第4回 国立天文台公開講演会(2006/01/29)



今日は「第4回 国立天文台公開講演会」に行ってきました。

こういった講演会にまともに行くのは初めてなのでかなりの期待感を持ちつつ 武道館に隣接した科学技術館へ。400人が入る会場は7〜8割は埋まっていました。 講演内容は3つでした、概要をかいつまんで書いてみようと思います。

1. 太陽研究最前線
  これまでの太陽研究で分かっていること、そして最新の太陽研究についての講演でした。 地球と異なり11年周期で起こる磁場逆転現象の解明や、太陽という天体の今後について の話はかなり興味深かったですね。一般的な予測では15億年後には太陽の光量が15%程度 増えることにより地球の氷は全て解けてしまうだろうということ、そして50億後には赤色 巨星化した太陽は地球軌道を超え、地球は太陽の中を回り続けるだろうということ。50億年の 前には30億年後頃にアンドロメダ銀河との衝突という大イベントもあるので地球の前途はかなり多難です^^;
2. ようこうが解き明かした太陽活動の不思議
  ようこうとは日本の太陽観測衛星のことで、1991年に打ち上げられ、当初予定していた3年の運用を遥かに 超え、2004年4月末まで観測データを提供し続けていました。そして2005年9月に大気圏に突入しその役目を完全に終えたのです。主な成果としてはフレア等の爆発現象が太陽コロナ中の「磁気リコネクション」現象であることを世界で始めて観測で明らかにした、などの数々の功績がありますが、90年代の太陽観測黄金期の先駆けとして世界をリードしてきた、という誇らしい成果も見逃すことが出来ないと後援者の小杉教授は誇らしげにおっしゃっていたのが印象的でした。
3. 次期太陽観測衛星SOLAR-Bへの期待
  ようこうの後継機となるSOLAR-Bは今年の8月に打ち上げ予定となっています。この講演では、衛星の開発ではどのような準備をして発射に至るのか、その苦労の裏話などをユーモアを交えつつの講演で凄い分かり易かったです。(小型実験用観測ロケットは回収予定が上手くいかず今も海の底に眠っています、などなど)

かなり専門的な内容もありましたが、全体を聞くとこれまでの日本での太陽観測と今後のSOLAR-B発射へ向けた意気込みを感じることが出来、8月に打ち上げられるSOLAR-Bにはニュースに注目してみようと思わされました。参加者は年配の方(業界人?)が多かったですが、若い方も多くいてみんな関心があるのだなぁ、と妙な一体感を覚えました。参加料が無料なので、今後も講演会などには参加ようかと思います!

http://www.nao.ac.jp/open_lecture/


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