とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひの治療についてはデュオアクティブや傷パワーパッドなどの「閉鎖療法」はかえって病変を悪化させる可能性がありますので注意が必要です。
抗生剤内服+プラスモイストがベストと思います。
抗生剤の有無、有用性(セフェム、ミノマイシン)や、治療期間(平均3.78日)、被覆材などの検討を菅田医院の菅田先生がされていますので参考にしてください。
伝染性膿痂疹(とびひ)に対する被覆材使用の検討 呉市医学会 平成18年11月19日 菅田宗樹先生 PDFファイル
夏井先生ホームページより
【膿痂疹(とびひ)の治療について】
膿痂疹の場合には,
抗生剤内服
患部はシャワーで洗って膿痂疹は全てつぶす(膿痂疹を開放する)
患部をプラスモイストで覆う。暑い時期では一日に二回くらい交換する。
上口唇や頭皮部などプラスモイストを貼付できない部分では,リンデロンVG軟膏か白色ワセリンを頻回に塗布して乾燥を防ぐ。
という方法で,通常2日くらいで治ります。
抗生剤入り軟膏も消毒も不要です。要するに,細菌(S.aureus)による蜂窩織炎に対する治療部分と,表皮内膿疱に対する治療部分を分離して考えます。
蜂窩織炎に対しては抗生剤含有軟膏の局所投与は意味がなく,抗生剤の全身投与のみが唯一の治療です。
また,表皮内膿疱を破ってしまえばそこは表皮の部分欠損となりますので,それに対してプラスモイストで治療するわけです。
プラスモイストでなくハイドロサイトでも治療できますが,「皮膚欠損創」という病名が必要になります。