2013年11月19日
医学統計ライブスタイル
山崎力著
新しい栄養学の項目で
メガスタディの統計学的評価(2013.6.26)としてとりあげました。
基本的ですが、良書かつ内容は過激です。
1.JIKEI studyはH25年に大問題になりましたが、この本はその試験の問題点を3年以上前に指摘しています。
このJIKEI HEARTの結果については、臨床疫学を専門にしている方を中心に多くの方が限りなく黒に近い灰色だといっています。
なぜこのようなことになったか?
@PROBE試験であるため、医師にはバルサルタン(ディオバン)を飲んでいる患者かどうかわかる。
したがって、ちょっとした作為を簡単に入れられる。
Aエンドポイントに「狭心症による入院」「心不全による入院」などのあやふやな基準が用いられている。(ソフトエンドポイント)
ここでも、ちょっとした作為が入れやすい。
本来心筋梗塞や脳卒中や総死亡などの間違いないエンドポイントで評価するべきである。
2.メタアナリシスの問題点
最近では能登先生のメタアナリシス論文が糖質セイゲニストの中で物議をかもしています。
(この本で取り上げられているわけではありません。)
江部先生ホームページより
能登論文は、選択した文献が玉石混交、残念。
メタアナリシスっていうのは、後ろ向きの解析なんです。
要するに、後付の解析。究極の後付解析です。
つまり、「自分に都合のよい論文が、労力も使わずに書ける」ってことのようです。