コンパイラを使った開発1


Mac OS Xのこと

2000年9月にMacOS X のパブリック・ベータ版がリリースされました。2001年前半には正式版がリリースされ、次世代のMacOS として本格的に普及していくことでしょう。

MacOS X のインターフェース部分はAqua と呼ばれ、透明感のある外観と美しいアイコンを備えています。また画面の下部にはドックと呼ばれる、アイコンの格納スペースがあり、はでなパフォーマンスを見せてくれます。従来のMacOSに似せて作られていますが、一部違う部分もあるようです。それもそのはず中身は、従来のMacOSとは本質的に異なる UNIX からできているからです。MacOS X は、いわば UNIX に Aqua のスキン(皮)をかぶせたものといえるでしょう。

UNIXというのは、C 言語とともに20年以上も前からあるOSで、従来はパソコンよりランクが上のワークステーションなどで広く使われていました。歴史があることもあり、マルチユーザーで使っても安定感は抜群ですが、その一因としてプリエンプティブマルチタスキング、メモリプロテクションなどの機能を備えていることがあげられます。

Mac OS X では、アプリケーションを作るプログラマに3つの環境が用意されます。従来のMac OS互換であるClassic,モダンOSの機能を持ちながら従来OSと互換性が高いCarbon,そしてJava及びObjective C が使えるCocoaです。
中でも私はCarbonに一番注目しています。Carbonで使われるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)は従来のAPIのサブセット(部分集合)ですが、古くなってほとんど使われないToolBox関数は切り捨てられています。その上で新しいAPIが導入されて、より使いやすくなり、G3やG4以降のCPUに対応したものとなります。 Classicならば従来のMacOSの開発技法はそのまま使えますし、Carbonでも従来との違いは10%程度といわれています。 CocoaではObjective Cという言語も使えますが、歴史的にはC言語の後継者としてC++とObjective Cが出てきたようなので、まずC言語を習得しておけば、周り道になることはないと思います。

いずれの場合でも従来のアプリケーションが動作することは保証されますので、あまり状況にまどわされることなく、自分のやりたいことを現在ある手段で実現すればいいのではないかと思います。


どうすればよいか

本格的な開発環境の購入を考えている方には、MetroWerks社の「CodeWarrior for Mac OS」をお薦めします。
以前はProfessional リリースと呼ばれていたもので、これには完全な紙のマニュアルが付いています。

値段が高いのでちょっと試してみたい方は、入門版の「Discover Programming for Macintosh 日本語版」をまず買って、将来Pro版にアップグレードすればいいでしょう。

学生や教職の方は、アカデミック・ディスカウントがあるので、これを利用すればいいでしょう。ただしマニュアルはCD-ROMになります。

MetroWerks社はMac OS X や Carbon API にも対応していくことを表明していますので、その面では安心できると思います。

かつてはシマンテック社から「THINK C 」や「Symantec C++ for Power Macintosh 」が販売されていましたが、今はもうサポートされていません。


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