奥の細道 郡山篇 |
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福島県郡山市日和田町 |
平成14年(2002) 5月28日 |
元禄二年(1689) 六月十七日 |
等窮が宅を出て五里計、桧皮の宿を離れてあさか山有。路より近し。此あたり沼多し。かつみ刈比もやゝ近うなれば、いづれの草を花かつみとは云ぞと、人々に尋侍れども、更知人なし。沼を尋、人にとひ、かつみかつみと尋ありきて、日は山の端にかゝりぬ。 二本松より右にきれて、黒塚の岩屋一見し、福島に宿る。 |
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雑記
郡山市の先にある安積山(あさかやま)は、山と云うより小高い丘で公園になっている。,入り口を間違えて北側から入る。 山ノ井清水へ通じる木戸があり、右手の丘を上がると松林の中に万葉歌碑がある。さらに下の方には奥の細道碑や采女(うぬめ)の歌碑がある。当地で芭蕉は古今集に詠まれた「はなかつみ」をしきりに捜したようだがついに見つからなかったと記している。「はなかつみ」とは当時は「しようぶ」か「真孤」ではないかと云われていたが、近年調査の結果「姫シャガ」であると結論づけられたようだ。そして姫シャガは現在郡山の市花になっている。 *真孤(マコモ)・・・沼や沢に生えるススキに似た多年草 葉でむしろを織る |