ジャマイカってどんな国??
JAMAICA


水と木の大地
秋田県とほぼ同じ面積で人口250万人の小さな島国。中央にはコーヒーで有名なブルーマウンテンがそびえ立ちます。人口の90%がアフリカ系黒人で、公用語は英語。平均気温は27〜32℃の熱帯性気候。主な産業は、ボーキサイト、コーヒー、さとうきび、観光業など。

1494年5月4日、コロンブスによって“発見”。それ以前にも6から11世紀頃にアメリカから移住してきたとされるアラワクインディアンが住んでいましたが、1509年からスペイン統治時代が始まると、彼らの持ち込んだ疫病によって絶滅しました。その後、労働者としてアフリカから多くの黒人が連れてこられました。

1655年からイギリスによって支配され、1962年に独立。その後は英国連邦の一国としてアフリカの影響を受けた独自の文化を育んでいます。

日本においては、美しいカリブ海に浮かぶ島国、またボブ・マーリーによって一躍世界中に広まったレゲエミュージック発祥の地として、人気の高い観光地の一つになっています。




ジャマイカの現状は?

美しい南国でもあるジャマイカですが、首都キングストンに一歩足を踏み入れると、そこには観光地の高級ホテルとは別世界の厳しい現実があります。発展途上国は脱したといわれるジャマイカですが、貧富の差はかなり激しく、多くの人たちは月収4万円程で日本と同じような物価の中を生き抜いています。失業率も高く、ダウンタウンを中心に道端で不法に物売りをしている人がたくさんいます。

また、十代少女の妊娠や、結婚せずに子供をもうけるカップルが多く、最終的に家庭崩壊と貧困の犠牲となった子供は孤児院に預けられます。キングストン(人口約70万)だけでも約40の孤児院や施設があり、どこも深刻な資金不足に悩まされています。

例えば、比較的環境の整ったある孤児院でさえ、昼間は「パン2枚と水」や「ビスケットとジュース」のみであり、よって子供達はやせ細り、擦り切れた服を着ています。日常の子供の世話に追われるスタッフは一人ひとりの心のケアまでには及ばず、子供達は常に愛情に飢えています。

しかしそれ以上に、夜になると麻薬を求めて街をうろつくストリート・チルドレンの姿はもっと悲惨なものです。

母親のボーイフレンドによる少女たちへの性の虐待も珍しくなく、貧困を解決することと合わせて「モラル教育」も重要な課題となっています