映画Fed Up


2014年10月24日




今春、アメリカでかかっていた映画のブルーレイを買って見ました。


(若年からの)肥満および糖尿病の急激な増加に悩む国のドキュメンタリー映画です。


 何人か、肥満と格闘する子供達がでてきます。運動したり、健康によいという食品を食べたり、胃縮小術を受けたり・・・。

やせれない子供の母親の一人は、健康によい食品の例として、シリアル、ホールグレインのパスタ、低脂肪のビスケットを挙げていました。



 かの国では、肥満の人は、意志が弱く、怠け者で、運動をしていないと見なされている様で、かわいそうでした。



 砂糖の中毒性について、かなり詳しく説明しており、すばらしいと思いました。

 また、一見甘くないけれどもパンや米などの精製炭水化物も同じであることを説明していました。



1977年のマクガバン報告で米国の食事目標が設定され、ローファット・ハイカーボ食品が盛んになった経過も説明されています。

マクガバン報告の食事目標

1. 炭水化物の比率を(全カロリーの)55-60%に増やす。
2. 現在40%の脂質を30%に減らす
3. 飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。
4. コレステロールを1日300mgに減らす。
5. 砂糖を15%に減らす。
6. 塩分を3gに減らす。



 私は、上記の栄養学の誤りが最も責任が大きいと思います。

 砂糖のことをメインに批判していましたが、砂糖をいくら控えても、パスタや芋やバナナやパンを食べてればやせないでしょう。

江部式糖質制限あるいはアトキンスダイエットがより有効です。この点は踏み込み方が不十分に感じました。

結局、映画に出てくる子供達の多くは体重コントロールに失敗しています。



@運動でやせない訳

 クッキー1個のエネルギーを消費するのに20分ジョギングが必要。

 中サイズのフライドポテトでは1時間12分のスイミング。



A砂糖はコカインよりも中毒性が強い。砂糖は中毒物質である。(ちなみに他の炭水化物も同じです。)



Bつっこみどころ。

やせたい子供の太った父親がサツマイモを健康食品として食べている。

胃の縮小手術を受けた15歳の子。術後に、バナナをミキサーに入れて野菜ジュースにして飲んでいる。

双方とも、話の流れとしては健康的な食事をしているくだり。サツマイモやバナナをたべてちゃだめでしょう。

野菜と果物が健康的な食事という前提になっている。 果物は太るもとでしょう。



この監督は、「砂糖がよくない」「食品産業が金儲けのために働いている」ことはわかっているが、ではどのような食事が適切なのか、もうひとつわかっていないようです。

必要なのは正しい栄養学の知識でしょう。



 文句も書きましたが、栄養をテーマにした映画をつくるところがすばらしいですね。




2014年6月13日の当ブログ記事より

FED UP - Official Trailer


Fed Upというタイトルの映画が米国で放映されているそうです。

アメリカ人の肥満について

@運動で肥満は解消しない

A炭水化物が肥満の原因である

Bカロリーは関係ない

C食品業界の(悪い)政治的な動き



などなどが描かれているようです。

食品業界が悪者にされているところがアメリカ映画らしいですね。

自分の口に入るものですから、正しい知識を身に付けて、自分で責任を持つべき話のような気もしますが。

いずれにしても、日本でも公開してほしいですね。



町山智浩が映画「フェド・アップ」(Fed Up)の社会的背景




トップへ戻る