方通行で地球に帰還することは考えられていなかったのですが、はやぶさは世界で始めて地球に帰還するという双方向性を持った新鋭的な探査船で、日本が世界でトップレベルの技術力を持っている、という自信が感じられました。川口さんは教科書から学ぶのではなく、常に新しいものを想像せよ、という持論から今回のはやぶさプロジェクトを進めてきたそうです。これは宇宙開発以外の分野でも同様の事が当てはまる、と痛く感心させられました。

[基調講演2]
「新たなる世界の探索―地球外生命体を求めて」
こちらはアメリカの方の講演で同時通訳を初体験しました。トランシーバーの様な装置を渡され、同時通訳者の話をリアルで聞けるというものでした。これは凄かった。通訳者が途中で変わりまして、二人目の方は少し早口で若干聞きづらいと感じたり。講演者は米国惑星協会の方で、講演内容は主に太陽系に生命体は存在するのか?という興味深いテーマでした。火星の水の痕跡、タイタン、ガニメデの水による生命発生、など着実に証拠を集め、生命探査をしている様子が伺えました。個人的に興味があるのはやはり地球外に生命がいた場合、DNAに変わる仕組みで子孫を残すのかどうか、という点です。発生環境が違えば自然と仕組みも変わるはず、という意味で地球外生命はどんな原始的な生命であれ発見されて欲しいです。

基調講演の後は討論会などがあり、日本の今後の宇宙探査の方向性は無人から有人飛行へ向けてシフトしていくが、得意分野の無人探査機の分野がないがしろにはならないか?などの予算の話まで幅広く討論がされていて臨場感溢れるものでした。やっぱり宇宙関係の仕事に就きたい!と再認識。

また機会があれば是非参加してみようと思います!


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