2014年4月4日
先日、西洋人はあまりに肉食すぎて、EPA(エイコサペンタエン酸)/AA(アラキドン酸)比が低すぎることが問題であると指摘いただきました。

若干分かりにくいので解説してみます。



@AA(アラキドン酸)・・・オメガ6に多く含まれる。ベニバナ脂、コーン脂、サラダ脂などのリノール酸。

また、飼料で植物由来のリノール酸を摂取 する豚や牛の肉には、その代謝物のアラキドン酸が多く含まれる。

A現代人はアラキドン酸過多の傾向。これがアレルギー疾患、心血管疾患の原因という説がある。(高炎症体質)

BEPA(エイコサペンタエン酸)はサバやイワシなどの青魚、シソ油に多い・・・・オメガ3

CEPAとAAは互いに拮抗する働きをするので、EPA/AAの比が重要となる。(バランスが大切)

DEPA/AAが低いと心臓病死および総死亡が増加するというデータがある。

EEPA/AA比は、欧米人で0.1〜0.2、日本人では0.5〜0.6、イヌイットでは7.0〜8.0と される

Fイヌイットが食べる魚やアザラシはEPAが豊富である。

G欧米人の魚の摂取量は日本人の3分の1以下



蛋白質、脂質の摂取については「質」の検討を。



参考資料

日経メディカル2011年1月号「今月のキーワード」EPA/AA比心血管イベントの新たなリスク指標に

  EPA/AA比は、血中のエイコサペンタエン酸(EPA)とアラキドン酸(AA)の比率を 表す値。「長い間、脂肪酸と動脈硬化性疾患との関連についてはあまり注目されて こなかったが、EPA/AA比は心血管イベントを予測する新しいリスク指標として期待されて いる」と岡山大循環器内科教授の伊藤浩氏は話す。

 EPAは、炭素鎖の一方の末端のメチル基(ω端)から数えて3番目の炭素に最初の 二重結合があることからω(オメガ)3、またはn-3系不飽和脂肪酸と呼ばれる。 n-3系不飽和脂肪酸の代表は、植物性プランクトンなどに含まれるαリノレン酸。 食物連鎖によりサバなどの青身魚には、その代謝物のEPAやドコサヘキサエン酸(DHA) が多く存在する。  一方、アラキドン酸はω端から6番目の炭素に最初の二重結合がある、ω6(n-6系) 不飽和脂肪酸。植物油のリノール酸がその代表で、飼料で植物由来のリノール酸を摂取 する豚や牛の肉には、その代謝物のアラキドン酸が多く含まれる。  これらの不飽和脂肪酸は細胞膜の構成成分で、様々な生理活性物質になる。人は体内で これらを生合成することができないため、どちらも食物などから摂取しなければならない。 ただし、その摂取比率(EPA/AA比)も重要なことが、疫学調査などから指摘されるように なった。

 肉や植物油を多く摂取し、アラキドン酸の摂取比率の高い白人は、魚やアザラシを主食 とし、EPAの摂取比率の高いイヌイットに比べ、心臓病死亡率の高いことが疫学調査で 分かっている(Dyerberg J et al. Lancet 1978;2:117-9.)。  EPAを多く摂取すると、なぜ心血管イベントの発生が抑制されるのか。伊藤氏によると、 n-6系不飽和脂肪酸を多く摂取し細胞膜にアラキドン酸が多くなると、血小板凝集能が 強い生理活性物質や強力な炎症惹起性物質が産生されるという。ところがn-3系のEPAを 多く摂取するとアラキドン酸に拮抗し、これらの作用を減弱する生理活性物質が産生され るので、動脈硬化を抑制すると考えられている。

 脂質低下療法に関する97の介入試験のメタ解析によると、心臓病死および総死亡の両方 を有意に低下させたのは、スタチンとn-3系不飽和脂肪酸の2つだった(Studer et al. Arch Intern Med 2005;165:725-30.)。また、スタチン投与中の脂質異常症患者にEPA製剤を 追加投与したJELIS研究では、EPA投与群の主要冠動脈イベントの発生率が、対照群に 比べて有意に低かった(ハザード比:0.81)。EPA/AA比は、EPA群1.3、対照群0.6だった。

 EPA/AA比は、欧米人で0.1〜0.2、日本人では0.5〜0.6、イヌイットでは7.0〜8.0と されるが、EPAの投与を開始する値などはまだ確立していない。しかし伊藤氏は、 「EPA/AA比は血液検査で測定が可能。日本人の脂質異常症患者で、欧米人並みの低値で あれば、EPAの投与も考えられるだろう」と話している。