2014年6月17日

最新号のタイム誌で「Eat Butter」のタイトルで糖質制限および飽和脂肪酸無害説の特集がなされるようです。

Ending the war on butter: Are fatty foods really OK to eat?



栄養学のパラダイムシフトを感じます。

@LDLコレステロールには2種類ある。

A本当の悪玉(small and dense LDL cholesterol)を増やすのは精製炭水化物

B本当は問題ない(large and fluffy part of LDL cholesterol)を増やすのが飽和脂肪酸


ちなみに、本当の悪玉かどうかは中性脂肪の値に反比例するので、特別な検査をしなくてもわかります。



2014年6月23日




タイム誌に「この40年あまりの食事指導は誤りであった」という特集記事です。



題して「Eat Butter」 (バターを食べなさい)。



Scientists labeled fat the enemy. Why they were wrong. BY BRYAN WALSH

Don't Blame Fat

For decades, it has been the most vilified nutrient in the American diet. But new science reveals fat isn't what's hurting our health

(数十年にわたりアメリカ人の食事で最も批判されてきた脂肪が、新しい科学により健康を害するものでないことがわかった。)



心臓突然死を始めとする虚血性心疾患がその当時(現在も)アメリカ人の死因の第一位であった。

この病気をなんとかして防ぎたいという考えがベースにあった。

こうして1977年マクガバン報告で米国の食事目標が設定された。



1. 炭水化物の比率を(全カロリーの)55-60%に増やす。
2. 現在40%の脂質を30%に減らす
3. 飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。
4. コレステロールを1日300mgに減らす。
5. 砂糖を15%に減らす。
6. 塩分を3gに減らす。


その後もUSDAなど公共機関の栄養指針が示され、心臓病死を防ぐ目的で、上記の「健康的な食生活」が推奨された。

食料品店の棚にはローファットの商品が並ぶようになった。

アメリカは壮大な人体実験を開始したのだ。




40年あまりが経ち、この実験が失敗であったことが証明された。

2型糖尿病の有病率は1982年から2012年の間に166%増加した。(成人のおよそ10人に1人が糖尿病)

国民の3分の1以上が肥満の状態となった。




現在ではローファットが健康的であるという考えは深く人々の考えに根付いている。

New research suggests that it's the overconsumption of carbohydrates, sugar and sweetners that is chiefly responsible for the epidemics of obesity and Type2 diabetes.

しかし、(新しい臨床研究では、炭水化物過剰が肥満と2型糖尿病の原因と考えられている)

アメリカ人の食事は、脂肪に注目し過ぎることで、間違った方向に進んでしまった。



1970年と比較して減った食物

@牛乳(ホールミルク) 78%減
A精製砂糖 35%減
B牛肉 29%減
C卵 21%減
Dバター 8%減
E野菜 3%減


その代わりに増えたもの

@コーンシロップ 8853%増
Aコーン製品 198%増
Bスキムミルク(ローファットミルク)129%増
Cチキン 112%増(牛肉より脂肪が少ないので)
Dターキー 102%増
E添加される油脂 67%増




脂肪についての真実


飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させるので良くないと考えられてきた。



現在、悪玉コレステロールは2種類あると考えられるようになった。


@本当の悪玉(small and dense LDL cholesterol)を増やすのは精製炭水化物

A問題ない(large and fluffy part of LDL cholesterol)を増やすのが飽和脂肪酸




The Unintended Diet(意図せざる栄養分)

脂肪を制限することで、結果的に糖質の摂取量が増加した。

1個のベーグルパンを食べるのは、スキットル(甘い菓子)を食べるのと本質的に同じである。

糖質はインスリンを分泌させ、体脂肪を合成させ体重を増やす。その後、飢餓感が増し、過食につながり、悪循環に陥っていく。


All calries, it turns out, are not created equal.
(同じカロリーであっても同じ結果を生じない)


デュークライフスタイルクリニックのWestmanらは、糖質を脂質に置き換える治療法(ultra-low-carb diet)が糖尿病に有効であることを報告している。




 ・・・すべての専門家が賛成しているわけではないが。



 ざっと、こんな感じでした。