2013年11月05日 


本当は怖い「糖質制限」岡本卓著


  糖質制限を推奨している責任上、購買して読んでみました。


(アマゾンの他の方の書評も参考にしてみてください。星1つにすごい数の投票です。)


「はじめ」の中で、糖質制限否定の根拠として、2012年スウェーデンのBMJの論文と、2013年国立国際医療研究センターの能登洋先生の論文を引いています。この時点でこの本に科学的根拠がないことが明白です。

この2本の論文はネット上で議論が出つくしています。前者はスウェーデン女性の平均摂取カロリーが1561キロカロリーとしていたり、15年も継続しているのに、途中で食事の内容を一度もチェックしていなかったりとあまりにも適当な論文です。

後者には糖質制限をしたグループのデータが出てきません(問題のすり替えに見えます)。  



その他、リバウンドや体重減少効果については、糖質をとればリバウンドして当たり前です。栄養失調についてもばかばかしい議論です。そんなことを勧めている医師は少なくとも日本にはいません。




 またアコード試験の結果を示して、HbA 1cを7.5%以下にする糖質制限は危険であると述べています。

(平均血糖変動幅の増大が糖尿病死亡率の増加というアコード試験の結果をもたらしたと考えるのが常識ではないか。すなわち理論的には糖質制限による血糖コントロールは死亡率を増加させない。)  




糖質制限の長期的安全性はふ明なのは事実です。しかし、カロリー制限の理論的危険度が高いことと、さえない臨床効果は明らかです。



 さらに否定の根拠として挙げられているのが2010年ハーバード大学ファング博士らのコホート研究で動物性タンパクの摂取量が多いグループの死亡率上昇です。これも糖質制限のグループがでてこない論文です。

(そもそも、本の最初に長期的安全性がふ明といいながら、糖質制限の危険性が証明された論文があるかのような記述はいかがなものでしょうか)


糖質制限でうつになるという見出しもありました。(現場でおきていることと逆と思いますが)


 


糖質制限で、認知症になる(久山町研究をひいていますが、その久山町研究でまさに米の摂取量と認知症の発症率の関連がいわれている)  


江部康二著「糖質制限パーフェクトガイド《に筆者のひいた論文の対論がありますので、参考になります。