2018年1月31日 呼吸回数

ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより

極論 SpO2を捨てて呼吸回数を数えよ!!

 呼吸回数は

最も重要なのに最も無視されるもの
・院内心停止の最大の予測因子
・不安定な患者では血圧や脈拍よりも変化
・24時間以内急変の特異度95%



呼吸回数
 10回以下は徐呼吸
 20回以上は頻呼吸

10回/分以下または24回/分以上を超えてくると重症



SpO2は呼吸回数と常にセットで考える

呼吸回数12回/分の SpO2 98% と
呼吸回数24回/分の SpO2 98%は異なる







2018年1月31日 ~からだは鉄をどうやって調節?吸収されている?利用されている?~

奥平智之先生のFBより引用 大変わかりやすい説明図ですね。





【ヘプシジン&フェロポーチンによる鉄調節システム】

#フェロポーチン(FPN) :鉄輸出チャネル

細胞膜に存在し、細胞の内側から外側へ鉄イオンを輸送する機能を持つ膜貫通タンパク質。

腸上皮細胞やマクロファージから鉄を血液中に排出します。



#ヘプシジン:鉄代謝の調節因子

鉄過剰や炎症時に肝臓での産生・放出が促進されます。

『炎症性サイトカインIL-6』に呼応して肝臓で合成・分泌されるペプチドホルモンで鉄代謝を制御する唯一の因子です。

ヘプシジンは、フェロポーチンに結合して発現を低下させることによって鉄輸送を阻害します。

#炎症 などでヘプシジンが腸からの吸収を妨げている時(#炎症による鉄の利用障害 の時)は、経口から鉄剤を飲んでも治療効果は低いのです。

(左)鉄過剰や炎症時・・・ヘプシジン発現を増加させ、鉄輸出チャネルFPN(フェロポーチン)の内在化および分解によって、小腸およびマクロファージからの鉄の輸出を減少させます。・・・#フェリチン↑

(右)鉄が足らない時は、ヘプシジンが低下し、フェロポーチン発現が安定化・・・腸上皮細胞やマクロファージから鉄を血液中に排出します。

Erik R Anderson,et al.Compr Physiol.; 3(1):315-330. 







2018年1月31日 骨粗鬆症について

老化と活性酸素 三石巌著より引用



実を言うと、骨粗鬆症はおばあさんだけの病気ではありません。若い男女にも、これが起きる可能性はおおいにあります。それは、ビタミンCやビタミンKが欠乏したときです。ビタミンCが不足していると、コラーゲンが完全な形にならないのです。骨の場合、コラーゲン分子が正常な形をしていないと51ページに出てきた例のヒドロキシアパタイト、つまりカルシウムを含む鉱物質が沈着できないのです。ビタミンKが不足するとヒドロキシアパタイトの沈着を助ける蛋白質(グラタンパク)を作れないのです。それで、骨粗鬆症を起こすのです。



・・・・・最後に、これまで紫外線に対してマイナスの評価をあたえてきましたが、ここではそれの名誉回復をしておきたいとおもいます。

 日光浴の価値が、ただひなたぼっこによって太陽熱をもらうだけではないことは、読者の皆さんも経験的に感じていることでしょう。日光浴をしたあとの垢を分析してみると、ビタミンDが余計に含まれています。ビタミンDは、太陽の紫外線の働きによって、コレステロールから合成されたのです。この代謝も、パラトルモンによってコントロールされています。

 ビタミンDには、腸管からのカルシウムの吸収を促進したり、骨へのカルシウムの沈着を促進したりする作用があります。そのために、骨からのカルシウムを溶かし出す量をなるべく少なくするように働いているわけです。

 このように、ビタミンDは、合目的的なコントロールのもとに身体で作られるものなので、現在では、ビタミンとしてではなくホルモンとして位置づけられるようになりました。







2018年1月30日 タミフルの深い闇



ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより



結果は本文記載の通り、症状緩和までの時間短縮効果はあったが限定的で、重症化や入院を防ぐ効果は無く、予防に関しても患者の自己申告データをそのまま使用するなど、科学的信頼度に欠けていると報告しました。それだけでなく、腎障害が2%にあり、1%に精神症状があることがわかり、予防のために健常者に服用させることは危険であると結論づけたのです。



 ここまでは比較的知られている事実ですが、実はここからが日本人があまり知らない事実です。コクランチームはその後、英国の国営放送であるBBCなどに呼びかけ、BMJと一緒にマスメディアから国民に向けてWHOのよびかけが、根拠不十分なデータをもとにした論文のために5億ポンド(約925億円)が無駄になった、と報じ、英国のガーディアン誌はこれを受けて、100万人にタミフルを処方すれば、4万5千人が嘔吐し、3万1000人が頭痛を訴え、1万1000人に精神症状が出る。もしインフルエンザの大流行が始まったら、英国には5000万人分のタミフルがあるから、すごい嘔吐量になる、と皮肉って報じました。



 一方日本ではどうでしょう。公共放送で報道されることもほとんどなく、冬場になると「タミフルください」という健常者が土日も夜間も医療機関にあふれています。ノイラミニダーゼ阻害薬はタミフルに限った話ではありませんが、タミフルの世界シェアの75%は日本で販売されている事実には深い闇が潜んでいそうです。 2016-2017年には、このタミフルの特許がキレ、ジェネリック薬の製造が可能になります。医療を提供する側としてER担当医歯、科学的試験に基づいた患者教育を含めて、社会の窓口としての対応が迫られています。







2018年1月30日 骨は、その4分の3がタンパク質からなる

三石巌 「腎脳食」より引用



タンパク質の中には、構造タンパクと呼ばれるものがある。

 これは生体を形づくるもので、たとえば骨がそうである。タンパク質の名称でいえばコラーゲンに属する。骨といえば一つ覚えのようにカルシウムと答えるヒトが多いが、骨の容積の4分の3はコラーゲン、つまり蛋白質なのである。



 カルシウムは、コラーゲンを構成するアミノ酸のひとつグルタミン酸によって、骨に足場を与えられている。最近騒がれている骨粗鬆症の対策も、カルシウムではなくてタンパク質の補給にあると考えたほうが良い。







2018年1月30日 日本人のビタミンD摂取量と脳卒中死亡が逆相関のイメージ



 ビタミンDの心血管の健康に及ぼす重要性に関する報告が増えている。今回、JACC研究(The Japan Collaborative Cohort Study)で日本人集団における食事でのビタミンD摂取量と脳卒中・冠動脈疾患死亡リスクの関連を調べたところ、ビタミンD摂取量が脳卒中死亡と逆相関することが示唆された。Stroke誌オンライン版2018年1月8日号に掲載。



 本研究は、40〜79歳の健康成人5万8,646人(男性2万3,099人、女性3万5,547人)を対象とした前向き研究で、追跡期間中央値は19.3年(1989〜2009年)。食事によるビタミンD摂取量を自記式食物摂取頻度調査で評価した。ビタミンD摂取量で分類し、死亡のハザード比および95%信頼区間を計算した。



 主な結果は以下のとおり。

・96万5,970人年の追跡期間中、脳卒中による死亡は1,514例、冠動脈疾患による死亡は702例報告された。

・ビタミンD摂取量は、脳卒中全体、とくに脳実質内出血による死亡リスクとの間に逆相関が示されたが、冠動脈疾患による死亡リスクとは示されなかった。

・ビタミンD摂取量が最低のカテゴリー(110IU/日未満)に対する、最高のカテゴリー(440IU/日以上)の多変量ハザード比(95%信頼区間)は、脳卒中全体で0.70(0.54〜0.91、傾向のp=0.04)、脳実質内出血では0.66(0.46〜0.96、傾向のp=0.04)であった。 (ケアネット 金沢 浩子)



原著論文はこちら

Sheerah HA, et al. Stroke. 2018 Jan 8. [Epub ahead of print]







2018年1月30日 バランスのよい食事

アスリートのための最新栄養学(山本義徳 著)より



犬や猫はペットフードばかり食べているのに、昔と比べて非常に長生きするようになりました。長寿で知られるクジラやサメも、口に入れるのはいつも同じものばかりです。さまざまな種類の食物を食べる=バランスが良い、と考える人もいますが、ヒトのように多彩な種類の食材を食べる生き物は、他に見当たりません。



 ・・・・重要なのはバランスではなく、栄養素それぞれの「絶対量」です。 「バランス」そのものに意味はありません。 では、私達の健康レベルを高めたり、パフォーマンスを高めたりするのに必要な栄養素それぞれの絶対量はどれくらいなのでしょうか。

その問いに対する解を求めるための必要な情報を、この書で提供していきたいと思います。







2018年1月29日 耳の老化

老化と活性酸素 三石巌著より



最後に聴覚ケーブルの老人性変化について、私見を述べておきます。

 軸索の死滅は、それをカバーしているリン脂質の酸化によるはずです。とするならば、犯人は例の活性酸素です。どうしてそこに活性酸素が発生したのでしょうか。それはたぶん、ケーブルのところに細菌かウイルスがいて、そのため好中球なりマクロファージなりが攻撃をしかけることになったのだろうと思います。また、ケーブルのところに細菌などがいなくても、白血球が異常に増殖して全身にばら撒かれる場合があることが、最近になってわかってきました。

 とにかく、活性酸素が働きかけて聴覚ケーブルを表面から蝕んでいくのが、耳の変化、聴覚の老化のメカニズムだろう、と私は考えます。



 ここでも、老化圧は活性酸素だということになりました。そこで、結局は活性酸素のスカベンジャーに耳の老化防止を期待するしかない、というのが結論です。







2018年1月29日 減薬処方  

ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより



ステップ1 現在使用しているすべての薬の処方理由を確かめる。



ステップ2 減薬の必要性を決めるために薬剤が誘発するリスク全体を評価する。

 ハイリスクドラッグ・・・オピオイド、ベンゾジアゼピン、向精神病薬、NSAIDs、抗凝固薬、ジゴキシン、心血管薬、血糖降下薬、抗コリン薬、など。



ステップ3 使用中止の妥当性をそれぞれの薬剤で評価する。



診断が確かであってもエビデンスに基づいていない処方(例:咽頭炎に第三世代セフェム系抗生物質を処方)や、不適切な期間の処方(例:ビスフォスフォネートを5年以上処方)、不適切な年齢への処方(例:ホルモン療法を70歳以上に行う)といったこともあります。



  prescribing cascade

・腰痛でNSAIDsを処方したところ血圧高値となり降圧薬が処方される。

・下腿浮腫に対してサイザイドを処方したところ、高尿酸血症になりアロプリノールなどが処方される。

・胃腸炎で嘔吐があり、プリンペランが処方され、錐体外路症状が出現しパーキンソン症候群となる。

・・・・ パーキンソンの薬が処方される。

・高血圧にカルシウム拮抗薬・・・薬による浮腫・・・利尿薬の処方・・・カリウム製剤の処方



 ステップ4 中止薬剤の優先順位をつける



ステップ5実施計画とモニタリングの計画を立てる

 中止による影響がないことがわかっている薬剤については情報提供をする。



骨粗鬆症に使われるアレンドロネート(ボナロン)は中止しても、5年間は骨粗鬆症による骨折をふやさないことがわかっている。

・スタチンを中止しても心血管系のイベントは8年間増加しないこともわかっている。










2018年1月29日 たけしの家庭の医学【亜鉛不足を卵と粉チーズで解消!血管の老化予防】  



亜鉛について上記が放送されていました。おそらく、亜鉛欠乏も一般的ではないでしょうか。特に女性と高齢者。



血管の老化防止に欠かせない栄養素は【亜鉛】

東京慈恵会医科大学教授の柳澤裕之先生によると血管の老化防止に欠かせない栄養素は亜鉛で亜鉛は体全体にあり、亜鉛が足りなくなると高血圧の状態になり、動脈硬化を進めてしまうことが分かってきたということです。

そして高齢者の亜鉛不足として紹介されていたのが以下の2つ。



肉を食べなくなる

吸収が悪くなる







2018年1月29日 誤った治療指導(低温熱傷)

本日の夏井睦先生のブログ記事より引用



◆皮膚疾患クイズCase87 M3.com クイズ
 28歳、女性。「2日前に湯たんぽを使って低温やけどを起こしました」と来院した(画像1)。効果が期待される治療法はどれか?
1.陰圧閉鎖療法
2.トラフェルミンの使用
3.創傷被覆材による湿潤環境下療法
4.保存的治療に関わらず、デブリドマンが必要となる
5.アルプロスタジルアルファデクスやブクラデシンナトリウムによる湿潤環境下療法



<答えと解説>
 正解はD「保存的治療に関わらず、デブリドマンが必要となる」。
 熱傷の深達度を決定する要因は、熱源の“温度”と“接触時間”である。そして、受傷直後に適切な冷却が行われなかった場合や細菌感染を合併した場合には、初期の深達度よりもさらに深く進行する。

   (中略)

 壊死組織をデブリドマンした後、保存的治療を行うこともあるが、周囲からの上皮化を待つには長期間を要すること、また治癒した熱傷瘢痕が将来的に瘢痕癌(有棘細胞癌)の発生母地になることより、本例では一期的に垂直マットレス縫合による縫縮術を行った(画像3右)。



 こういうコーナーを担当する先生は基本的に日本熱傷学会の偉い先生です。だから,学会で定めたガイドラインから逸脱する問題は作れません。学会にとっては,学会が定めたガイドラインが唯一正しい治療指針であり,それ以外の選択肢はありません。

 しかし,学会ガイドライン通りに治療する医者(例:上記の出題者)に熱傷患者が集中しているかというと,そうではありません。

そういう治療をする医者から患者が逃げ出し始めています。スマホでググれば現在受けている治療が最善のものでないことが素人にもわかるからです。

実際,練馬光が丘病院時代を含め,私の外来の熱傷患者さんの7〜8割は「大学病院や総合病院で治療を受けていて,医師に説明に納得できずにネットで検索して湿潤治療を見つけた」患者さんです。







2018年1月29日 統合失調症発病5年目の女子大学生、3ヶ月ですっかり良くなった



本日の藤川徳美先生のFBより引用



症例;10代後半、女性
H24より幻聴、注察妄想あり。
5年間広島市内の精神科クリニックに通院し、投薬治療を受けているが改善せず、幻聴は今も酷い。

FB記事を見た大学保健室の先生に当院受診を勧められた。
H29.10、母親同伴にて当院受診。
現在の薬、
抗精神病薬:ジプレキサ15mg、エビリファイ9mg、
睡眠導入剤:フルニトラゼパム1mg、
抗不安薬:ランドセン1.5mg。
BUN14.4、フェリチン42。
→高タンパク/低糖質食を指導。
フェルム、ナイアシン500mg、C、B50、Eを開始。
眠気が強いのでランドセン中止。

H29.11、
糖質を1/2に減らしかなり元気になった。
ナイアシンはフラッシュがあるので500mgのまま。
朝が眠いと言うため、フルニトラゼパム中止。

H29.12、
幻聴がなくなった。
ジプレキサ15→10mg。

H30.1,
とても元気になった。
幻聴は全くない。
活発に色々なことができるようになった。
時々不眠あり。
ナイアシン500mg*2を飲んでいる。
夜のナイアシンを増量するよう伝えた。
BUN15.4、フェリチン71。
エビリファイ9→6mg。
現在の薬は、ジプレキサ10mg+エビリファイ6mg+フェルム1錠。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
統合失調症における糖質制限は、お菓子とジュースを止めて、ご飯、パン、麺を1/2に減らすだけでも顕著な効果がある。
Eがあった方が水溶性ビタミン(ナイアシン、B、C)の効きが良くなる。
Eにより細胞膜、ミトコンドリア膜の不飽和脂肪酸の自動酸化が抑制され、ミトコンドリア内に酸素、水溶性ビタミン、ミネラルの取り込みが促進される。
若い患者なのでEは400IU程度で十分。



本症例は、1)元々BUNが高くタンパク不足が軽度であったこと、2)元々フェリチンも比較的高かったこと、から治療反応性が良かったと考えられる。
初診時にBUN10以下、フェリチン10以下の患者は治りが悪い。
本症例では、3ヶ月で抗精神病薬量を2/3にできた。







2018年1月27日 腎臓結石とマグネシウムについて

再掲
2017年12月29日 腎臓結石について



奇蹟のマグネシウムより



腎臓結石とマグネシウム欠乏は、共通した原因を多数持っている。例えば、糖分・アルコール・シュウ酸・コーヒーの多い食生活である。ある重要な動物実験で示されているが、 果糖を大量に食餌から摂ると、腎臓の石灰化が大幅に増大する。特に食事中のマグネシウム量が低い場合に、これが顕著となる。



 炭酸飲料中のリン酸は、体内のマグネシウムにも酷い仕打ちをする。骨をすり減らさせては、マグネシウムの備蓄を消耗させるのである。 カルシウムを溶解状態にとどめておいて、カルシウムが凝縮して結晶化するのを防いでいる のも、マグネシウムがもつ数多くの働きの1つである。



  脱水症状中にあっても、充分なマグネシウムがあれば、カルシウムは溶解したままでいる。したがって、腎臓結石については、マグネシウムこそが、中軸的な治療方法となる。



カルシウムを溶解させておけるだけのマグネシウムがない場合には、多種多様な石灰化がおきる羽目になる。  具体的に言えば、結石・筋肉痙攣・結合組織炎・線維筋痛症・アテローム性動脈硬化症(動脈の石灰化)などである。



 直近の10年間に、480の複合結石が見られた55名の患者に対し、1日200mgの水酸化マグネシウムが投与され、2-4年にわたり追跡されているが、新たに結石ができた患者はわずか8名に過ぎない。マグネシウム投与を受けていない43名の腎臓結石患者のグループでは、直後の4年間に59%に新たに腎臓結石が見られた。さらに古い研究で、酸化マグネシウムとビタミンB6を使った例がある。これによると、149名について結石形成の減少があり、年間平均の結石形成数が1.3個から0.1個へと低下している。







2018年1月27日 怒りっぽい人

山本 義徳先生ブログより http://www.berserker.jp/column/show/214 引用



サプリメントつれづれ日記 第四十五段



良覺僧正と聞えしは極めて腹惡しき人なりけり。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

怒りっぽい人というのは自分に自信がないのだそうです。劣等感が強いために相手を見下し、自分より下に置きたがるのです。また不安が大きく、その感情を怒りに置き換えているのだとも言われます。心理学では「防衛機制」と呼ばれます。

イライラしている人に「カルシウムが足りないよ」と言って余計に激昂させるシーンはよくありますが、意外に多いのが鉄不足です。セロトニンやドーパミンなどを作るときに鉄が必要となるため、これの不足によって鬱やパニック症状、イライラなどを引き起こすことが多いようです。

また カルシウムよりも、むしろマグネシウム不足のほうがイライラは募ります。 これについては筆者の文章の読者でしたら、肉離れとマグネシウムの関係などからも容易に想像はつくことでしょう。



甘いものを良く食べる人も、イライラすることがあります。これは単に低血糖を起こしているだけの場合もありますが、ビタミンB1の不足によって脚気のようになっている可能性があります。糖質の代謝にビタミンB1が使われるため、糖質の過剰摂取によってビタミンB1が不足するのです。

脚気は神経や筋肉への障害が起こりますが、これが脳にダメージを与えるとウェルニッケ脳症からコルサコフ症候群というものを引き起こし、この症状がまさにイライラとか他人の足を引っ張るとか、記憶力が低下するとかいうものなのです。

またビタミンB6やナイアシンが不足すると、セロトニンが作られにくくなります。さらにBCAAを多く飲んでいる人だと、この症状が悪化する可能性もあります。理由はわかりますね?

特に最近ではロイシンを過剰に摂取する人が多く、それはトリプトファンの代謝を阻害する可能性があるため、セロトニンが減ってしまう危険性が大いに考えられます。



こう見てくると、ビタミン(特にB群)やミネラルを不足しないように摂取することで、怒りっぽい人も、もしかしたら性格が丸くなってくるかもしれないと期待できます。 筆者は良く周りから温厚だと言われますが、それは栄養が足りているからでもあるのでしょう。

なお筆者はダイエットや健康への効果を期待して緑茶を飲むことを推奨していますが、怒りっぽい人は注意が必要です。アドレナリンやノルアドレナリンを分解するCOMTという酵素がありますが、緑茶に含まれるEGCGはCOMTの働きを阻害するのです。

そのため消費カロリー増加には良いのですが、怒りっぽさは持続してしまうかもしれません。







2018年1月27日 あとがきより

三石巌 健康常識100のウソより



発明家を夢見た父は「分子栄養学」の基礎と「三石理論」という大きな財産を遺しました。



 自分や家族の健康を考えるとき、医師に委ねるのではなく、誰もが正しい知識を学び、健康の自主管理が出来ることを願って、科学的生命観と論理的思考による三石理論が誕生しました。



 本書では省略したが、それは「パーフェクトコーディング」「カスケードモデル」「ビタミンとミネラルの位置づけ」という3つの理論から成り立っています。



 また『健康の自主管理は高タンパク・メガビタミン・活性酸素の除去にある」と提唱し、学ぶことによって的確な健康管理ができること。正確な知識や情報の蓄積がなければ健康の自主管理は難しいことを訴えました。



 そして、「漫然として年をとるべからず。学習者として年をとるべし」という言葉を遺しました。







2018年1月26日 HbA1cとグリコアルブミン(GA)の違いと使い分け

http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/108.htmlより



グルコースは種々の蛋白質と非酵素的に結合し、不安定型糖結合蛋白質を形成し、さらに高濃度グルコースが持続すると安定型糖蛋白となります。糖蛋白には赤血球ヘモグロビンと結合したグリコヘモグロビン(HbA1c)、血清アルブミンと結合したグリコアルブミン(GA)があり、ともに血糖コントロールの指標として用いられています。



HbA1cは赤血球の寿命が120日であるため3ヵ月前から採血時まで、GAはアルブミンの半減期が17日であるため3週間前から採血時までの平均血糖値を反映します。3ヵ月以上にわたり血糖値が安定している場合、GAはHbA1cの約3倍値を示しますが、血糖値が改善あるいは悪化するにつれてGAの方が迅速に変動することから、HbA1cとGAは乖離することが多くみられます。



HbA1cが長期の指標として安定した患者の血糖管理や糖尿病の診断に用いられるのに対し、GAはやや短期の指標として治療開始時や経口糖尿病薬開始時、インスリン療法導入時など治療開始や変更、治療効果の確認に有用です。よって、不安定型糖尿病や糖尿病の治療開始後など血糖の変動が激しい場合や妊娠時などより厳密な血糖コントロールを必要とする場合はHbA1cとGAを併用することが望ましいとされています。



ところで、肝硬変や腎不全、貧血などを有する場合は赤血球の寿命の短縮や幼若赤血球の増加によりHbA1cは低値を示します。このような場合は血糖コントロールの指標としてGAを用いることが必要です。また乳び血症やアルコール多飲ではHbA1cは偽高値となり、加齢や腎機能低下によるヘモグロビン低下ではHbA1cが低めに出ることが多いことに留意します。



逆に、甲状腺機能異常やネフローゼ症候群ではアルブミンの代謝半減期の変化によりGAが正しい値を示さない可能性があります。特にアルブミン代謝が促進されるステロイド糖尿病ではGAは極めて低値となります。また食後のみ一過性に血糖値が異常上昇する場合GAは高値となります。







2018年1月26日 諸悪の根源は栄養不足にあり

三石巌 健康常識100のウソより



分子栄養学に基づいた私の健康管理は「健康自主管理」と呼べるものだ。いい加減な医者に頼らず、「自ら健康をつくっていく」。健康を自分でつくっていくために、大切なのは栄養だ。本当に必要な『真実の栄養』といっていいかもしれない。 多くの人がこの真の栄養を摂取していないことが非常に気になる。

 私の健康管理学に必要な栄養素は3つ。



 ひとつめが、良質なタンパクだ。休むことなく私達の体の中で繰り返される細胞の新旧交代に最も必要な栄養素である。しかも摂取するのは体が必要なアミノ酸を含んだ蛋白質でなければいけない。そのためには、前述した卵、シジミをはじめとするプロテインスコアの高い良質なタンパクを摂取してほしい。



 ふたつめは、ビタミンだ。体内で蛋白質を利用するには大量のビタミンが必要になる。私の場合は、第一章で述べた白内障の自主治のためにビタミンを摂取し、それが功を奏したことで、メガビタミン主義となった。

 蛋白質は10万種類ある。それが体で十分に機能するためには、ビタミンが必要だが、どの蛋白質にどの程度のビタミンが必要かがわかっていない。なにしろ10万種類の蛋白質をつくるために起こる化学反応は、3000種類以上あるといわれているのだ。しかも、この化学反応は人によって違う。そうなってくると、ビタミンを選んで摂取するのは無理ということになる。ならば、ビタミンを大量に摂取してどのタンパク生成にも対応しようとしたのが、メガビタミンだ。良質の蛋白とともにたっぷりのビタミンを摂取することが大事だ。



 そして、最後に必要なのが活性酵素を退治するスカベンジャーだ。ビタミンもスカベンジャーのひとつがだ、スカベンジャーには数千の種類があり、代表的なものにベータカロチンやキサントフィルといったカロチノイドがある。ニンジン・カボチャ・トマトといった緑黄色野菜のほか、柑橘類、階層、鶏や魚の卵に多く含まれている。他にはゴマ・緑茶・赤ワインなどに含まれるポリフェノールもスカベンジャーだ。活性酸素はあらゆる病気のもととなるもの。日々生まれるこの活性酸素をすぐに退治することが大切だ。









2018年1月25日 サプリメントつれづれ日記 第四十八段



山本 義徳先生ブログより http://www.berserker.jp/column/show/220

2017年08月08日



女房、「あな汚な。誰に取れとてか」など申しあはれければ、「有職のふるまひ、やんごとなき事なり」とかへすがえす感ぜさせ給ひけるとぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ものごとの常識は時代につれて移り変わるもので、ウェイトトレーニングも昔は一日に全身をやるのが普通でしたし、また昔はアメリカでも「ウェイトトレーニングは身体を固くする!」なんて言われていたものです。

先進的な方法を採用するグループを「イノベーター」、それに続くグループを「アーリーアダプター」と呼びます。三番目に来るのが「アーリーマジョリティ」。 逆に新しい方法に懐疑的で、古くからの方法に固執するグループを「レイトマジョリティ」、その酷いタイプを「ラガード」と呼びます。



一見、科学的にみえる医学の世界でも、これは存在します。科学的な証拠が出そろってからでも、既得権益とプライドが大きく関係するこの世界においては、先進的な方法をなかなか採用しようとしません。むしろバイアスのかかった論文を発表させて、それまでの古い治療法を継続させようとします。



今では医師が処置をする前に手を洗うのは常識ですが、19世紀中ごろまでは、「医師は紳士である。紳士は清潔である。だから手を洗う必要はない」とされていました。センメルヴァイスが手洗いによって産褥熱(出産時に菌が入って全身に広がる病気)による死亡率を激減させてからも、周囲はそれを非難糾弾して認めようとせず、彼は職を追われて精神病院で生涯を終えたそうです。



医師たちは「医師自身の手が患者を殺していた」ということを受け入れようとしなかったのです。



メガビタミンも、その経路をたどっています。ビタミンC大量摂取の効果は1940年代から知られるようになり、少数の医師たちが採用しはじめましたが、医学界からは無視されました。



ショーペンハウアーは、「新しい方法が出てくると、最初は無視され、次に反駁され、最後には自明だった(最初から分かっていたことだ)として処理される」と言いました。



ビタミンCもその例に漏れず、無視された後は「結石ができる」などといって否定されましたが、それがウソだということが圧倒的な数の証拠によって証明され、今ではビタミンCの安全性は疑いのないものとなっています。 安全性ではなく、効果はどうでしょうか。



ビタミンB群やビタミンCの効果は日本でも少数の医師たちによって広められようとしていますが、ビタミンDの効果は既に多くの医師たちが認めようとしているところです。脂溶性であるビタミンDはメガビタミン派からプッシュされてこなかったのですが、だからこそ他の医師たちから受け入れられたのではないか、というのは穿ち過ぎでしょうか。



先進的な医師たちはアンチエイジングのためにビタミンDを一日5000IU程度摂取していることが多く、またナイアシンの誘導体であるニコチンアミドリボシドが長寿に与える影響も大きな期待がもたれています。この二つを皮切りに、他のビタミン類の大量摂取が一般的になってくると良いのですが。







2018年1月25日 多発性硬化症(MS)に対するオーソモレキュラー治療、半年でほぼ完治した



本日の藤川徳美先生のFBより 衝撃的な症例報告!  



多発性硬化症とは

https://ja.wikipedia.org/…/%E5%A4%9A%E7%99%BA%E6%80%A7%E7%A…

27、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症

Abram Hoffer:Orthomolecular Medicine For Everyone、より

https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/1341074449342209
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

症例:30代男性
H26.7、脱力で歩けなくなった。手も脱力あり。足が攣る。
公立病院神経内科でMSと診断される。
治療は、インターフェロンβ筋注。

H29.5、FB記事を見て当院を受診。
元々糖質過多の食生活だったが、H29.3より高タンパク/低糖質食を始めた。
(発病前の糖質過剰摂取は凄かったと、奥様より)
172cm、元々95kg合ったのが77kgになった。

食事を変えて、体調が良くなった。
フェリチン78。
ナイアシン、B50、C、E、のメガビタミンを開始。
D、Fe、Znなども追加。

薬は処方していないので、3ヶ月毎に通院し、フェリチン、ケトン体を測定。
H30.1、体調はすこぶる良好で、脱力症状は全くなく、足も攣らなくなった。
75kg。
BUN26.5、フェリチン127。
ケトン体0.3

食事とサプリメント;
タンパク質、プロテインスコアで150g(体重*2)、
プロテイン30g*3、卵3個、肉300g、
糖質は1食5g程度。
B50*3、
ナイアシン500mg*4、
C1000、3*3、
E、2000IU、
D、10000IU、
Fe、27mg*2、
Zn、30mg、
Mg、400mg、
Se、200mcg、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

難病で治療法がないとされているMSが約半年でほぼ完治。

1950年代にこの治療でMSが完治したことがカナダの新聞に掲載されたとオーソモレキュラー本に書いてあった。
日本で完治したのは初めてだと思う。
MSに限らず他の神経難病、膠原病、他の慢性疾患もこの治療を行えば改善に向かうはず。
本患者はとても勉強されており、こちらが驚くほど知識が凄い。
”MSに限らず全ての慢性疾患はこの治療で治る”と自信を持って言われる。
自分で勉強して自分で治してしまった。
まさに、「健康自主管理」、「doctor yourself」、だね。
(Aも追加した方が良いと思う。)

男性なのに初診時のフェリチン78は長期間の最重度のタンパク不足。
これだけやってもケトン体がなかなか増えないのは謎。
可能性として、
1)鉄がまだ足りていなく電子伝達系の機能低下、
2)B群の確率的親和力が低くてまだ足りておらず、クエン酸回路の機能低下、
3)Cによるカルニチン合成能力への確率的親和力が低く、脂肪酸利用効率が悪い。
さらなるフェリチン上昇、B50の増量、アセチル-L-カルニチン追加が良いかもしれない。

若くしてMSを発症したのは上記のような、体質的弱点があるのかもしれない。
しかし、体質的弱点はメガビタミンで克服可能だと確信している。







2018年1月25日 痛い在宅医





うまくいかなかった失敗例から・・・・。

人は失敗からより多くを学ぶ。





以下引用

 本書のタイトルである「痛い在宅医」にある「痛い」に込めた思いはいくつかある。

「患者の体と心の痛みを軽減できない、つまり緩和ケアの技術が未熟」という意味に加えて、「自分が未熟であることを自覚していないことが、第三者からみて痛々しい」などである。

<エンドオブライフ・ケア>協会などで「心のケア」も勉強している在宅医がどれくらいいるのかはわからないが、井上さんの手紙にもあったように、人の「痛み」にどれだけ寄り添うことができるのか。寄り添えない「痛い在宅医」を生まないようにするために、我々ができることは何なのか。

 だから本書は、多くの医療者に読んで欲しいと切に願う。  







2018年1月25日 ビタミンAについて

三石巌 健康常識100のウソより



口の中、喉、腸など、体のあらゆるところに粘膜という組織がある。その粘膜を構成する重要な物資のひとつに「コンドロイチン硫酸」がある。コンドロイチン硫酸の材料は、ブドウ糖やイオウなどであり、これらの材料を合成するときにビタミンAが活躍する。



 われわれ日本人に胃がんが多いのは、ビタミンA不足のせいだともいわれているが、胃の粘膜が正常でないとすれば、これはもっともなことだ。胃潰瘍や十二指腸潰瘍なども、ビタミンA不足と無関係とは思えない。



 日本人のビタミンA不足は、前項の過剰症説の影響や、健康常識の認識違いにより、ビタミンAの供給源である卵や牛乳などを避けてきたからだ。現在、ビタミンAの供給源は、ベータカロテンに傾いているが、ベータカロテンが体内でビタミンAに変換する割合はそう高くはない。  







2018年1月24日 咳、痰がとまらない

呼吸器内科の先生に教えていただきました。



のどがむずがゆい、咳や痰が続く時、吸入ステロイドがよくきくことが多いそうです。

つまり、喘息のような病態があるということになります。

その他に、気道の炎症が、副鼻腔気管支症候群による炎症であれば、マクロライドが有効。

心不全が咳の原因のひとつであることも。

後鼻漏、逆流性食道炎なども。



・・・内科医は、癌など治せない病気があったとしても、改善できるポイントを探し続けないといけない。

 症状を起こしている病因について考え続けること。







2018年1月24日腎盂腎炎について

ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより



・腎臓付近の尿管までに達した細菌と血液とは、糸球体のろ過フィルター1枚しか隔てておらず、尿路内圧の上昇で物理的に腎実質に入り、血中へと流れだしますから、いかに尿路感染症が敗血症になりやすいかが想像できるでしょう。



・数日以上、臨床症状が改善しない場合は腎膿瘍であることがあり、CTなどで原因精査をします。

・難治例では尿培養を繰り返し行います。少なくとも治療終了時点と、4-6週間後のフォローのタイミングで尿培養を確認します。



・バクタ(妊娠中は避ける)・・・1回4錠を12時間ごとに・・・・14日間



・ESBL産生菌に注意

 代表的な大腸菌もクレブシエラもプロテウスもESBL産生菌であることがあるのです。これらの菌は、高齢者だけでなく若年者の膀胱炎や単純性尿路感染症の原因菌です。これは大変恐ろしいことです。



・起因菌のグラム染色はかならず行い、その結果を基に治療を開始します。治療開始翌日、または2日後にグラム染色を行い、臨床症状の改善とともに治療効果判定を行います。



・グラム陽性球菌が見えた場合には、腸球菌か黄色ブドウ球菌かが重要です。

 腸球菌は、尿路内にカテーテルなど異物がある場合には感染を起こしえますが、ない場合には起因菌となることは稀です。







2018年1月24日 これはシミか?







上写真。ビタミン内服前。長年右のこめかみ近くにシミのようなものがあったという。

4年近く日本製のマルチビタミンを内服。

下写真。現在。シミではないような気が・・・。







2018年1月24日 ボケは防げない?



三石巌 健康常識100のウソより



@納豆や豆腐は食べるが、肉・魚・乳製品は一切摂らない

A菜食中心だが、卵や乳製品は食べる

B肉や魚を週1-3回は食べる

C肉や魚を週3-4回は食べる



 さて、皆さんはどのグループが最も元気になったと思うだろうか?答えは、C。肉や魚を週3-4回食べるグループが最も元気だったという。最も残念な結果だったのが@で、彼らは70歳前後で次々に脳卒中や肺炎でなくなったらしい。早死にの2位はA、3位はBだった。この結果をみれば、老人は肉や卵を欠かしてはいけない真実が分かるだろう。脳卒中を予防するなら、動物性タンパクを摂取するに限る。



 話をボケに戻そう。ボケの8割は、3度の食事をきちんと摂ることで予防できる。脳卒中に起因するボケも、外界からの刺激が絶たれることに起因するボケも、長年の低栄養や偏食からくる老化がもとになっている。



・・・・寝たきりからボケにならないためには、ご飯などの炭水化物はややおさえて、動物性蛋白質とカルシウムを十分に摂る事だ。また、前項で紹介した有害物質を摂らないこと、スカベンジャーの摂取を忘れずにいたい。









2018年1月23日 20年以上の経過を持つ「パニック+うつ」の女性、鉄とナイシンでここまで良くなった。



藤川徳美先生の昨日のFBより引用

症例;40代女性
H3、パニック障害を発症、閉所や高速道路などへの空間恐怖があり、3ヶ月間投薬治療を受けた。
H15、前夫と上手くゆかなくなりうつ病を発症。
以後投薬治療を続けている。

H28.4、再婚し、愛知から広島に転居し、当院受診。
不安・焦燥感が強い。
ストレスに対してとても弱く些細なことで落ち込み、いつまでも引きずってしまう。
パニック発作が出るため、高速道路に乗れない。
前医の処方;
抗不安薬、デパス(1)3錠、ソラナックス(0.8)3錠
抗うつ薬、サインバルタ(20)2錠
気分安定薬、リーマス(100)2錠
BUN17.6、フェリチン29。
→フェルム追加、高タンパク/低糖質食を指導。

H29.11、
BUN15.1、フェリチン76。
低糖質食はできていない。
落ち込みや焦燥感はかなり軽減し、1年半かけて以下のように減薬。
デパス(1)3錠→(0.5)2錠
ソラナックス(0.8)3錠→(0.4)2錠
サインバルタ中止
不安、空間恐怖は持続しているため、ナイアシン+B50+Cを開始。

H30.1、
ナイアシンは500mgから開始し、現在朝500mg、昼500mg、夜1000mg。
睡眠が良くなり熟睡出来るようになった。
高速道路の運転も大丈夫になった。
不安が顕著に軽減し、気持ちが楽になった。
他覚的にも、表情が明るくなりかなり元気になった印象。
デパス(0.5)1錠、ソラナックス(0.4)1錠に減量していると言う。
リーマス、フェルムは継続。
ーーーーーーーーーーーーーーー

鉄不足の改善+ナイアシン、これ病名に関係なく精神症状に最も効果がある。
フラッシュでナイアシンが飲めない場合、ナイアシンアミドでも良いかもしれない。







2018年1月23日 肺炎について

ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより



・肺炎らしい身体所見は、打診上の濁音、呼吸音減弱、肺雑音、 ヤギ音。

・打診上の濁音とヤギ音は胸水貯留を示唆。

・イーといってもらって、エーと聞こえるのがヤギ音

・肺炎患者で低ナトリウム、低リン、高CPK血症を見たらレジオネラ肺炎を疑う。

・レジオネラ肺炎は他の肺炎と異なり、比較的徐脈や精神症状、筋痛を生じる特徴があり、治療も異なりますので鑑別疾患としては重要な位置を占めます。

・乳酸値が高い場合は、敗血症を疑う。

・肺炎の重症化のリスク・・・アルブミン2.5g以下では死亡にたいして、相対リスク9.12と高く、侮れない。

・過剰な酸素は有毒  SpO294%以上を目指す。 COPD患者では88-92%での管理が望ましい。









2018年1月23日 冷え性とナイアシン



ご夫妻で、ナイアシンを内服中。

二人とも、手足の冷えが楽だそうです。

(ナイアシンを試すときには、飲み方に注意してください。)







2018年1月23日 栄養バランス

三石巌 健康常識100のウソより



「健康的な食生活の基本はなんでしょう?」と聞かれたら、皆さんはなんと答えるだろうか?多くの人は、「栄養バランスの良い食餌」と答えるのではないだろうか。



 しかし、私に言わせれば「栄養のバランス」などという考え方はまったくナンセンスである。ここでいう「バランス」という言葉が意味しているのは、各栄養素の相対的な量でしかない。この発想だと、タンパク質、ビタミン、脂肪、糖分、塩分、ミネラルといった様々な栄養素を万遍なく摂取していれば問題はないという考え方に陥ってしまう。



 しかし、本当に大切なのは相対的な量ではない。「栄養のバランス」だけを考えると、他の栄養素の摂取量が少なかった日は、蛋白質もそれにあわせて少なくても良い、と考えることだろう。前述した通り、タンパク質は1日に体重の1000分の1(しかも良質)が必要 である。要するに本当に「体に良い食生活」の基本は、皆さんが思うような「栄養のバランス」ではなく、それぞれの栄養素の絶対量なのである。栄養は相対評価ではなく、絶対評価と考えて欲しい



 唯一、バランスを考えなければいけない栄養素はミネラルだ。たとえばカルシウムとマグネシウムは2対1の割合で摂取する必要がある。これ以外の栄養素は、すべて必要な絶対量が決まっている。他者とのバランスで摂取量が決まるわけではない。







2018年1月22日 脳腫瘍にケトン食・・・熊本大学病院の研究報告



寿命延長効果はあったのでしょうか?





2018年1月22日 抗生剤が効かない!?

ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより



投与量や期間は十分か?

・抗生物質には適正な使用量があります。チョロッと入れただけでは効果は十分に出ないことがあります。



・ERで見かけるのは内服の抗生物質が十分量だされていなかったり、投与間隔が適正でなかったりすることです。おおざっぱに言うと、例えばペニシリン系の抗生物質は1日に4-6回の間隔で投与しますが、1日2回投与だったり3回投与だったりします。投与量もサワシリンで250mgで1日3回となっていることがありますが、中耳炎や咽頭炎での処方でも1日1500mgは投与します。倍ほど量がたりていないのです。



・実は日本の添付文書に記載されている投与量は、海外で一般的に設定されている推奨量より極端に低いことが多くあります。



・また投与期間が短すぎても十分な効果を発揮することができませんから確認が必要です。







2018年1月22日 ナイアシンアミド500mgでよく寝れる

このようにおっしゃられる方がおられます。

寝つきの悪さと、中途覚醒があったそうですが、びっくりするくらいよくねれるそうです。

ナイアシンでなくても効くのでしょうか?

ちなみに、この方は、糖質制限をばっちりされています。







2018年1月22日 骨粗鬆症にはカルシウム???

三石巌 健康常識100のウソより



以下引用

骨粗鬆症は、骨の量が極端に減り、骨の中がスカスカになってしまう病気だ。骨がもろくなっているため、ちょっとしたことでも骨折してしまう。老人であれば、その骨折が寝たきり生活の始まりにもなりうる病気である。

加齢に加えて、特に女性に多くみられる症状だ。

 骨粗鬆症の予防にも、第一にカルシウム摂取が促される。もちろん、骨を強くするためには、ある程度のカルシウム摂取が必要になってくる。1日650-700ミリグラムがひとつの目安だろう。しかし、それだけでは足りないのだ。



 これは、骨の成長に関係がある。骨が成長するためには、まず骨の端に軟骨ができて 、それにカルシウムが沈着して硬骨になるという手続きが必要だ。軟骨は前述の通り、コラーゲンを中心にプロテオグリカンと糖タンパクを詰め込んでつくられている。硬骨は、これにグラタンパクという蛋白質の接着剤でカルシウムを塗りこめて作り上げる。グラタンパクをつくるにはビタミンKが必要だ。ココで初めて、お馴染のカルシウムが登場する。



 ビタミンK はブロッコリーやピーマン、納豆などに含まれる。



 それだけではなく、カルシウムを効率よく吸収するための栄養素として、ビタミンDやマグネシウム、リンなど が必要になってくる。加えて骨作りの土台となる良質なタンパクもできるだけ多く摂取したい。カルシウムさえ摂っていれば骨粗鬆症にならない、と考えていると痛い目にあう。







2018年1月22日 メガビタミン誤解

小西 伸也先生の本日のFBより引用



●メガビタミンでガン

「糖質制限をすると早死にする」
「糖質制限をすると癌になる」
と同じようなレベルで、ビタミン剤で癌になるという記事を書かれている方がおられます。
オーソモレキュラー関連の本を読まれたことの無い人だと思います。
オーソモレキュラーの本(残念ながら英文ですが)、癌が改善したデーターを多数見ることが出来ます。



ステージ4末期癌、5年後の生存率ゼロ%が、
オーソモレキュラーで10年後の生存率35%という素晴らしいデーターがあります。
(さらに藤川先生の最新の理論を会わせればもっと確率が上がるでしょう)
1500人、30年のデーターです。
このようなデーターを持っている食事法が、他にあるでしょうか。
ゼロです。せいぜい
数名が治ったという程度です。
癌において、メガビタミンを批判するならば、
ステージ4で10年後の生存率35%を大きく越える食事法ご指導願いたい。
もし事実ならば、私はその食事法をとり入れます。
臨床データー無しで、理論を振り回しても、目の前の患者さんには意味が無いです。



しかもオーソモレキュラーは、
糖質制限でも高タンパクでもありません。
基本的に食事制限はありません。
ただ、関連するビタミン・ミネラルを取るだけです。
サプリ代は、1日コーヒー1〜2杯分で済みます。




さらに他のあらゆる方法と併用可能です、
抗がん剤、手術、放射線療法、免疫療法、
玄米菜食、糖質制限、MEC食
東洋医学
相手を選びません。
効果という点では、相手次第で下がりますが、
どういう治療法を選ぶにしろ、
まず最優先でビタミン療法。
リスクがほぼゼロで、お金がかからず、糖質制限のような努力が要らず、
ただサプリを飲むだけ生存率ゼロから35%に。

私は数名の末期癌の方がお亡くなりになるの見てきました。
この事実を知っていれば、あの方々も
もう数年、生きられたのではないか、
末期の辛さを半減できたのではないでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほとんどが「メガビタミンは、ただサプリを飲めばいいのでしょう」程度にしか考えてないことからの誤解です。
さらに医療関係者や糖質制限に詳しい知識豊富な方が多いです。
知識に自信があるだけに、ちゃんと本や記事も読まずバイアスや噂話で誤解した判断をなさってます。

また「オーガニックな食品をバランス良く取れば、栄養は食べ物からのみで充分」
と考える方も多いです。オーガニックにこだわっている方です。
楽天主義ですね。
自然が人間にそれほど優しくはないです。
地震もあれば、台風もある、
自然は人間のために優しくはないです。

栄養不足の中で、人類は生き続けてきました。
オーガニックな食品にこだわっても質的栄養失調が有る限り
改善しません。
質的栄養不足でクエン酸回路が回らないから
日本人の半分は癌になります。オーガニックはあまり関係無いです。
「オーガニック食品をバランス良く取れば大丈夫」という根拠のない楽天主義

さらには議論のための議論と言いますか、
相手を言い負かし勝ち誇るために情報を集めて、体裁を整えている記事が多いです。
もちろん臨床データーなど無いです。
病気で苦しんでいる人を救うための栄養理論ではなく、
相手を言い負かし勝誇るための理論。
ばからしいですね。







2018年1月20日 善意





終わりの日に、地上の楽園で永遠に楽しくくらせるために・・・。

お母さんは、娘を鞭で打ち、教団の教えを守らせる。

お父さんは、信者ではないけど、母親に反対はしない。







2018年1月20日 抗インフルエンザ薬のエビデンス

ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより



・インフルエンザは無治療でもほとんどが自然によくなっていく病気ですが、そのインフルエンザを治療する薬とは一体ナニモノなのでしょうか。理論的にいえば、何もしなくても治っていく病気を治す薬に存在意味はないはずです。

・タミフルは、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果があります。そのため、ウイルスがすでに増殖した後では効果がありません。(発症48時間以内の投与が推奨されている。)



・これまでわかっている事は、タミフルの効果は下痢や心血管イベントのリスクを減少させることと、予防投与でインフルエンザの症状を減少させること、インフルエンザの有症状期間を16.8時間短縮させることぐらいです。



・一方で期待されていた重症化リスクや入院を減らす効果、肺炎を減らす効果、重篤な合併症を減らす効果はありませんでした。



・逆にマイナスの効果として嘔気や嘔吐の副作用があり、成人の4%、小児の5%に嘔吐がありました。また3.1%に頭痛の訴えがありました。タミフルを予防内服した人の1.1%に精神症状が報告されました。



・たしかにタミフルを処方すると「嘔気や嘔吐がする」と夜間のERに電話してくる人があります。その際は服用を中止するように指導するのですが、本来Self-limitedな(何もしなくても治っていく)インフルエンザで、ちょっと有症状期間を減らすだけで、重症化を防ぐこともなく、嘔吐などが出やすいのなら、タミフルは飲む必要があるのでしょうか。







2018年1月20日 リバスタッチパッチとコリンエステラーゼの低下

簡単認知症の診断と治療(平川亘 著)より



リバスチグミンには、ブチリルコリンエステラーゼを阻害する作用があります。BuChEは血清中のコリンエステラーゼであり、経時的に採血をして測定すると血清ChEの低下が認められます。

 血清ChE値の異常低下を認める場合、過量投与により患者さんの健康状態を害していることがあります。短期的には問題ないのですが、一年以上の長期でみると、明らかな副作用がなくても体力を奪い、予後を悪くする原因になります。



 リバスタッチパッチを使用する場合には少なくとも半年に1回は採血を行い、ChE値を測定し、異常低下を認める場合には減量したほうがよいと思います。







2018年1月19日 抗インフルエンザ薬の適応

ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより



抗インフルエンザ薬について、エビデンスが明らかにになるにつてて、本当に必要な薬であるのかが疑問に思えてきます。少なくとも「健常者であれば抗インフルエンザ薬がなくとも自然治癒が見込めるのがインフルエンザ」という認識は間違っていません。



米国のCDC(感染症コントロールセンター)は抗インフルエンザ薬処方に対して、健常者には不要であるということ、リスクの高い患者には処方を考慮するという指針を出しています。



・リスクの高い患者の内訳は既往として、呼吸器疾患(喘息、COPD),心疾患(先天性心疾患、心不全)、てんかん、腎不全、肝不全、病的肥満の人、19歳未満で長期にアスピリン内服をしている人、免疫不全状態のある人(AIDS,ステロイドユーザー、免疫抑制剤ユーザーなど)、65歳以上の高齢者、5歳未満の乳幼児(特に2歳未満)、産後2週目までの妊婦をハイリスクとしています。







2018年1月19日 花粉症について

三石巌 健康常識100のうそより



花粉症に抗ヒスタミン剤を使うのは、炎症を抑えるためだ。もう少し詳しく説明すると、体内には炎症を起こす物質を蓄えたマスト細胞というものがある。体内に異物が入り込むと、抗体はマスト細胞にくっついて刺激を与え、起炎物質を放出させる。その働きで重要な役割を果たすのが、ヒスタミンである。そのヒスタミンを抑えるために抗ヒスタミン剤が登場するのだ。

 ただ、ヒスタミンは脳内では必要な情報伝達物質であもあるから、そのすべてを力ずくで抑え込むのは非常に乱暴な話だ。

薬に頼るよりは、栄養によって余計な働きを抑えたほうが良い。必要なのはビタミンCだ。ビタミンCはマスト細胞の中でヒスタミンがつくられるのを抑え、細胞の外へ出てきたヒスタミンの働きも失わせる。花粉症の人は大量にビタミンCを摂取するべきだ。

そして、免疫の閾値を上げるビタミンAも必要だ。このほか、炎症を起こした部分に発生する活性酸素対策としてのスカベンジャーも忘れずにいたい。







2018年1月18日 日本人のビタミンD摂取量と脳卒中死亡が逆相関



https://www.carenet.com/news/general/carenet/45347

提供元:ケアネット公開日:2018/01/18



日本人のビタミンD摂取量と脳卒中死亡が逆相関のイメージ

 ビタミンDの心血管の健康に及ぼす重要性に関する報告が増えている。今回、JACC研究(The Japan Collaborative Cohort Study)で日本人集団における食事でのビタミンD摂取量と脳卒中・冠動脈疾患死亡リスクの関連… [続きを読む]







2018年1月18日 老人性鼻炎について



もっと!一発診断100より



くしゃみや鼻閉を伴わず水溶性鼻汁のみを訴える高齢者で、鼻粘膜の腫脹・蒼白を認めない・・・老人性鼻炎(old man's drip) と診断した。

・加齢に伴って鼻粘膜が萎縮し、@繊毛輸送能の低下による分泌液の停滞 A鼻粘膜温度の低下による水分の再吸収障害が生じることが原因である。

・症状は朝方に多い。

鼻粘膜や体を温める温熱療法が有効である。

・抗コリン薬の点鼻薬が有効なこともある。



ピットフォール 

・高齢者で服用することが多い利尿剤、降圧薬(レセルピン、αメチルドパ、ヒドララジン、β遮断薬など)、向精神病薬、抗めまい薬などは鼻粘膜のうっ血と乾燥の原因となる。

・第一世代の抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬は鼻粘膜の乾燥を悪化させる可能性があるので注意する。







2018年1月18日 パラダイムシフト好きの外科医のブログより



これいいな。





以下引用

毎日言い続ける。

私が日々、自宅で子供に言い続けている言葉があります。

頻度順に並べると、



蛋白質を摂れ。

ビタミン、特にビタミンCを飲め。

おかし、ジュースは摂るな。




箸をきちんと使え。

学問(学び問う)をしろ。

常識を覆すために、常識を知れ。

体を鍛えろ。

予期せぬ事故に遭わないよう、外では周囲の確認を怠るな。

漫画もいいけど、活字の名作を読め。

だいたいこんな所です。





子供からすれば、うるさい・ウザい親父です。

これを連日言われたら、私でもたまりません。

でも言います。

先日いつものように言おうとしたら、

どうせ「〜〜」でしょ?っと、上記のことを呪文のようにスラスラ言われました。

今は分からなくても、いずれその意味が分かる時がくる。

毎日言い続けることが大切だと思いました。







2018年1月17日 ビタミンB1欠乏症

救急外来ただいま診断中より



ビタミンB1欠乏はアルコール多飲患者のみの問題ではありません。

潜在的ビタミンB1欠乏症はアルコール依存などのアルコール問題が主ではありますが、それ以外に、拒食症、つわりがひどい妊婦、脳梗塞や大腿骨頚部骨折などによる寝たきりの方、担癌患者、慢性下痢症など、非アルコール性が20%程度を占めることを忘れてはいけません。



ビタミンB1を投与する場合は、必ずブドウ糖よりも先に投与すること。

一般的に成人の1日の必要量は2mg以下、枯渇するには2−3週間必要といわれています。



ビタミンB1欠乏症と、アルコール性ケトアシドーシス

 ビタミンB1を投与することで代謝性アシドーシスが比較的速やかに改善したらAKAと診断してよいでしょう。







2018年1月17日 質的栄養失調の改善を



1月16日中国新聞セレクトより







2018年1月16日 プレタールと認知症

簡単認知症の診断と治療(平川亘著)より

出血の副作用が少し気になりますが、平川先生の記述を読むと試してみたいですね。

B−50コンプレックスなどのサプリも併用で。



以下引用

 プレタールは併用療法でも単独療法でも、過去に認知症治療を受けていない患者さんによく効きます

新規で受診された認知症の患者さんにプレタールだけを処方する。あるいは少量のコリンエステラーゼ阻害薬とプレタールを処方する。この初回ケースはよく効きます。少なくとも6割の患者さんには効果があります。



 筆者は最近ではプレタールでの効果をみるために、認知症の治療はまずプレタール単独で開始することがよくあります。プレタールだけで出来る限り治療し、効果が乏しくなったと判断されたたそこからコリンエステラーゼ阻害薬を開始するのです。  ただしDLBや重症のATDで、早々にアセチルコリンを補充したほうがよさそうな場合には、はじめからコリンエステラーゼ阻害薬を開始します。







2018年1月16日 メガビタミンで「マイナス10歳肌」となり、若返る

本日の藤川徳美先生FBより

半年前から始めたB50+C+E、女性患者からは、”肌の調子がとても良くなった”ととても好評です。
毎日化粧される女性は、男性に比べ肌のコンディションの変化に非常に敏感ですね。
実際見た印象でも、色白になり、肌に潤いが出てきて若返ったような感じ、確かに効いている。

肌のシミ、くすみは、1)細胞内のタンパク質が糖化したAGEsと、2)生体膜の脂肪酸か酸化された過酸化脂質。
肌にシミがあれば、全身の臓器(心臓、脳、肝臓、腎臓、その他)にもシミがあると言うことになる。
対策としては、1)高タンパク/低糖質食として糖化を防ぐこと、2)C、Eなどの抗酸化物質を摂取すること。

数ヶ月でこれだけ効果あるのですから、年単位で継続すればさらに顕著な効果があるのは間違いないはず。
化粧品のコマーシャルで”マイナス5歳肌”と言うのがあったが、メガビタミンで「マイナス10歳肌」は可能だと思います。
化粧品とは異なり、体内から改善させるのですから、気づいたその日から開始すべきでしょう。
全身の臓器のシミも改善するはず。



基本量:
B50、2錠、朝夕。
C1000、3錠、朝昼夕。
E400、1~2錠、朝。
(鉄は夜)

メガ量:
B50、3~6錠、朝昼夕。
C1000、9~12錠、朝昼夕。
E400、3~5錠、朝。
メガ量にする場合は、A、D、ナイアシンも併用すべきでしょう。







2018年1月15日 Hall of Fame PIONEERS

日本人の殿堂入り・・・The Orthomolecular treatment of chronic diseaseより

Masatoshi Kaneko, PhD
(b. 1935) ・Hall of Fame 2007
KYB club(know Your Body club)創設者

Hiroyuki Abe, MD, PhD
(b.1938)・Hall of Fame 2013
New Ways to Treat Autism 著者
日本オーソモレキュラー医学会の創立者の一人

Tsuyoshi(ken) Kitahara
(b.1949)・Hall of Fame 2011
日本オーソモレキュラー医学会の創立者の一人
オーソモレキュラー療法を用いたグループホームの設立を目指している。

Atsuo Yanagisawa, MD, PhD
(b.1951)・Hall of Fame 2011
日本点滴療法研究会会長
パーキンソン病に対するグルタチオン点滴療法が有名







2018年1月15日 亜鉛の働き

吉冨信長先生 講演より

@細胞分裂(DNA,RNA、蛋白質の合成など)

A免疫反応に関与
 亜鉛が不足するとT細胞が減少し、胸腺が萎縮する

B重金属のデトックス
 メタロチオネインに必要

C抗炎症作用 

生体に存在する亜鉛の約20%が皮膚に存在しているため、亜鉛欠乏症では皮膚の症状が出やすい
亜鉛は蛋白質の分解酵素を精製・分泌するのに必要。不足するとタンパク質の未消化物が残ってしまう。

D酵素
 多くの酵素反応に必要

E 粘膜の保護







2018年1月13日 花粉症と喘息は、ビタミンCが最も効果的です。

小西 伸也先生FB引用

これは試す価値がありそうです。



「花粉症と喘息は、ビタミンCが最も効果的です。

パントテン酸(ビタミンB5)および/またはピリドキシン(ビタミンB6)は、アスコルビン酸(C)と相乗的に作用します。 花粉症および喘息は、腸耐性用量(Cで下痢する容量)よりも低いレベルおよびより快適な用量で効果的です。 しかし、治療は、少なくとも1日6回排便がある用量から始めるべきであり、より困難な症例も改善されます。

」 The Orthomolecular Treatment of Chronic Disease: 65 Experts on Therapeutic and Preventive Nutrition  より







2018年1月13日 ナイアシンによる睡眠導入剤からの離脱

40歳代女性。

5年以上にわたって、睡眠薬を使用している。

2017年秋よりナイアシン100mgとビタミンC1gを眠前に内服。

睡眠薬は同時に中止。

20分くらいで眠れるとのこと。

睡眠薬0.5Tをそれまで飲んでいたが、ナイアシンの方が寝つきがよい。

ただし、睡眠薬でもナイアシンでも中途覚醒はあるそう。

ナイアシンの増量をご提案しました。







2018年1月13日 抗不安薬、睡眠導入剤からの離脱にはナイアシンが一押しーその2



藤川徳美先生FBより 有用な情報



ナイアシンフラッシュを最小限にする方法;

1)数日前から、抗ヒスタミン薬、もしくはアスピリンを飲んでおけばフラッシュを軽くできる。

市販薬のアスピリン

http://medicine-helper.net/archives/1746

2)1週間前からビタミンCを3g飲んでおけばフラッシュを軽くできる。

3)食後冷水で服用するとフラッシュを軽くできる。

逆に、空腹時に服用したり、服用後に入浴すると激しいフラッシュが出る。

4)1日2~3回服用してその都度ヒスタミンを放出しておくと、フラッシュは早く軽減して、ナイアシンを増量しやすくなる。



具体的なナイアシンの導入法;

まず、ナイアシン導入の際、高タンパク/低糖質食+B50+C+E、の併用、これ必須。

オーソモレキュラー本ではナイアシンアミドで不安障害、パニック障害を回させた多くの症例が報告されている。

オーソモレキュラー本では3000mgと書いてあるが、日本人では吐き気が出やすいため1000~1500mg程度しか飲めない。

また、ナイアシンアミドはナイアシンに比べると、作用が弱く、効果が出てくるまで時間がかかる。



1)まずフラッシュのないナイアシンアミド500mg*2、朝夕で開始し、ナイアシン100mg*3、朝昼夕を開始する。

2)フラッシュが出なくなったら、まず夕食後のナイアシン量を増量。

3)夕食後500mgまで増量できたら、朝昼それぞれ100mgから200mg、300mgと増量してゆく。

ポイントは、朝昼より夕にナイアシンを多めに飲むようバランスを取ること。

(ちなみに現在自分は、朝500mg、昼500mg、夕1000mg)



2~3ヶ月かければ1500mg程度まで増量可能であろう。

その後、ナイアシンアミドを同量のナイアシンに置換してゆく。

フラッシュには注意しつつ、十分量(3~6g必要な人もいる)服用すれば、抗不安薬、睡眠導入剤から楽に離脱できる。









2018年1月12日 書評 土曜日の紹介は嫌われる







病院の総合診療科のドクターと診療所のドクターのケースカンファレンス

身近な話題で、興味深い部分が多々ありました。

ポリファーマシーの問題、紹介状の書き方、悪性疾患の予後説明の仕方など。

こういう本がどんどん出てくるところが、都会的だなと思います。(東京北医療センター)

ただ、多忙な病院の先生でこの本を読む人はあまりいないのではないかと思います。



@抗菌薬について

 以下引用 発熱は一日だけなら何もしないで様子を見よう、というのは、僕らのパールとしてあったりします。すぐに治まって、あれはなんだったのかというようなケースもあって、マイクロアスピレーションというふうに無理やり説明はしているのですが、これは施設関連性の肺炎のパターンです。

コメント:季節によっては、インフルの検査はしてもよいと思います。あとは、呼吸数や食欲などの総合判断でしょうか。



A紹介状について

  机下は同輩か目下につかう 侍史は目上向け 

コメント:知らなかった・・・・・・。 



    BRed flagについて

 以下引用

紹介元は、どのくらい危機的状況なのかが紹介先に伝わるように書くとよいだろう。重症疾患を強く疑っているのか、あまり可能性は高くないが一応除外してほしいという考えなのか。ただし、重症疾患はまれであり、検査前確立が低いため、紹介された患者が検査を受けても異常がない場合はきわめて多い。

「泰山鳴動して鼠一匹」と肩透かしを食らうようだが、そういものだという共通認識が、紹介元と紹介先の双方に必要である。病歴や身体所見が重要であることは論をまたないが、それだけでは重症疾患が否定できないのが現実である。

またred flagがあっても空振りが多いというのを理解したうえで、紹介する側はオーバートリアージ気味でも構わないから目的や紹介意図をはっきり記して紹介する 。そして紹介された側は、その多くに異常はないが、紹介元の医師が「お告げ」 を受けたと理解して重症疾患の除外をするという広い心をもつことが大切だと感じた。



Cポリファーマシーについて

以下引用

 施設でも、同様のことが起こります。施設入所前までは、本人が”今日はこれだけにしておこう”と自分で調整していて、それが案外妥当だったりするんですが、施設に入ったらそうはいかず、確実に飲まされるわけです。すると副作用が出てくる。粉薬が1回の合計で21gという人もいました。

 そんなすごい量でも、施設では確実に飲ませるので、副作用に気をつけないといけません。

コメント:とほほ。  









2018年1月12日 抗不安薬、睡眠導入剤からの離脱にはナイアシンが一押しーその1



本日の藤川先生のFBより引用 ・・・ナイアシンの必要量には個人差があり、1500mgから6000mgとのこと。





以前も一度書いたことがあります。
不安障害にはナイアシンが有効、ベンゾジアゼピンからの離脱にもナイアシンが有効
https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/1480408048742181?pnref=story

ソラナックス、デパス、ワイパックスなどの短時間作用型の抗不安薬には強い依存性があり、一度飲み始めると離脱が困難となる。

短時間作用型で1日3回飲まないといけないので、どんどん量が増えてしまう人もおられる。
教科書的には、1日1回服用で済む長時間作用型の抗不安薬、例えばメイラックス、ランドセンに移行して徐々に減量する、とされている。
例えば、
ソラナックス(0.4)3錠、3*n
→ランドセン(0.5)1錠
→ランドセン1/2錠
→ランドセン1/4錠。



マイスリー、ハルシオンなどの睡眠導入剤も一度飲み始めると離脱が困難となる。

教科書的にはこの睡眠導入剤からの離脱方法には明確な指針はない。



抗不安薬、睡眠導入剤からの離脱にはナイアシンが一押しです。
強力な抗不安作用、抗パニック作用、睡眠改善作用があります。

必要量には大きな個体差があり、1500~6000mg。
ナイアシンをこの量服用出来れば、抗不安薬、睡眠導入剤から楽に離脱できる。



ナイアシン導入の支障となるのはナイアシンフラッシュ。
急激なヒスタミン放出、末梢血管拡張により、発赤、かゆみを生じる。
フラッシュ自体は決して危険なものではありませんが、服用前にきちんと説明しておかないと、服用した患者が驚いて救急病院に駆け込む事態も起こりうる。



ナイアシンフラッシュを規定する因子;


1)小児、高齢者はフラッシュは起こりにくい。
うちの父親、ナイアシン500mg*3で開始したがフラッシュなし。
2)肌の色が濃い人はフラッシュは起こりにくい。
3)統合失調症、躁うつ病、難治性うつ病、ADHDなどの重い疾患の人はフラッシュは起こりにくい。
ADHDのお子さん、ナイアシン500mg開始でも結構継続出来る。
逆に、不安障害、パニック障害、睡眠障害などの軽い疾患の人はフラッシュが起こりやすい。
4)当然ながら、ヒスタミンを溜め込んでいる人はフラッシュを起こしやすい。

明日に続く。









2018年1月10日 栄養療法による体調の改善



30歳代女性。 2016年春頃より元気がでない。食欲低下。

SDS抑うつテスト48点(正常40点以下)

AST13 ALT 8 ALP127 LDH 127 BUN 10.6 フェリチン 15.4  ヘモグロビン 13.0g

高たんぱく/低糖質食、 鉄剤+亜鉛製剤+ビタミンB50+ナイアシンなど内服。



2018年1月 再診。 手足の冷えがなくなった。 気分の落ち込みや、頭がボーっとする感じがなくなった。

すなわち、以前の症状は全くなくなった。



1月10日 データ

AST16 ALT 12 ALP129 LDH 119  BUN 13.7 フェリチン 59.5   ヘモグロビン 13.6g









2018年1月10日 見逃してはならないaVRのST上昇

Step Beyond Resident(林寛之著より)



aVRのST上昇→ LMCA閉塞または近位LAD閉塞を示唆

広範囲ST低下 + aVRのST上昇 →STEMIと同じ

aVRとミラーイメージ関係になるのは・・・T U aVL V4-V6









2018年1月10日 脳ではアンモニア、乳酸はどう処理されているのか 〜ニューロンはB1欠乏があると致命的な状況に陥る〜

本日の藤川徳美先生のFBより



三石巌:前業績ー10、脳と栄養を考える、より

 神経細胞以外の細胞では、タンパク質の分解からくるアンモニアは、細胞外に排出される。ところが、ニューロンにおいては、血液脳関門のほかには、物質の出入り口がない。ところが、アンモニアはそこから出て行かない のである。しかもこれは、かなりの毒物である。

 ニューロンは代謝の激しいところであるから、アンモニアの排出量も多い。そこでニューロンには、これが発生するそばから処理するシステムができている。それは、グリア細胞におけるグルタミン酸による中和である。 そして、その中和生成物はグルタミンである。グルタミンは無毒な物質であるから、この中和反応によって、毒物アンモニアは、始末をつけられる。そしてまた、グルタミンは、ニューロンにもどり、グルタミン酸となって、何回でも利用される。

 先に述べたところであるが、グルタミン酸は神経伝達物質の一つである。それはまた、毒物処理の主役でもあったのだ。  グルタミン酸もグルタミンも、ともにアミノ酸に属する。この二つのアミノ酸の量の和が、脳内アミノ酸総量の80%を占めるのも、うなずける。この事実だけを見て、グルタミン酸を、頭のよくなる薬だと、早合点した歴史のあることは、すでに述べたところである。



 ニューロンで発生したアンモニアは、排出されないために、ニューロン内で処理される。これに似たことが、乳酸の場合にもみられる。先に述べたとおり、乳酸は、エネルギー発生の過程の副産物といってよい。しかし、乳酸が発生するのは、酸素、もしくはビタミンB1がないときにかぎられる。

 ニューロンは、それ以外の細胞と違って、乳酸を排出することができない。そうかといって、乳酸の処理装置が用意されているわけではない。そこで、ニューロンでは、乳酸をもたらす代謝が禁止されることになっている。

 先に述べたとおり、乳酸をもたらすエネルギー発生は、効率がきわめて低い。そこで、脳では、有酸素の電子伝達系とクレプスサイクル(クエン酸回路)を駆動して、高能率のエネルギー発生を専門にやっているわけだ。 酸素が切れると、人間は10分で失神する。これは、首をしめてみればわかることだ。低血糖の患者は、よく昏睡におちいる。ビタミンB1が欠乏すると、さまざまな精神障害をおこすことも知られている。急性欠乏の場合は、物忘れがひどく、場所も時間もわからなくなり、作り話をするようになる、などの症状をあらわしてくる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タンパク質の分解からくるアンモニアの処理は、グルタミン酸による中和。
グルタミン酸は神経伝達物質であり、かつ毒物処理の主役。

神経細胞(ニューロン)では嫌気性解糖のみの代謝は想定されていない。
つまり、ニューロンはB1不足があると致命的な状況に陥る。
しかし、米を食べている日本人は全員B1不足、ヤバいよね。
B1不足でニューロンの活性が低下している人は多いはず。

糖質制限をすれば頭が冴えるという人が多いが、1)血糖値日内変動が小さくなること、2)ケトン体が上昇することの他に、3)B1不足が改善する効果も大きいはず。
アルコール症ではその代謝にB1、ナイアシンが浪費されるため、重篤なB1不足になりウェルニッケ脳症を生じる。 

ニューロンは乳酸ができないのでがんはできない。
グリア細胞は,分裂,増殖能力を持っており、乳酸も発生する。
悪性の脳腫瘍とはこのグリア細胞ががん化したもの。

この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0110-2









2018年1月10日 【医師が支持する糖質制限に学会がお墨付きを与えない不思議】

本日の夏井睦先生のブログより



この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0110-2



 だって,糖尿病学会が糖質制限を認めたら,現在の糖尿病治療の全てが瓦解しちゃうし,糖尿病治療で食っている医者は失業するし,糖尿病治療薬で食っている会社も潰れちゃいます。

そういう医者と製薬会社が作った学会が日本糖尿病学会。だから,糖質制限を認めることなんてありえません。糖尿病専門医は専門家だからこそ,糖尿病専門家としての自分の価値を否定する糖質制限は否定するしかありません。糖尿病学会を内部から改革しようとしても徒労に終わるはず。

 世界は変えられるが学会は変えられないし,世界が変わっても学会は変わろうとはしないでしょう。

 ではどうするか。糖尿病専門医以外の医者と一般人の間に糖質制限を広めればいいのです。糖質制限を否定するのは糖尿病専門医と糖尿病学会だけ,という状況を作り出すだけのことです。









2018年1月9日 心外膜炎の落とし穴

Step Beyond Resident(林寛之著より)



 心外膜炎といえば、鋭い胸膜痛があって、熱があり、頻脈で、心音を聞くと摩擦音が聞こえて、なんて思っていたら大間違い。心外膜炎は実に多彩な症状でやってくるのだ。



胸痛のうち半数は鈍痛。38℃以上の発熱はたった4%。摩擦音は有名だけど約2割のみ

PR低下は心筋梗塞でもみられる。けして心外膜炎にスーパー特異的な所見ではない。

ST低下があったら、まず心外膜炎ではないと思うべし。










2018年1月8日 医師がヒューマニストになるのは、サルが人間になるような困難さにつきまとわれる



(藤川徳美先生FB引用) 三石巌:全業績16、対話 ガンについて考える、より



 これは一般論ですがね、医師が相手にするのはハードウェアとしての人間でしょう。血液をとるのもカメラをのませるのも、ハードウェアとしての人間でしょう。ソフトウエアとしての人間はいつもそっちのけです。これはつまり、ソフトウェアとしての人間を無視する習慣をつくるんじゃないですかね。こういうことだと、医師がヒューマニストになるのは、サルが人間になるような困難さにつきまとわれますよ。

 僕は、サルと距離をおくことからヒューマニズムは成立すると考えているから、これはやっぱり科学者の頭ということなんでしょうね。

 この世に絶対者がいてよいはずはないのに、医師が絶対者気取りでいることの不自然さ をついたんですね。天皇は絶対者みたいだけど、病気になれば医師に絶対服従でしょう。医師はやっぱり現代の絶対者なんです。僕にはそれが漫画的に見えるんですよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

医師がヒューマニストになるのは、サルが人間になるより難しい、とは手厳しいですね。
医師は科学者ではないとも。
確かに今でもそういう医師が多いことは事実ですけど、サルではない医師もいると言いたいですね。









2018年1月8日 インフルエンザ脳症と解熱鎮痛薬



1月5日に江部康二先生がブログでインフルエンザ脳症を取り上げておられました。

現在は、多くの医師が感冒などの感染症の発熱時にはアセトアミノフェンを処方しています。

中には従来どおり、ロキソニンなどを処方されるドクターもおられますが、以前から比較するとかなり少なくなってきていると感じます。



私が研修医をはじめた平成8年(1996年)頃は、アセトアミノフェンを処方するドクターは見たことがありませんでした。

ボルタレン、ポンタール、ロキソニンなどが、がんがん処方されていました。それが常識的な医療行為でした。解熱剤はできれば使わない方が良い、という考えは一般的でなかったと思います。



平成14年(2002年)の秋、近藤誠の「成人病の真実」に、”インフルエンザ脳症は薬害だった”という記事があり、アスピリンによるライ症候群と同じ病態であると書いてありました。

 その頃からメディアなどでも記事がでるようになり、時間とともにパラダイムシフトが進行し、現在の状況になっていると思います。



 当時、多くの医師は近藤誠のことをさんざん批判していました。本を読んでいるだけでも、変な目で見られたものです。

 時間がたってみると、やはり近藤先生はえらかったですね。





以下引用

インフルエンザと解熱剤。使ってもいいのはアセトアミノフェンだけ。

http://koujiebe.blog95.fc2.com/



平成21年の厚生労働省のインフルエンザ脳症ガイドラインには、ジクロフェナクナトリウム(商品名ボルタレン)、メフェナム酸(商品名ポンタール)の内服は、インフルエンザ脳症の予後不良因子の一つに挙げられています。 これらの解熱剤が、インフルエンザ脳症の死亡率を上昇させている可能性が示唆されています。 また、これらの解熱剤が、サイトカインストームを生じたきっかけになっている可能性も否定できません。









2018年1月8日 本日の藤川徳美先生のFBより引用



当たり前のことだけど、「実際に治した症例」を提示できる治療が良い治療

ネット上には様々な情報が飛び交っている。
○○という治療が良い、いや△△の治療が良い、など。
一般人から見ると、色々な医者が色々なことを言っているので一体どの治療が正しいのか判断しかねるはず。

一般人は自分で体験したことしか判断出来ないので、N=1で判断しないといけない。
勤務医は、通常週2回午前中のみ外来診療を行っているので、N=200程度。
開業医は、朝から晩まで外来診療を行っているため、N=1000~1500。
開業医が最も多数例で検証出来る立場にあるので、実際に治療して治した症例を提示しやすい。



ビタミンCで風邪が予防できるか否かについての議論も、論文にどう書いてあったかよりも、実際どうなのかを確認すれば良いだけのこと。
自分もそうだが、当院の患者もビタミンCを飲み出して風邪を引きにくくなったと言う声が大多数。
ビタミンCが切れたらまた風邪を引きやすくなったので再開したいという声も多数。
上記の事実を考えると、ビタミンCは風邪の予防に効果があると判断するのが妥当であろう。
しかし、実際どうなのかを確認せず、つまり臨床で確認せず、あれこれ言っている人が多い。
”あんた、きちんと患者を診ているのか”と聞きたくなる。



自分は、高タンパク/低糖質食+鉄+分子栄養学(三石理論)+オーソモレキュラーがこの世の中で最強だと確信している。
実際にこの治療で治した症例も数多く提示している。

どんなにもっともらしい理論を提示しても、実際に治した症例を提示していない治療は、正しくないはずだ。
患者の治療そっちのけで、論文から理論展開する医者が言うことは信頼性が乏しい。
そもそも論文なんて、バイアスがかかりすぎてインチキな内容がほとんど。
論文から理論展開する場合には、その論文がバイアスがかかっておらず、インチキでないことを、まず誰もが納得するような形で証明する必要性がある。



患者の気持ちとしては、”理屈はどうでも良いから治る方法を知りたい” 、と言うのが本音だろう。
「実際に治した症例」を提示しているか否かを確認して、その治療が良い治療なのか否かを判断すれば良いと思う。









2018年1月7日 健康診断で潜在性鉄欠乏症を指摘される。



健康診断を受けたところ、担当医に潜在性鉄欠乏の可能性を指摘された女性。



これまで毎年健診を受けてきたが、貧血を指摘されたことはない。

診察すると、右第一指がスプーンネイルになっている。

素晴らしい健診医ですね。









2018年1月7日 爪の横溝



爪の横溝(両側第一指)をみとめる女性。

簡単に「鉄の不足でしょう。」と自信満々に説明しましたが・・・。



フェリチンは101ng/ mLと正常。

ALPが141と低めなので、亜鉛欠乏によるものか?

尿素窒素も9.1と低い。







2018年1月7日 Reciprocal changeを見逃すな! 特にaVLのST低下に強くなるべし

Step Beyond Resident(林寛之著より)



前壁心筋梗塞の際は下壁誘導でST低下となる。

反対に下壁心筋梗塞ではaVLやT誘導でST低下が出やすい。



reciprocal changeがあったら心筋梗塞!

下壁梗塞ではaVLのST低下が先にでることがある。

aVLのST低下→下壁心筋梗塞

aVLの陰性T波→左冠動脈中間部の狭窄を示唆









2018年1月7日 胸骨圧迫のポイント(ガイドライン2015)

Step Beyond Resident(林寛之著より)



訓練を受けていない市民救助者は胸骨圧迫のみでよい(hands-only CRP)

テンポは100-120回/分(100回以上ではなく、上限を設定)

深さは5-6cm(素人には5cmと指導、医療従事者には5cm以上6cmを超えないと指導)

胸骨圧迫時に患者にもたれかからない(圧迫を充分解除することを明示)

胸骨圧迫時間を全体の60%以上にする







2018年1月7日 インフルエンザの検査



高感度インフルエンザ迅速診断検査を使用しています。



昨日は、15分の検査時間で、15分ジャストでA型陽性と判定がでました。(発症後48時間くらい)

(10分過ぎから増感の処理がはじまる)

この方は、普通の検査では陰性だったのか?

実験が必要ですね。



インフルエンザの診療について、患者さんは客観的な検査結果を知りたいようです。

(職場を正当な理由で休めるから?。)

検査精度が上がることはよいことだと思います。



一方で、治療については、日本ほど抗ウイルス薬を使う国はないようです。

抗インフルエンザ薬はどのくらい有効なのか?(確かに解熱までの時間は早くなるけれど)

全員にこんなコストがかかる診療をするべきなのか?







2018年1月6日 Diet docotorより 糖質制限によるにきびの改善





https://www.dietdoctor.com/combination-lchf-paleo-healed-skin



I embarked on this journey in March 2015 and my skin was completely healed only by December 2015/January 2016.







2018年1月6日 幅の広いめちゃくちゃなリズムのQRSを見たら



Step Beyond Resident (林寛之著)より



脈拍数が300/分近く早いかどうかを探せ!!!

  そんなに速けりゃ、トイレの法則を無視したケント君が暴れている。

  つまりWPW症候群+心房細動!!ABCDの薬剤に注意すべし!!



 WPW+心房細動で使ってはいけないABCD

A  アデノシン  アミオダロン

B ベータブロッカー

C カルシウム拮抗薬 ワソラン、ヘルベッサーなど

D ジゴキシン







2018年1月6日 減量が血圧を下げる



奇蹟のマグネシウムより引用・・・案外ご存じないかたもおられます。



医薬が知られる前の遠い昔は、高血圧に対する筆頭の治療法は食餌であったに違いない。研究が示すところでは、食餌のマグネシウム量と高血圧を回避する身体能力の間には密接な関係が見られる。アルトゥラ医博夫妻が最初に立証されたのが、マグネシウム不足の食餌が実験動物に高血圧を発症させるということであった 。体重減に加えて、血圧制御に必要なビタミンとミネラルを含む補酵素が増量されれば、食餌でうまく血圧を下げることができるかもしれない。例えば、食事中のカリウムとマグネシウムといったミネラルが増えれば、血圧に影響するカルシウム調節ホルモンに対して抑制効果を示す。動脈圧はマグネシウム・イオンのレベルに応じて高まり、血清マグネシウムは低下するようだ。



 血圧に関する臨床教科書では、減量についてはごく簡単にしか触れられていないのが大半である。こうした文献の筆者が認めていることだが、ある人の体重を減らすことができたら、血圧も下がるのが普通である。これをテーマに行われた研究のいずれもが、この関連性について報告している。ところが、大多数の医師の言うところは次のようである。



 すなわち、患者の体重を減らすことに成功した例はほとんどないから、治療では真っ先に薬をだすことになる。こと減量については、医師は不利な立場におかれている。医学校で減量法のトレーニングを受けているわけでもないし、栄養相談や病気予防に対しては健康保険もきかない。保険がきくのは病名がつけられた場合に限られているからだ。







2018年1月6日 メマンチンについて



平川亘先生 論文(認知症治療研究会会誌より)

メマンチンには神経保護作用があるといわれているが、認知機能の改善を期待して単独で使用されることは少なく、多くの場合ChE阻害薬との併用で使用されている。筆者の経験では単独治療で効果が得られるのは2つのパターンであり、治療初期の5mgで元気になりやる気が出るケース、そして2年3年後に認知機能の悪化抑制を感じるケースである。



メマンチンは、アマンタジン(シンメトレル)の類似物質であり、弱いながらもドーパミン遊離促進作用がある。治療開始後の早期の効果はDOA作用なのかもしれない。また長期の効果は神経保護作用を予想させるが、筆者の経験では2年後評価で15%である。メマンチンは中等度から重度のATDに適応があるが、軽度のATDにも効果を認めることがあるので単独治療は軽度例に試みるのがよいかも知れない。



 最近は認知機能に対する効果を期待するよりも、易怒性や妄想、徘徊などの興奮性のBPSDに対してメマンチンが用いられることが多い。また前頭側頭型認知症の脱抑制症状、盗癖、過食、収集癖、常道行動などに非常に有効なことがあり試してみる価値はある。







2018年1月5日 糖質制限10大ニュース 2016年、2017年



江部康二先生のブログより引用。



◆2016年

1. 宗田哲男医師ら、世界初の胎盤などケトン体値の英文論文発表。

2. 世界初、子供の糖質制限の本「糖質制限が子供を救う」刊行。

3. 深作秀春医師、一般向けの眼科の本を2冊「やってはいけない目の治療」角川書店、「視力を失わない生き方」光文社 刊行。

4. 門脇孝日本糖尿病学会理事長、糖質制限食実践。

5. NHKクローズアップ現代、糖質制限関連産業が3,184億円。

6. 「○○ダイエット」の歴史をGoogleトレンドで振り返る。「糖質制限」「体幹」ダイエットだけが、確実に長期にわたり検索されています。

7. 桐山秀樹さんご逝去。

8. 日本食品標準成分表2015年版(七訂)。追補2016年。公表。

9. 夏井睦医師主催の「豚皮揚げを食べる会」が元気。

10.「糖質セイゲニストin北九州」月例会50回達成記念講演会開催。



◆2017年

1. 炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇。ランセット(Lancet)論文。Lancet誌オンライン版2017年8月29日号掲載

2. 炭水化物摂取比率が減少→糖尿病増加が縮小→糖尿病予備軍は減少。2017年09月21日 (金)厚生労働省発表。

3. 渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談。於東京大学 2017年02月07日 (火)

4.SGLT2阻害剤で死亡率減少、ケトン体の臓器保護作用。2017年3月21日、アストラゼネカ社発表。

5. 外食産業も、食品メーカーも、糖質制限食に勢い 。すき家、ガスト、くら寿司などが糖質制限食に参入。

6. 日本老年医学会と日本糖尿病学会は65歳以上の糖尿病患者に限定した診療指針を作成。「重度の腎機能障害がなければ、十分なたんぱく質をとることが望ましい。」2017年5月17日、朝日新聞。

7.糖尿病患者透析有病率も新規発症率も日本では増加。1990-2012年の糖尿病腎症からの透析新規発症率は0.09%→0.18%に。

8. 重症低血糖で搬送、年2万件。薬の誤使用原因か。2017年08月15日 (火) 読売新聞。日本糖尿病学会。

9. コーヒーと死亡リスクの逆相関、ヨーロッパでも確認。2017年8月。アナルズ・オブ・インターナル・メディスンに掲載された論文によれば、コーヒーを飲むことにメリットがあるようです。

10. 日野原重明先生が逝去されました。2017年07月18日 (火)。105歳でした。生活習慣病の名付け親でもあり、医師の鑑のような方でした。心からご冥福をお祈り致します。







2018年1月5日 胸痛のない心筋梗塞を見逃すな!!



Step Beyond Resident(林寛之著)改訂版より

 特に女性の心筋梗塞は「頻度が少ない」という先入観から見逃されることが多い。なんと女性の心筋梗塞の43%は胸痛がないのだ。

放散痛も結構決め手になるが、両腕・肩や右腕への放散痛の方がむしろ関係が深い。左腕への放散痛はトホホなのだ。



ドクター林のNERD

N 嘔気・嘔吐
A 労さ時胸痛
R 放散痛
D 冷や汗







2018年1月5日 逆流性食道炎の改善



60歳代女性。

内視鏡検査で、食道裂孔ヘルニアを診断されている。

プロトンポンプインヒビターが有効。

寝る前の胸焼けが特徴だったので、夕食時の糖質を減らしたところ、胸焼けが改善。

プロトンポンプインヒビターがなくても、症状のコントロールができている。







2018年1月5日 マグネシウムと筋肉痛について知っておくべき3項目




奇蹟のマグネシウムより引用

(1)マグネシウムは筋肉を弛緩させる。

(2)マグネシウムは痙攣をなくす。

(3)マグネシウムは指の血管を弛緩させ、レイノー症候群を治癒させる。



幸いなことに、サリーの医師は筋肉けいれんとレイノー症候群にはマグネシウムが最も有効な治療法であることを承知していた。

マグネシウムが循環を良くし、痙攣を止め、ストレス反応を最小限にとどめてくれることを知っていたのである。





 レイノー症候群のためのサプリメント

 クエン酸マグネシウム 500ミリグラム 1日
 ビタミンE 1日に800IU
 月見草油 1日 6カプセル
 ビタミンB3 100ミリグラムを1日3回
 グルセチン 500ミリグラム







2018年1月4日にきびに糖質制限は有効か?

ダイエットドクターにたくさん写真があります。

一ヶ月実験をしてみましょう。

https://www.dietdoctor.com/low-carb/benefits/acne







2018年1月4日 Step Beyond Resident (林寛之著)より引用

ポストレジデントへの言葉



The best fish swim near the bottom.



・・・最高のものほど、なかなか簡単には手に入らないもの。何事も苦労することなく手に入れられるものなどない。 近道を探すより、たくさん勉強しよう。光明がみえてくる・・・はず。まだまだ賢くなれる。



A rose by any other name would smell as sweet.



 ・・・バラはなんと呼ばれていようと甘く香る。何事も、肩書きや名声ではなくその中身で評価すべき。医者の最も大切な評価は、医者の肩書きではない。患者の信頼を得る医者が一番いい医者。次に看護師に信頼される医者。最後に医者に評価されればいい。名医より良医を目指そう。







2018年1月4日 アリセプトと頻尿

認知症治療研究会会誌1 4巻 平川亘先生論文より



・・・・・これ以外の副作用としては頻尿や尿失禁の増加がある。ドネペジルを内服している患者が頻尿で困っている場合、減量すれば改善する。 

コリン作動薬の副作用である頻尿に抗コリン薬が処方されることがあるが、真逆の治療であり、まずはドネペジルの減量を試みるべきである。







2018年1月4日 もしも100mSvの放射線を浴びたら(腹部CTの10倍)

Step Beyond Resident 7(林寛之著)より



57人は癌発生なし。 42人はほかの原因で癌になる。1人が放射線の影響で癌になる。



・CT(低線量被曝)での癌発生に関しては議論の余地あり

・CTで10mSv浴びると、1000人に1人癌死亡を増やす

・患者にきちんとリスクをわかりやすく説明する手間を惜しまない

・検査の放射線被曝による癌のリスクはゼロにはならない。As low as reasonably achievableを遵守しよう。







2018年1月4日 朝鮮半島有事は世界の覇権競争の最終局面だ



ヘンリー・ストークス 欧米の侵略を日本だけが撃破した より



そもそも15世紀以降の世界では白人列強による植民地の争奪戦が続いていた。それはロシアと英米仏蘭といった欧米列強(白人帝国)の戦いだった。さらに大東亜戦争以降は、国際共産主義の膨張と西側の資本主義経済を軸とする、これまた白人列強どうしの世界の覇権争いがあった。シナはどこに位置づけられるのかというと、なかなか難しいが便宜的に後者のコミンテルンに含んでおこう。毛沢東もソ連の国際共産主義の影響下にあったからだ。



 そして現在の北朝鮮の危機的状況は、そうした白人列強による勢力争いの結果であり、世界の覇権国家の最終局面にあるといっていいのである。その中で日本の立ち位置はどうだったのか。一言でいえば、日本は、そうした列強やコミンテルンと対峙していた。コミンテルンの脅威と列強の植民地支配の脅威の両方から、自国民をなんとか守ろうとしていた といえよう。







2018年1月3日 イギリスの総合診療医の本



医師の思考過程を細かく説明している。

一般内科開業医には、うなづくところが多い。(筆者は、私より数倍優秀優秀なドクターでしょう。)



しかし、つくづく思うことは・・・・。

私の方がはるかに幸せな医師であること。

 なぜか?

 当然、湿潤療法、栄養療法があるからです。  







2018年1月3日 Smoooth seas do not make good sailors



穏やかな海で腕のいい船員は育ったことがない



林寛之著 Step Beyond Resident 7 より

損得でものを考えていてはいい臨床家になれない。楽をして腕のいい医者になろうとしてはいけない。完璧な環境でしか勉強できないと考えてはいけない。もし自分に苦手があり、また嫌だと思うことがあったら、ぜひチャレンジしてほしい。苦労して得たものは一生ものになる。

 受身で研修を考えるか、一生勉強と考えて、今、その場で何ができるかを問い続けるかで、医者の価値が決まるだろう。その時に振り絞った地頭力こそ、あなたの人生をささえていくだろう。そのためにはいろんな環境で働いてみて欲しい。その場その場で求められるものが違い、常に正論が正しいと限らないことがわかるだろう。有名病院でだけ研修した人ほど役に立たないという声もちらほら聞こえてくるんだよ。

 Think globally, act locally in many situations.







2018年1月3日アリセプトの副作用について



認知症治療研究会誌 平川 亘先生の論文より・・・先日、アリセプト内服中で、原因不明に立ち上がれなくなられた方が受診されました。



 運動系の副作用も語られているよりもかなり多い。ChE阻害薬で知られた副作用はDOA減少によるパーキンソニズムだが、実際には脚力が低下するなど歩行に関する副作用を非常に多く目にする。

80才以上のATDやDLBの場合、ほぼ全例で脚力が低下する。 これらの副作用は治療後1ヶ月で認められることもあるが、半年あるいは一年を経過した後に遅発性に出現することが多い。

高齢者の歩行障害はフレイルやサルコペニアと理解され、副作用として気づかれない。

ドネペジルによる歩行障害は60代では少ないが、70歳代前半でも10%程度で経験され、治療開始から1年を過ぎてじょじょに脚力が低下することもある。脚力の低下は転倒につながる。







2018年1月3日 アルファリポ酸点滴療法について

認知症治療研究会誌

点滴療法研究会 柳澤 厚生先生の論文より

アルファリポ酸点滴療法

 アルファリポ酸は多くの細胞の補酵素として働く有機化合物である。欧州ではドイツを中心に糖尿病性神経障害に対する治療として点滴療法が一般的である。

 アルファリポ酸には、インシュリン感受性の亢進、酸化ストレスの改善、血管内皮機能の改善、エネルギー代謝の改善などの作用がある。米国、ロシア、ドイツの共同試験のシドニートライアルが有名で、アルファリポ酸600mgの点滴14回で糖尿病性神経障害の自他覚的兆候の改善が明らかにされた。日本ではこの治療はほとんど知られていない。







2018年1月3日 ビタミンCと敗血病 


昨年、感染症のスペシャリスト岩田健太郎医師も記事にしていました。

文の終わりにあるように、1、安価 2、無害 3、有効 である場合、やらない理由が無いと思います。

昨年は、喘息に効果があった方もおられました。



http://www.iv-therapy.jp/omns/news/58.htmlより引用

ICUでの高濃度ビタミンC点滴

バージニア州ノーフォークにあるイースタン・バージニア・メディカル・スクール(東バージニア医科大学)のDr. Paul Marikが、進行性敗血症や敗血症性ショックと診断されて集中治療室(ICU)に置かれた担当患者に、あるプロトコル(治験実施計画書)を用いていることが、最近、主流メディアにて、テレビでも紙上でも報じられた。敗血症は、全身性の感染症であり、その感染自体と、低血圧に続発する血流低下の両方によって急速に進展し、低血圧(性ショック)と多臓器不全の状態に至るものである。

現在、敗血症は、入院患者の死亡原因として最もよく見られ、その患者の死亡率は通常30〜50%で、毎年世界中で何百万もの命が奪われている。

ビタミンCと感染症に関する多くの論文の内容をすでに知っていたDr. Marikは、2016年1月、担当のICUで敗血症による危篤状態にあった48歳の女性に対し、少量のヒドロコルチゾンとチアミンを投与すると共に、高濃度ビタミンC点滴(IVC)を試してみることにした。本人の弁によると、「翌朝出勤した時には彼女が亡くなっているだろうと予想していた」。こう断言した上で、「だが翌朝ICUに入ったとき、ものすごい衝撃を受けた」と加えた。その患者は、驚くほど良くなっており、その後、順調に全快に至ったのである。

Dr. Marikは節操のある医師で、自分とスタッフがはっきり目にしたことを否定しようとはせず、その後7カ月にわたり、さらに47人の敗血症患者に対して立て続けに、ビタミンC / ヒドロコルチゾン / チアミンを用いた自己のプロトコルを実行した。その前の7カ月間に、この新しいプロトコルを用いず治療した敗血症患者を対照群とし、このプロトコルを施した患者群で得られた結果を遡及的な方法で比較することにより、単純に生存転帰を調べたのである。

30%あった死亡率が1%に低下

Dr. Marikが示した結果は、控えめに言っても、驚くべきものであった。このプロトコルを用いて治療した47人の患者(=治療患者群)のうち、生き延びなかったのは4人(8.5%)だけであった。一方、対照群では47人中19人(40.4%)が死亡していた。治療患者群では、誰も臓器不全を発症せず、全員がプロトコル開始後およそ24時間以内に昇圧剤(血圧上昇を助ける薬)を断つことができた。

また、Dr. Marikは、治療患者群で死亡した4人は全員、敗血症関連のショックではなく、各自の基礎疾患によって死亡したとも述べている。この研究以降、彼は、重症敗血症患者と敗血症性ショック患者の治療数を150まで増やしたが、そのうち、敗血症そのもので死亡した患者は1人だけであった。敗血症の標準的な治療プロトコルを用いた場合の死亡率が30〜50%であったのに対し、こうした小規模な治療患者群で高濃度ビタミンC点滴 / ヒドロコルチゾン / チアミンによる療法を用いて敗血症関連の死亡率が1%未満になったというのは、奇跡以外の何物でもない。



こうした驚異的な結果をもたらし得る新薬がもし開発されたら、それは特効薬と呼ばれるだろう。 情報はもう広まっている

法医学的に言えば、もう取り返しがつかない。Dr. Marikによるプロトコルの情報が、とくにテレビやインターネット動画で公に広まった以上、医師たちはもはや、どんな患者にも、こうした療法には効果がないとは言えず、ましてや、そんなものは聞いたことがないとは言えない。

医師は、特定の疾患に対する最新の治療勧告について、相当の注意を払って勉強する義務がある。とくにこれは、その治療が 1. 安価である 2. 無毒である 3. 有効である場合に当てはまる。

治療が非常に高額であったり、有意な毒性があったり、その効果が疑わしい場合は、正当な法医学的議論をすることによって、そのような治療を保留することもできる。しかし、ビタミンCとヒドロコルチゾンとチアミンを併用したDr. Marikのプロトコルには、こうした斟酌は一切当てはまらない。









2018年1月3日 新年おめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。




トップへ戻る