か行(くけこ)の品種
孔雀ノ舞 (くじゃくのまい)
![](img264.jpg)
昭和36年度登録品種です。 葉組みの粗い立性の常葉に、砂子斑系の散り斑を現します、
鱗の粗い葉肌で、葉に若干撚れを感じ、荒々しさを感じる葉姿です。
百済之誉 (くだらのほまれ)
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平成20年度登録品種、つまり昨年度の登録品種で、最も新しい登録品種ですので、未だ
所持しておりません、以前の私なら登録品種は即入手したはずですが、最近は新種や
珍品の入手にも、以前ほど意欲が無くなっており、早急に入手するつもりは有りません。
画像は、昨年あるお棚にお邪魔した折に、本種が有ったので撮影させて戴いた画像です。
所持しておらず現品を見たのは、この時と秋の全国展での2度だけなので、
特徴やその他は全く解りませんが、長年の経験から受けた印象では、
葉姿は雲仙を若干細身にしたような感じで、斑の感じも春の曙斑の様な印象でした。
雲井鶴 (くもいづる)
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昭和31年度登録品種です。 丹頂に似ていますが、丹頂に比べると、葉幅が若干広めで、
白曙斑もより深く乗せます。
古い銘鑑を遡ると、江戸時代や明治時代の銘鑑にも、「雲井鶴」の名が見られますが、
これらは現在の「雲井鶴」とは、無縁の品種だと言われています。
群青錦 (ぐんじょうにしき)
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平成2年度の登録品種です。 小型の檜葉形で平性です、濃い鮮やかな緑色から
「群青」の名を付けられたと、名付けた方から聞いています。
基本的には青葉物ですが、画像の一部に見られる乳白色の斑を、個体によっては現します。
ただ、斑乗りの悪い我が家では、斑の出た品を入手しても消えてしまい、
再度出現する事はありません、本種の斑の出現は、個体もさることながら、
管理環境にも大きく左右されるようです。
群龍王 (ぐんりゅうおう)
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平成2年度登録品種です。 鱗の粗い葉で一本葉と手葉が混在します、手葉は分岐先を
更に伸ばします、そのため一見その殆どが、一本葉で構成された株に見えますが、
実は一本葉に見える中には、分岐先の長くなった手葉も多く含まれて居ます。
管理環境によっては、新しく伸た葉には、白系の曙斑を現すのですが、
残念ながら私の棚では、その斑を見る事が出来ません。
月光 (げっこう)
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昭和50年度登録品種です。 高尾錦の変化種と言われています、
葉幅は広めで葉組みもやや粗めで、やや大葉の萌黄種です。
黄衣仙 (こういせん)
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平成3年度登録品種です。 やや立性の常葉で大葉です、地色は緑の青葉物ですが、
秋には萌黄種の様に、その名の如く黄衣に衣替えをして、冴えた黄葉を楽しませてくれます。
ただチョッピリ気難しい所もあり、その年の気候や管理如何によっては、緑が強めに残り、
綺麗な黄色に衣替えをしてくれない事も有ります、下の画像がその例です。。
下の画像は某年5月の撮影で、写っている4個とも黄衣仙なのですが、昨年秋の紅葉時に
中央の一個は見事に黄葉したのですが、違った場所にあった3個は、ほとんど黄葉せずに
休眠してしまいました、 つまりは4個とも昨年秋の色合いで目覚めた黄衣仙なのです。
紅王龍 (こうおうりゅう)
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平成3年度登録品種です。 金龍の変化種と言われ、細目の一本葉に少し手葉を持ち、
金龍同様に曙斑を深く現します、金龍より細葉で、葉先に丸みを感じます。
紅玉錦 (こうぎょくにしき)
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昭和30年度登録品種です。
玉織姫の細小葉変化種で中葉です。
葉が短めの為か、年月を経る毎に、
だんだん盆栽風になって行きます。
先祖返りの特性を持つ準固定種
ですので、挿し芽発芽時の苗や
育成中の品も、その多くが先祖の
玉織姫に戻ります。 |
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晃玉龍 (こうぎょくりゅう)
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昭和42年度登録品種です。 葉幅が広めで分岐は少ない葉で、やや下垂して半球形の
株姿に成ります。 黄白色の曙斑を現しますが、我が家の環境では、
あまり斑乗りが良い方ではなく、ほんの僅かしか現しません。
光城 (こうじょう)
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昭和54年度登録品種です。
中型で平性の常葉に黄白色の
曙斑を深く乗せます。
右の画像は光城の若株です、上の年月を
経た株と、葉の感じの違いを、比較参照し
てみてください。
若株と成株での葉の感じの違いは、
本種に限った事ではなく、多くの品種に
見られる傾向ですが、本種は白晃麒麟
や日之出鶴、また春日錦等と共に、
私の棚ではその違いを強く感じます。
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黄真龍 (こうしんりゅう)
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平成4年度登録品種です。 萌黄の大葉に龍葉を交える、これまでの萌黄葉類には
無かった特徴で、良く下垂して半球形の株姿に成ります。
本種は強健で生育も良く、春に植え替えた株が、秋には鉢から葉があふれ出し、根も鉢内
に張り巡らせ、葉を持って持ち上げると、鉢が一緒に持ち上がる程に根張りも旺盛です。
これも本種に限った事でなく、常葉と龍葉(手葉)の混在する品種の多くに言える事ですが、
挿し芽時の私の経験では、挿し葉には常葉を避けて、成熟した手葉を採って挿し芽に
用いると、苗の時から良く龍葉を出す苗が得られるようです。
常葉と龍葉の混在する品種の挿し芽には、若株の常葉の下葉を挿すと、発芽率も良く
効率的ですが、得られる苗は龍葉の少ない苗が多く成る傾向に有るようです。
富士之華なども同様な傾向に有るようです。
黄天翔 (こうてんしょう)
![](img279.jpg)
昭和57年度登録品種です。 檜葉形の大葉に、黄色と黄緑の刷毛込斑を現します。
緑地に黄色の刷毛込斑を持つ事で、感じの似た品種に「瑞光錦」がありますが、瑞光錦は
地色と斑の境がハッキリした、黄色の斑だけなのに対し、黄天翔は地色との境が不明確な、
黄緑色の淡い斑も合わせ現します、また瑞光錦より大葉です。
晃明殿 (こうめいでん)
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昭和59年度登録品種です。
白晃麒麟の変化種と言われています。
春から葉先に白の斑を表し始め、
夏には葉全体を白で染めます。
夏以降は少し緑を戻しますが、
秋には白斑が金色を帯びてきます。
上の画像は6月下旬撮影です。
右の画像は11月初旬の撮影です。 |
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黄門殿 (こうもんでん)
![](img282.jpg)
昭和40年度登録品種です。 一説では、万延元年及び明治の銘鑑にその名が見られる、
「雪笹」の改名登録品種とも言われています。 葉組みの粗い檜葉形の大葉です。
葉組みが粗く葉丈が長い事から、細身に感じる常葉に、晩春から乳白色の曙斑を現します。
光 琳 (こうりん)
![](img283.jpg)
平成6年度登録品種です。 やや立性の常葉で、紫金襴の様な金色系の曙斑を現します。
我が家での本種は、曙斑は殆ど現さず、地中根の発達も悪く鉢底まで根を伸す事が無く、
その為か思ったほど株が充実せず、大株には成り難いようです。
故郷錦 (こきょうにしき)
画像は有りません
日本巻柏連合会銘鑑には、第1から第22号(昭和48年)まで掲載されていますが、
昭和49年から九重錦に統合されたと言われています。
参考文献によると、本種「故郷錦」は、天保14年の「蛇の目」がその始まりで、明治31年
より「故郷の錦」で、その後の銘鑑には、昭和5年の銘鑑を除き、昭和48年の銘鑑までの
全ての銘鑑に掲載されています。
砂子斑類と言われる系統の中でも、この手の品種は私には識別が不可能ですので、
強いて入手する気も無く、探す事もなかったのですが、今までに「故郷錦」名の品と、
出会う事もありませんでした。
古金襴 (こきんらん)
![](img284.jpg)
![](img285.jpg)
天保14年の「砂子獅子」が本種の始まりで、万延元年から現在名の「古金襴」に成ったと
云われています。 檜葉形の中葉で葉重ねも良く、平性で葉先を少し下垂させます、
また斑乗りも良く葉全体を砂子の金斑で染めます。
黒牡丹 (こくぼたん)
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万延元年からの古典品種で、現在確認されている全ての銘鑑に、その名が見られる
名品です。 葉重ねの良い深緑の中型葉で、受け葉気味の葉姿は、恰も牡丹の花を
思わせ、黒牡丹の名に相応しい姿です。
黒 龍 (こくりゅう)
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万延元年からの品種と言われ、万延元年及び明治31年と明治34年の銘鑑に、その名が
見られます。 昭和初期の各銘鑑には、その名は見られず、日本巻柏連合会銘鑑には、
昭和49年度の第22号銘鑑から、突然に掲載されるようになり、その後は平成6年まで
連続で掲載されますが、平成7年度の第42号銘鑑以降は、掲載から外れます。
私が巻柏を始めた頃から、平成6年までの銘鑑に、連続掲載された品種ですので、
勿論入手をし、その外にも幾つもの個体を見ましたが、龍とは名ばかりで、龍葉は全く
持たない立性の常葉で、葉の裏に黒色の筋が有るだけの事、これが本当に古来種の、
「黒龍」の現存品なのだろうかと、今でも疑問に思っています。
九重錦 (ここのえにしき)
![](img288.jpg)
「九重錦」の名は昭和6年からですが、本種は品種統合で、万延元年の「蛇の目」からと
云われる「故郷錦」や、天保14年からの「金獅子」を、統合吸収した品種名ですので、
古典品種と言えるのかもしれません。 葉組みのやや粗めの常葉に、砂子斑を表します。
古今独歩 (ここんどっぽ)
![](img289.jpg)
明治31年からの品種です。
分岐の少ない立性の受け葉で青葉もの、葉肉が厚く断面は四角に感じるほどです。
小雨錦 (こさめにしき)
![](img290.jpg)
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天保14年の「錦鶏」が本種の始まり
と言われ、その後は「小雨の錦」になり、
日本巻柏連合会銘鑑には、第2号から
掲載され始めます。
3号4号銘鑑には掲載が無く、
第5号(昭和32年)以降は
連続掲載されています。
平性の檜葉形の大葉に、砂子系の
小さな散り斑を葉の全体に現します。 |
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![](img291.jpg) |
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越ノ誉 (こしのほまれ)
![](img292.jpg)
昭和30年度登録品種ですが、一説では江戸時代から明治時代の銘鑑に、
その名が見られる「羅紗爪」の、改名登録種とも言われています。
やや立性の分岐の少ない中形葉に、春から乳白色の曙斑を現します。
斑は春の曙斑と言われる、いわゆる後眩みの斑で、夏以降には緑を戻します。
葉姿や斑の感じの似た品種に、旭龍が挙げられますが、越ノ誉の方が葉肉が薄く細身です。
御所錦 (ごしょにしき)
![](img293.jpg)
万延元年からの古典品種です。 葉先の先端が低い中形の常葉で、春に葉先から
白曙斑を現します、夏には一旦斑が薄れ秋には斑を戻しつつ、斑は金色を帯びてきます。
その色合いから同系の品種を、「金銀斑類」と呼んだものと、個人的には思っています。
国 冠 (こっかん)
![](img294.jpg)
昭和46年度登録品種ですが、独立した品種としての扱いは、僅か4年と短命で、
昭和50年には金山に統合されます。
金山に比べ短葉であるが、特徴は「金山」と同じです、強日管理で育成された両種は、
葉の長さが違うので区別できるが、「国冠」も弱日では葉が伸びて「金山」同様になります。
これは巻柏全品種に言える事ですが、作棚の管理や環境に依って葉の長さは変化します。
昼夜温度差の少ない温暖な地域では、全ての品種が色彩は良くなる様ですが、
葉は長くなる傾向にあるようです。
黒光殿 (こっこうでん)
![](img295.jpg)
昭和51年度登録品種です。 変り斑物とでも云うべきでしょうか、
立性の常葉にこげ茶色の斑を乗せています、秋にはその色合いを
深めると共に、地色も明るい赤茶色に紅葉します。
小天狗 (こてんぐ)
![](img296.jpg)
昭和52年度登録品種です。 葉幅の狭い中形常葉の青葉物ですが、
鱗が細かい感じではっきり見え、葉肌にザラ付を感じる特徴の有る葉です。
湖東錦 (ことうにしき)
![](img297.jpg)
昭和61年度登録品種です。 黒牡丹の変化種で、一言で簡単に言うと、黄葉や黄芽を持つ
黒牡丹と言った所ですが、この特徴の遺伝性は確実で、黄緑の葉を挿し芽しても、
青葉を挿し芽しても、発芽苗は確実に湖東錦の特徴を持って生まれます。
ただ、黄色芽は年月を経ると、芽自体が退化する傾向にあるようですので、
将来の大株を夢見て育成するなら、黄葉の少ない株を育成する方が良く、
最初は物足りなくても、年月を経るごとに、黄葉や黄芽は増えてきます。
琥珀錦 (こはくにしき)
![](img298.jpg)
平成2年度登録品種です。 「玉川染」の太葉変化種です、葉幅も広く葉丈も長めですが、
斑の特徴は先祖の玉川染に似ています。
高麗牡丹 (こまぼたん)
下記の理由から所持しておらず、画像は有りません。
日本巻柏連合会銘鑑には、昭和30年度の第四号銘鑑に「高摩牡丹」で初登場しますが、
新登録としての別枠掲載ではありません。
その後は昭和55年度の第28号銘鑑まで掲載され、後の銘鑑にその名は見られません。
新登録でない訳を探ると、一説には連合会結成以前の、東京金龍会からの品種とも
有りますが、昭和18年の東京金龍会銘鑑では、その名を見ることが出来ません。
昭和55年度銘鑑まで掲載があったのですから、勿論私も「高麗牡丹」と称する品に何度か
出会いましたが、私の目では「宝山」と識別する事が出来ず、入手する事はありませんでした。
萌黄葉系各種は、葉形の特徴が良く出ていないと、識別が難しい品種です、管理如何では
葉形葉姿も変り、下垂性の強い「栄獅子」でさえ、管理の如何によっては下垂せず「宝山」や
「天乙女」と見間違う事もあります、「高麗牡丹」と呼ばれた品種もその様な、管理環境で
一時的に変化した、「宝山」だったのではなかろうかと、個人的には現在もその認識で居ます。
注:上記で「一時的変化」と述べたのは、短期の事ではありません、同じ管理環境にある
限りは、その個体の変化は半永久的に持続されますが、管理環境が変わると本来に戻る
と言う意味です。 巻柏が管理環境に適応する為の、仮の変化(不定期の一時的変化)で、
その変化には遺伝性が無いと言う意味です。
小紋錦 (こもんにしき)
![](img299.jpg)
昭和46年度登録品種です。 一説には金華山の挿し芽変異種の記述も見られる本種は、
金華山よりは細身の常葉で大葉物です。
初夏から乳白色の曙斑を現し始め、秋に向かって斑を深めます。
金剛乃光 (こんごうのひかり)
![](img300.jpg)
昭和61年度登録品種です。 金龍の変化種と言われ、独特の葉形の常葉です、
文章では葉形を上手く説明できませんので、画像を参照ください。
初夏から曙斑を現し、管理環境によっては、斑を深くするようですが、
我が家の棚では残念ながら、斑は葉先に僅かに現れる程度です。
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