葉形や色彩の同じ特徴を持った品種を増やすには、二つの方法が有ります。
その方法のひとつは、挿し芽による方法ですが、これは別頁に既述してあるので省略します。
あとひとつの方法は、多頭の株を分ける方法で、通称株分けと言います。
株分けでは増やせる数に限りがあり、数多くの苗を増やしたいときには、挿し芽の方法を
取るわけですが、龍葉と言われる一本葉の品種は、挿し芽による発芽は極めて期待薄です。
以前に、臥龍、龍尾、青龍、龍登、金龍、神龍、の一本葉の挿し芽を各50本ずつ、2度実験
してみました、その中に芽先が二股になった「金龍」が2本有り、この2本だけは発芽したの
ですが、他は全て発芽せず2度とも失敗に終わりました。
この結果から、龍葉と言われる一本葉の品種でも、先端が複数ある葉は発芽しますが、
葉の先が分岐していない龍葉(一本葉)の発芽は、極めて困難と思われました。
つまり、龍葉類でも「飛龍」や「龍之王」等の様に、手葉(葉先の複数ある葉)を交える品種は、
手葉を挿し芽することで、それなりの小苗が得られるわけですが、手葉を交えない品種は、
挿し芽では増やせない事になります。
ここで登場するのが、一本葉(龍葉)の挿し芽方法です。
この方法は、一本の葉に対し一本以上の根を付けて、挿す方法ですから、見方によっては、
株分けの部類なのかもしれません。
以下にその手順を説明します。
適期は環境で差が有りますが、挿し芽と同じで、5月中旬〜6月初旬頃が最良と思います。
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