日付2008.6.27-29
山域栃木県西部
山名  すかいさん
 皇海山(2143m)
  こうしんざん
 庚申山(1892m)
同行者な し
 行 程
第1日目 かじか荘-一の鳥居-猿田彦神社跡-庚申山荘               3時間
第2日目 庚申山荘-庚申山頂-展望台-薬師岳-鋸山-不動沢のコル-皇海山頂-
      -不動沢のコル-鋸山-六林班峠-庚申山荘-一の鳥居-かじか荘    15時間50分
第3日目 下山

6月27日(金) 曇

前夜遅くまで飲んでしまったため朝が辛かったが、4:30TVで「今日は貴重な梅雨の晴れ間となるでしょう。」の声で俄然行く気に。
5:54多摩C発。新宿-高崎経由、10:36桐生にて渡良瀬渓谷鉄道乗車。写真の通り1輌編成。悪いけど外の塗装はボロ、車内のカーテンも黒ずみシートにはツギが当っている。オイル高なのに30分も前からディーゼルを掛けっ放し。 運転手に訊くと右が渓谷というのでそちらに陣取る。窓ガラスが汚いので少し開け外から濡れティッシュで拭くが、したたかな汚れ方でかえって見えなくなってしまう。
カメラを持った人が結構乗り込んで来る。10:36発。ローカルの初乗車はワクワクする。 大間々で半分降り、それでも観光らしき乗客が20人は乗っている。土日は混むのかも。 高崎線に乗っていた間は壁のような雲が垂れ込めていたが、晴れて来る。見えてきた川の流れは意外にキレイではない。
11:27水沼。なんと駅構内に温泉がある。是非帰りに入るべ。 11:55沢入(そうり)駅。川水、澄んで来る。
12:05原向(はらむこう)駅下車。雨、来る。黒いいやな雲。迎えのタクシー運転手はモグロフクゾウみたい。

「かじか荘」前を過ぎ、タクシー下車。歩き出すと雨上る。
12:34登山口ゲート(右)、左の車の利用者には後で会うことに。
歩き出して30分、砂利道でストックのゴムキャップをなくす。クソ!

13:32天狗の投げ石。落石多しということか。

13:40一の鳥居。
印象ではもっと暗かった。天気のせいもあるが、ここからも暗い林が続く。
今日のBGMは、なんとラジオ体操第一。
最近ときどきやるが、バカにならない。

14:25鏡岩。暗くてシャッターが下りない。
14:55「仁王門」という名の岩を過ぎる。ガス出。
15:00ついに降って来る。シラカバ増。
暗くひと気のない谷道を一人で登って行くが、
寂しいとも怖いとも思わない。
雨は気が塞ぐが新しい所を歩くワクワクがある。
15:10青銅の剣(左)が奉納されている。比較的新しいものか?

15:15猿田彦神社跡。
赤い花が一杯咲いている。
雨の水滴がレンズにからむ。

道標アップ。
山荘までもうすぐ。
うれしい。

15:20これが運転手が今満開と言っていたコウシンソウか?
クリンソウみたいだな、と思って撮ったが
後から聞いたらやはりクリンソウ。

15:30庚申山荘着。立派で居心地のよい小屋。水場もある。
先着は関西初老男2人のみ。彼らは1F、こちらは2Fに陣取る。
無人だが\2,000箱へ入れるようになっているので投入。
彼らはもう飲んでいる。こちらは一眠り。
17:30夕食作りに食堂へ降りる。2人組は65歳を過ぎてリタイア中、
同じ会社にいて神戸から車で来ている(登山口の車)。
この後、朝日岳へ回るという。

2Fに戻り、翌日は皇海山往復なので小屋へ置いて行く荷物を作るが、
終わるともうすることなし。19:00睡眠誘導剤のんで寝る。

25:30小屋のすぐ外でキュンキュンと大きな声に目覚める。
鹿が鳴き交わしている!
ベランダへ出てヘッドランプで照らすが姿は見えず。二つの目が一瞬光る。

6月28日(土) 薄晴れ

3:30起床。まずラジオ体操第一。
カップスープにアルファ米がゆで朝食、5:00出発。
関西2人組は、ぼくと同じコース、プラス「かじか荘」まで下ると言っていたが、
まだ起きて来ず。調理具、セーターなどを置いて身軽に出発。
5:50お山めぐり分岐点。写真はその位置から、来た方向にある穴状の
「一の門」を撮ったもの。真ん中の三角は向こう側の景色。
この辺は道標不案内。迷ってCT(コースタイム)15分のところ50分かかる。

6:02確かに岩場多し。
写真の岩棚の右下をくぐり抜けて先へ行く。

6:06クサリ場に咲いていたコザクラのような花。
これもコウシンソウではない。

6:35庚申山頂。セルフタイマーで。
因みに「こうしんやま」ではなく「こうしんざん」
(鉄道アナウンス、タクシー運転手)。
見通しはきかないが、背の低い針葉樹の明るい気持ちよい尾根。
(単に天気が上がっただけか?)

6:49庚申山頂すぐ先の「展望台」から望んだ皇海山。
左は鋸山か? 簡単に行けそうに見えるのだが…
「鞍掛山」は気付かぬうちに通り過ぎる。

7:09樹間より皇海山(右)。
このルート、庚申山から先は整備が悪く、
笹原が刈られていないため何度も道を失い、谷へ降りそうになって
鹿のフンだらけの笹原斜面をよじ登ってルートに復帰した。
スパッツを着けていながら昨夜の雨の露が靴中へ侵入。この靴ももう古い。
8:05地蔵岳(地図にない)。

8:44薬師岳(左)。
CTでは庚申山→鋸山1h50mとあるのに、
途中のここまでですでに2hかかっている。
このあともいくつも小ピークを過ぎるが
写真撮らず。

8:51ハクサンコザクラかな?

9:19中でも厳しかった下りのクサリ場(左)。
右手の方を下りて来た(多分)。
9:30熊野岳。このクサリ上下もキツい。
9:40剣ノ山。
9:55鋸山。ヤレヤレ。昼食。
オールブランとカロリーメイト。貧しい食事かも。
見えるはずの皇海山はガスで見えず。
今回も左足不安のため両足サポーターに湿布、飲み薬既飲、で望んでいるが、今の所快調。

10:15再出発。いきなり谷へ向かう誤道へ迷い込む。
10:55ルート復帰。
11:25不動沢のコル。皇海山への最短路である皇海橋=不動沢から
登って来た 「百名山ツアー」の団体様がいきなり増え、かしましい。
ガイドが牧羊犬のように吠え立てる。山では静かにしろよ。
一方道は急に青テープがひらひらと必要以上に明示されて親切になる。
12:12コルの上、不思議にここだけきれいに咲いていたシャクナゲ。

今回、皇海橋へエスケープする案を最初に考えたのだが、
老神温泉までTAXIで\18,000というので仰天してやめてしまった。

12:17皇海山頂手前のここにも青銅の剣(左)。
近づいてよく見ると、「庚申二柱大神」と書いてある。

12:20皇海山頂。樹々とガスで見通しなし。
虫を防ぐ為に手ぬぐいを耳まで下ろしているので海賊のようかな?
それでも(遅かったのか?)左耳をブユか何かにやられてしまった。
何でアイツらは目や耳や鼻へ飛び込んで来るのか?

12:30帰路へ出発。すぐ関西2人組と再会、すれ違う。
13:10コルに戻り着く。やっとCT。

13:42コル方面から見た鋸山。北斎の絵のよう。
こちらから見ると確かに急だが、取り付いたルートはそれほどでもない。
14:05鋸山頂上に戻る。ポカリで元気回復。今回、梅干を広口ペットボトルに
入れてきてサカサにして1個ずつしゃぶってみたが、正解。
普段はとても食べられない梅干丸ごとが妙に美味しく、下山までに全部食了。
14:15再出発。
帰路は楽をしようと思い、六林班峠経由のルートへ回る。

14:32少し下りた所から壁のような皇海山(右)。
15:00まだ尾根の中、すっかりガス。
15:15広くて平らで歩きやすく、涼しい風が通る、林中の気持のよい尾根道。
15:20六林班峠。休憩者がゴミを捨てるのか虫多し。それでも休む。
関西組に追いつかれるも、15:30先に出発。袈裟丸山方面へ連なる尾根道を
右に分け、庚申山荘方面への道を下る。抜かれるのは時間の問題か。
以降、長々と林間の笹原中をゆるやかに下る道。庚申山荘にもう一泊と
決めていたのだが、かじか荘に泊まるという2人組の言葉に動揺。
予約なしは不安だが、何とかなるさもあり、温泉も魅力。左足もまだ大丈夫。さあどうするか。
2人組と競うように前後しながら下り、ようやく18:05庚申山荘着。この時点で13時間歩行。すると!
やかましそうなオバサンたちがいるではないか!これで下山を決意。 関西組は夕食にかかる。
こちらは荷を詰め替えただけで18:20庚申山荘発。BGMは「サンダーバード」。まだ元気。
18:25神社跡。すでに暗いがまだ見える。下って行くとしきりに鹿が鳴き、ついに見る!
4-5頭の一団と、尻の白い1頭とが鳴き交わしながら跳び走って行く。その精悍な姿と速さは忘れられない。
19:20夕闇に耐え切れず、一の鳥居前でヘッドランプ装着。古くて暗くて重いランプで、
1時間も着けて歩いていたらオデコが痛くなった。
関西組に抜かれ、疲れ、下りてきたことを後悔し、胃酸のニオイのゲップが出るほど空腹になって
ついに20:50かじか荘に着。約16時間の歩行で、過去最長記録。
部屋の方は、なんと丁度キャンセルで空きがあり、ホッとする。しかもフロントは21時でクローズになる寸前。 食事は無理だったが、カップラーメンを\200円で夕食代わり。風呂で力抜ける。熟睡。

6月29日(日) 雨

5:00起。夜半からベタ雨。無理に下りて大正解。
朝をゆっくり過ごして雨の中9:30送迎バスで発。
右は出発直前のかじか荘。
渡良瀬鉄道では車内販売で「お焼き」を売る
オバサンが乗込み、運転手と世間話のし続け。
いいけど、運転手さん、気をつけてね。
お焼き、買うがそれほど美味でなし。
相老(あいおい)経由東武利用で速く14:30帰宅。

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