2013年4月9日
ヒューマン・ニュートリション第10版 逆流性食道炎について
逆流性食道炎と食事の関連は、糖質制限食に関連した最近のトピックのひとつです。ヒューマンニュートリションの記述を見てみました。
ヒューマンニュートリション
P596
胸焼けが最大の症状である胃食道逆流症(GERD)は主に食事以外の方法で治療される。
しかし、理想体重を維持すること、アルコールやコーヒー、チョコレート、脂肪分の多い食事、夜間の多量の食事を避けることは有用かもしれない。
なんだか自信のない記述ですね。以下は江部先生の記述です。
逆流性食道炎の症状を訴える患者さんのほとんどが、糖質制限食開始の瞬間から改善します。
当初、私自身が信じられなかったのですが、もう40人以上に試してみて、脂っこいものより炭水化物が胸やけを起こす真犯人と確信しました。
ここまでくると、逆流性食道炎は、精製炭水化物の過剰摂取が根本要因である可能性が極めて高いと思います。
400万年の人類の歴史のなかで、精製炭水化物を大量に常食し始めたここ200〜300年の特殊な病気の一つが逆流性食道炎です。
一番印象的だったのは、中学校の頃から、毎日昼食後1時間と夕食後1時間に、必ず胸やけがあった30代の男性患者さんです。糖尿人ではありません。
カレーライスの日は特に最悪で、夕食後1時間に加えて、夜中の1時にも胸やけがあって苦しんだそうです。
ブログでの成功経験があったので、
「騙されたと思って兎に角スーパー糖質制限食を試してごらん?」
と奨めてみました。
2週間後の外来診察で、糖質制限食開始当日から、20年来の胸やけが一切消失したという驚きの報告をしていただきました。ヾ(゜▽゜)
カレーライスというのは、<ご飯+カレールーの小麦粉>で二重の糖質なので、寿司飯と共に最も血糖値を上げやすい食材です。σ(=_=;)ヾ
食後1時間ですから、正常人でも、グルコースミニスパイクを生じた時に代謝の乱れがあり、何らかの機転で逆流性食道炎の症状を引き起こすのでしょうが、その機序はまだよくわかりません。
一方、「饅頭1個だと胸やけなしだけど、2個だと胸やけ必発」という人もあり、個人の糖質摂取許容量の限界を超えると、胃酸が出過ぎて胸やけを生じるような気もします。
糖質摂取許容量には個人差があります。
結論です。
逆流性食道炎の症状は、糖質制限食で改善する例がほとんどです。
言い換えれば、糖質の過剰摂取が逆流性食道炎の原因の可能性が高いです。何故、糖質摂取で胸やけが生じるかは、まだよくわかりません。
このトピックスについては、簡単に追試ができるので、遠からず結論がでるものと予測されます。