2013年5月22日 実地医家のための臨床栄養UPDATE(日本医師会雑誌):トランス脂肪酸について
日本ではトランス脂肪酸の規制がありませんが、知らず知らずのうちに摂取しています。
世間一般で(テレビなどのマスコミも含め)あまり問題視されていないのは、おやつメーカーなどに気を使ってのことかもしれません。いずれにしろ、世界的にはできるだけ摂らないほうが良いものらしいです。
工業由来のトランス脂肪酸はマーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、椊物油脂およびそれらを用いた加工食品に含まれ、菓子類、パン類、油脂類の摂取寄与度が高い。
世界保健機構(WHO)および国際連合食糧農業機関(FAO)は2010年に、工業由来のトランス脂肪酸は冠動脈性心疾患の発症および関係因子のリスクを高めることが確証的であり、そのリスクは過去に考えられていたよりもはるかに大きかったと報告している。LDL-C値を上昇させる点で飽和脂肪酸と共通するが、トランス脂肪酸はHDL-C値も低下させる。2003年に一日当たりの平均摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告したが、このレベルを見直す必要性を指摘し、このことは人間の食品摂取源から工業由来のトランス脂肪酸を排除することに十分つながると結論付けている。