2015年4月16日 糖尿病専門の先生の講演を聴いてきました。糖尿病患者の脂質異常症管理

大変興味深い講演でした。



@ヘモグロビンA1c7%以下を目標にしているが、実際はなかなか困難である。達成できている人はそう多くはない。まして6%以下は難しい。下げようとすると、低血糖が問題になる。

Aダオニール、オイグルコンよりは、グリミクロンやアマリールの方が死亡率が低い。{SU剤の薬剤チョイスについて}

B生活改善の臨床試験{Look AHEAD試験}では、体重は減ったが、一次エンドポイント{虚血性心疾患など}で有効性をみとめず。{5000人程度、10年間、カロリー制限食ベース}

 ちなみに、JDCSという日本の研究では有意差を認めた。



 体重減に成功しても心血管リスクは変わらず Look AHEAD試験

  JDCSにみる糖尿病の合併症



C 低血糖を起こす人は、約2倍ほど心筋梗塞が増える。

D糖尿病患者の血圧管理 米国140/80-90 日本では脳卒中が多いので130/80

E2014アメリカADAの指針・・・糖尿病患者全員にスタチンを投与する。

日本では{一次予防}として、LDLを120未満、HDLは40以上、 中性脂肪は150未満

二次予防では100未満

スタチン以外の薬物の併用は推奨しない。{ゼチーアのこと}

F糖尿病の心筋梗塞の危険因子として中性脂肪があげられる。

糖尿病の脳卒中の危険因子としては血圧

G米国のスタチンの使用量は一般的に日本よりはるかに多い。

クレストール10-20 日本 2.5  リピトール 20-40  日本 10

Jスタチンで血糖を上げるという話があるが、心筋梗塞の予防のメリットの方が大きい。

K中性脂肪が400以上だと、LDLは計算できない。






@について 糖質制限中はほとんどの人が、ヘモグロビンA1cが7%以下になる。

Bについて カロリー制限食は、効果がないか、あってもわずか。

Cについて 血糖の乱高下がある人が、心筋梗塞になりやすいのでは?{平均血糖変動幅の増大}

Eについて 江部先生のコメント引用



米国糖尿病学会が診療ガイドラインを改訂

2014年12月30日 (火)

 【全ての糖尿病患者にスタチンを推奨,降圧目標値は緩和 米国糖尿病学会が診療ガイドラインを改訂

米国糖尿病学会(ADA)は2014年12月23日,糖尿病の診療に関するガイドライン(GL)2015年度版“Standards of Medical Care in Diabetes-2015”をDiabetes Care(2015; 38: S 1-S94)で公表した。

改訂に伴い糖尿病患者の降圧目標値が緩和された他,全ての糖尿病患者に中強度〜高強度のスタチン療法が推奨され,脂質管理に関しては2013年に発表された米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)による合同GLと足並みをそろえた内容に変更された。】 MT Pro 2014年12月25日記事 から抜粋



こんにちは。 米国糖尿病学会が診療ガイドラインを改訂し、発表しました。 全ての糖尿病患者にスタチンが推奨されています。

しかしこのガイドラインは普通に糖質を食べている糖尿病患者を対象としたものです。

なぜなら、スーパー糖質制限食を実践している糖尿病患者群(スタチン無投与)とスタチン投与糖尿病患者群を比較したRCT研究論文はなく、エビデンスがないからです。

そもそもスーパー糖質制限食で血糖コントロール良好の糖尿病患者では、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」といった酸化ストレスリスクがないし、脂質データも「HDL-C増加」「TG改善」「LDL-C基準値」となるので、スタチン含めて薬は不必要なのです。




Fについて  糖質制限で改善できる。

その他・・・スタチンについてアメリカは積極的なのか、消極的なのかよくわかりません。



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