2013年4月2日



ヒトはおかしな肉食動物

肉食動物というと、ライオンやトラなどの強い動物を連想しますが、肉食動物にも様々なあり方があるようです。

筆者はヒトをイヌと同様に、集団で狩りを試みる(かわいい顔をしている)「知性派の」肉食動物と考えています。(第四章 ヒトはなぜ群れるのか)



ライオンやトラなどネコ科の動物のように、狩りに役立つ身体機能を発達させて、自力で狩りを試みる「武闘派」と、イヌのように身体機能の発達をあえて求めず、生殖機能を微妙に改変する(つまり黄体相を長く設定する)ことにより、集団で狩りをするように進化した「知性派」の、二つのタイプがあるように思えます。



第六章 ヒトは何年哺乳すればいい?

私が興味深かった点として、筆者は従来のヒトの出産間隔を3-4年、生涯に産む子供の数を2-3人であろうと推定していることです。

祖父母世代は6人、7人兄弟が当たり前だったことを知っていますので、昔はもっと多産であったのだろうと漠然と思っていましたが、多産になったのは農耕社会になって以降との説をとっています。

したがって、授乳期間も3-4年あっただろうと考えています。

それならば、現在のように1年で卒乳する必要が本当にあるのか?ということになってきます。

また、えてして年の間隔の短い同性の兄弟姉妹が、ライバルのようになってしまうのも仕方がないことかもしれません。



仮にヒトの生物学的分娩間隔が4年であるとすれば、4年程度の間隔で生まれてきた兄弟・姉妹においては、自然に好ましい親子・子供同士の関係が作られていくのでしょう。しかし、それ以下の短い間隔で生まれてきた兄弟・姉妹に対しては、格別の、あるいは意図的な配慮が必要になることが予想されます。


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