女性とタバコ
ファッションにしては犠牲が大きすぎる
減らない女性の喫煙率
一流デザイナーがデザインしたドレスを着こなし、長い足を組んで、服の色に合わせたマニキュアと指輪で飾った白い指に、細めの輸入たばこをはさんで紫煙をくゆらせながら、カクテルを飲んでいる女性の姿はなかなかいいものです。日本たばこ産業の統計では、日本人の喫煙率は年々減少しているのですが、女性の喫煙率は横這いです。すなわち男性の喫煙者がどんどん減っているのに、特に若い女性の喫煙者はわずかながら増えているそうです。
40〜50種の発がん物質
たばこの煙の中には約4000種程の化学物質が含まれています。いちばん有名なのはニコチンで、これは極めて毒性が高く致死量は50〜60mgです。たばこ1本には20mgのニコチンが含まれていますので、たばこを3本食べてしまえば確実に致死量となります。煙としては1本に2mg程度ですから、普通に喫煙する程度では致命的になることはありません。ニコチンは血圧を上昇させ心臓に負担をかけ、脂肪代謝に影響して動脈硬化を促進します。また、煙の中の一酸化炭素も動脈の内皮細胞を傷害して、やはり動脈硬化の促進因子となります。さらにたばこの煙の中には気管支の線毛細胞の働きを麻痺させてウイルスや細菌や有害物質を排出しにくくする物質があり、かぜの治りを悪くします。また、早産・死産・奇形児の発生を増やす物質も存在しますので子孫に対する深刻な影響も否定できません。さらに発がん性のある物質を40〜50種も含有しています。
受動喫煙は社会問題に
最近は、嫌煙権や受動喫煙の害についても社会問題として取り上げられており、列車や航空機、レストランや喫茶店などでは喫煙者と非喫煙者とを分離するところが増えてきました。
こうしてみると、女性がただ単にたばこをファッションとして吸うのは、あまりに害や犠牲が大き過ぎるように思います。たばこをやめるとカクテルの味はさらに一段と美味しくなります。今夜から試してみてください。