日付2006.9.1-2
山域四国剣山(つるぎさん)
山名剣山、次郎笈 (じろうぎゅう)
同行者なし
行程
第1日 剣橋-つづろお堂-夫婦池-見ノ越荘 4時間30分
第2日 見ノ越荘-剣山-次郎笈-見ノ越-夫婦池-つづろお堂-剣橋 6時間45分

第1日 9月1日(金) 曇り一時雨

前夜新宿発の高速バスに乗。7:20徳島着、所用を済ませJRで10:52貞光着。バスを待つ間に初老カップルのヒゲの男性から見ノ越までタクシー相乗りを誘われるが、剣橋から歩くつもりだったのとバスがすぐ来るので拝辞。この人、後に横浜の松本さんと判明。
11:30バス乗。途中老人ばかり乗降、運転手はお婆ちゃんが席に座るまで根気よく発車を待っている。
剣橋へ向かう川沿いの急な道には意外にどこまでも人家がない。朝方から雨が降り止みだったが川水は澄んでいる。いいぞ!
11:54剣橋下車。霧雨。傘は不要なくらいで歩き出す。電光板に「気温20.1℃」。葛の花の強い香りがついてくる。
12:15地図の桑平分岐か?標識なく、半信に登ってみるが見事敗退。どう見ても行止まりの人家の庭先に出てしまい、縁側にいた老人に道を訊くと驚いた様子で「ない。」と明言。こりゃだめだ。
12:30桑平分岐へ戻る。つづろお堂をめざす。
12:45つづろお(葛籠)堂(写真)。何のお堂だろうか。旅人を泊めたりもてなしたにしては壁がない。神楽殿にしては社(やしろ)がない。寺子屋にしては辺鄙なところ過ぎる?謎だ。
ここでカロリーメイトで昼食、13:00出発。

堂の裏すぐに登山口でここから山道。
登って行くとやがて雨。降ったりやんだりの中、片手にストック、もう片手に傘、デイパックにはザックカバー、下半身カッパズボンといういでたちで杉林中を登る。無人、静寂。
13:50思い出して熊鈴を付ける。四国に熊がいるか?
時々道に小さなカエルが飛び出す。カエルの多い所だ。
14:25植生がブナ林に変化。15:15陽差してくる。

15:30ラフォーレつるぎ山(休中)。晴れる、気分よし。が、再びガス。風冷たい。
夫婦池でキャンプの高知の学生が7,8人居る。
軽トラで巡回に来た老人に、桑平ルートが見つからなかったと話すと、 桑平が廃道になって標識をはずしたのは自分だ、という。
地元の高齢化もあるだろうし、登山道の整備が大変なのも分かる。
だけど以前の地図を持った登山者は廃道化の情報なしに来る。
廃道になったのなら「ここは廃道になりました」と標識を立てておいて欲しかった。
この人と別れた後、そう言えばよかったと思ったが、今では地元の大変さを思う気持の方が上回り、言わずに良かったと思う。


15:50発、まだ先がある。見ノ越までの道は完全舗装で足にはよくないが、見晴らしは絶景。
奥深い祖谷(いや)の谷が見渡せ、雲間からスポットライトが山腹に当たる。


16:30見ノ越荘着。立派な立体駐車場があるが、そこも宿もガラガラ。
宿守りは20代半ばの若奥さんが2才位の女の子を見ながら忙しそう。


2階の部屋(写真)に上がる。同宿は隣室の貞光駅でタクシーを誘ってきた夫婦だけ。
天井の蛍光灯はまるで誘蛾灯。旅情というべきか。
日没までの残照のなか、濡れものを干す。
やや熱めの一番風呂で二日分のアカを落とす。
18:00夕食。これも夫妻と同席。缶ビールと日本酒カップを注文。
アメゴ(=アマゴ)の塩焼きが冷えてしまっているが、シャケのように赤い身のアユのような魚は珍しい。祖谷ソバは太め。あとは山菜とコンニャクの酢味噌の質素さだが、贅沢な食事をしに来た訳ではない。
夫妻とは山の話で大いに盛り上がる。横浜からヒコーキで来ており、氏は百名山を95登った(奥さんは93)とか。ところが、使える交通手段はすべて使って山頂近くまで行く主義というので、笑いながら「邪道だ!」と言ったら大いに受けていた。お互い所詮遊びには違いない。明るく快活なご夫妻でとても気分よく食事を楽しむことができた。
部屋に上がり、高速バスの座席に比べれば天国のような寝床で気持よく寝入る。

第2日 9月2日(土) 晴れ

3:50起。頼んであったおにぎりで朝食。朝が早すぎてトイレが素直でない。夫妻は4:45出発。
腹の様子をみて5:10、暗い中ヘッドランプを点けて出発。登山口の階段を登る。
星がある。5:40日昇。晴天。気分よし!
いつも登山中、自然に脳裏にBGMが響く。その時々の気分を反映していて自分で面白い。疲れて来ると「ダースベイダーのテーマ」とか「ボルガの舟歌」になってしまう。
それが今朝は「アイーダ」。家内の着メロが時々鳴るので耳についている。


5:51次郎笈(じろうぎゅう)見ゆ。登りがキツそうだ。

5:53リフトの西島駅すぐ下から山頂方向。雲海荘が見える。

5:55西島駅(右)、ここからルートが分かれる。左手、剣神社への道をとる。
このルートは刀掛けルートに比べ10分長いが、山名の由来説のある岩が見られる。

この辺からお花が増える。ハクサンフウロか? 湧き水も豊富。楽しくなる。

6:15トリカブト多し。白い花は多量にあるがナンゴククガイソウか?


6:17大理石、と言っていいのだろう、きれいな白い石があちこちに。


6:25剣神社。神社の建物の実用的なこと。

神社の裏手に回る。
大剣岩と左の小剣岩(だったと思う)の間に次郎笈。

6:40剣山頂着。下から見えた雲海荘のほかに2軒の小屋があり、その間を登ると広い草原の頂上。
遠くに先行の夫妻が次郎笈へ向かって下りて行く所。シャッターを押してほしさに急いだが間に合わず。
居直ってアメで休憩。左は山頂と次郎笈。
右は来た方を振り返る。広い山頂は山名が不似合い。
山小屋は中央奥。右の建物は測候所跡。

予定6:20に対し20分の遅れ。四方の山が見えるが山名不明。
写真は北側。八面山か?。

6:51気を取り直して次郎笈へ向かう。
ここからは不思議と向こうの登りが楽そうに見える。


6:53まだ山頂直下。急いでいるがキレイなので撮ってしまった。
立派な株。ウスユキソウの仲間のようだが詳細不明。
次郎笈中腹でようやく夫妻に追いつく。歓談して一緒に登る。

7:35次郎笈。奥は剣山。
「50過ぎて気がついたら百名山を30超えていて…」と昨夜おっしゃっていたので、ここで自分も全く同じだと言ったら、ご丁寧に被りものを取られて「松本です。」と自己紹介され、こちらも慌てて名乗る。
山で名乗るのは珍しいので印象的。もう一度どこかでお会いしたいと思います。
夫妻は奥祖谷かずら橋へ出るとのことで、ここで袂を分かつ。
奥さんが手を振りながらの「さよならー」という声が耳に残る。写真を撮り忘れた!
夫妻と別れてからはバスの時間への遅れを取り戻すためひたすら急ぐ。
8:03トラバース分岐。この辺からBGMは「ミッキーマウスマーチ」。


8:22西島。8:45見ノ越で小憩。9:18夫婦池(写真左)。予定は9:20なのでどうやら取戻す。
小憩後再び昨日のつづろおコースへ。10:05林相がブナから杉へ。杉林の中は落とされた下枝で一杯。葉はじゅうたんのようで心地よいが、長い枝が足に邪魔。
10:10夫婦池まで5000歩(登る人用)の標識。この辺のBGMは「スーパーマン」。熊鈴のリズムがそうなっている。
11:05つづろお堂。足疲れ。もう時間は余裕なのでゼリーを飲み、靴を脱いで大憩。11:25発。

11:55剣橋(写真)。12:05バス乗。
貞光よりJRで14:15佐古(徳島市内)下車。
この後眉山に登り、下山して家内と合流。翌朝帰宅。

「山歩き」トップへ戻る


Copyright(C)2009-2011 始野いっぽ.多摩