2004年2月

ギブ・・・神様からの贈り物
ポチたま会は、いつものように活動していた。 ポチたま会のスタッフが、いつものように通報を受けた。 そのスタッフと私は、いつものようにその場所に駆けつけた。ただ、今回だけはいつもとは違っていた・・。
野良犬のワンコが8匹の仔犬を生み、もうそろそろ目が開こうとしている頃だった。 里親探しの約束と、お母さん犬・仔犬の兄弟犬の不妊手術の約束をして帰ってきた。 スタッフが時々のぞいていたが、どの子もすくすく育って、日に日に可愛さを増していった。
ある日、立てない子がいるようだと連絡を受け、スタッフが見に行くと、確かに横になったまま動けないでいる。 すぐに病院に行くと、脊髄の発育不全、形成不全によるもので、今のところの判断だとこの子は一生歩けないだろうということである。 しばらくギプスをして様子をみることになった。 幸いなことに痛みはなく、元気にご飯をたべ、自分で排泄が出来る。
  しかし、この子を縁付けることができるだろうか・・・    
  この子をこれからどうやってケアしていったらいいのだろうか・・・・
  一瞬、重い空気が漂ったが、誰も迷わなかった。 よかった・・・!
この子に「ギブ」という名前が付けられた。それは、この子はきっと神様がポチたま会に与えてくださったプレゼントだと思うからだ。そして、この子は多くのことを私たちに与えてくれるに違いない。すでに、「ギブ」はポチたま会のアイドルになっている。
「ギブ」はいま元気に、そして起用にサークルの中をくるくると動いている。他の仔犬達と遊ぼうとしている。抱っこすると、手で色々な仕草をして可愛さをアピールし、優しく甘噛みをし、楽しそうにじゃれている。もっと筋肉が発達して来ると、もっといろんな事ができるようになるだろう。
スタッフみんなで、散歩ができるグッズを作ろう・・・とか、ローラースケートのような物で何か作れないかとか・・・あ〜だの、こ〜だのと結構わくわくしながら「ギブ」との生活を楽しもうとしている。「ギブ」との楽しく賑やかなドタバタ奮闘記を、これから少しずつお知らせしていきたいと思う。
ギブA・・・すばやい!
早いもので、もうすぐギブは3ヶ月になる。 兄弟の成長振りを見ると若干小ぶりのようである。これは親孝行なことだ。相変わらず食欲は旺盛で、ウンチもおしっこもちゃんと自分でできるとってもいい子なのである。ただ最近は”ポチたまアイドル”をいいことに少しわがままを言うようになった。どうもオムツ替えがいやらしい。可愛いオムツカバーも作ってもらったのだが、本犬はそんなことはお構いなしで(当たり前か・・・)、育ての母を困らせている。
しかし、ギブの健やかな成長は素晴らしい!この生命力、たくましさは私たちポチたま会のみんなだけでなく、多くの里親会に来てくださった方たちに勇気と元気とエネルギーを与えているに違いない。
ギブはとっても食いしん坊だ。食いしん坊はいいことなのである。この食欲がギブの身体を支え、力を与え、能力を伸ばしている。
ご飯が大好きなギブは、歩けないはずなのに、ご飯を用意する気配が分かると、いつの間にか足元にいる。用意するより速い。 で・・・部屋の一番遠いところに連れて行く。  「よし、その間にご飯の準備だ・・!」なのに、気がつくとそばにいる。あの手この手で歩くよりもすばやくやってくるのである。ギブはホントに立てないの? 歩けないの?・・・・と思ってしまう。ギブが最近一瞬立つことがある。 壁に寄りかかって立つことは少しあったが、何もないリビングの真ん中でほんの一瞬ギブが立った。 1回だけではない。何回も立った。残念ながら、私のカメラの腕ではその瞬間が撮れなかった。いやギブのその瞬間に見入ってしまってカメラを忘れてしまったといった方がいいと思う。まるでそのまま走り出しそうな様子だ。ギブはまるで私たちに、「ホラ、大丈夫。大丈夫!」とでも言いたげな素振りだ。
近頃の私たちは、次々に見つかるワンコ・にゃんこのことでつい愚痴っぽくなっていたが、ギブは私たちを励まそうとしているのかしら・・・・な〜んて思わせてくれる。将来ははっきり言ってまだ分からない。何が起こるか誰も知らない。でも、この可愛いオムツ姿の元気なギブはずう〜っとパワーを私たちに与え続けてくれるだろう。いやぁ、それにしてもいっときもじっとしていない頼もしいギブです
ギブB・・・走る!
すっかり里親会の人気者になったギブ・・・・・抱っこするのも重くて大変になってきたこのごろである。 里親会でいろんな人に抱かれて、ギブも嬉しい・・育ての母もしばし楽チン・・周りも楽しい・・一石三鳥というところか。最近は更に元気を増し、身体を起こす時間も増え、立つ瞬間も随分多くなった。

5月23日和光里親会は肌寒く、今にも雨が降りそうな中、しかしポチたまっ子がたくさん来てくれて楽しいものだった。樹林公園はとても広い公園で緑も豊か、広々とした中多くのワンコたちが遊びに来るところである。私たちもそのおおらかさに包まれ、ちょっとのんびりできる里親会だ。
ギブをその緑の中に置いてみた。転んでも痛くない緑の絨毯の上で、のびのびと遊んでいるギブを見ていると、生きている・・・ということはとても素晴らしいことなんだなぁとつくづく思う。すると、ギブが突然走り出した。(今回は頑張ってシャッターチャンスを狙ってみた。)ポチたまっ子と遊びたくなったのか・・・、この広い緑の中を自由に動いてみたかったのか・・・長くは走れないけれど、何度も何度もギブは走った。

ボクはこんなに楽しいよぉ〜。  ボクはこんなに大きくなったよぉ〜。 ボクはこんなに元気だよぉ〜。 しあわせなんだよぉ〜。
とでも言いたげに、はしゃいでいた。 私にはとても感動的なシーンだった。

多くの人にギブを見てもらいたい。 生まれた命の素晴らしさを知って欲しい。そして、この命が簡単に、毎日毎日葬られていることに目を向けて欲しい。
ギブはそのことを教えてくれている・・・・
ギブC・・・お散歩カート!
見てください! このギブの顔!
ちょっと得意げ・・・良いでしょうとばかりの自慢の顔です。
少し前にホームページのお知らせのコーナーで、、ギブのお散歩カートの寄付をお願いしたところ、横浜の井上さんがカートを送ってくださいました。
まるで新品のようにきれいで、「エエッ 良いのかな〜」といいながら、遠慮をしないポチたま会のことです。早速ギブを乗せて、育ての母と私はキャァ、キャァと大はしゃぎでした。
和光の譲渡会というのは、前回にも書いたとおりとてものびのびとした環境で、ギブを乗せて歩いてみました。そして、ギブのこの顔になったわけです。
ギブはすくすくと育っており、いつまでこのカートに収まっていられるか・・・とは思いますが、当分はこんな感じで育ての母も楽しいお散歩ができそうです。
本当にありがとうございました。 
ポチたま会が多くの方に支えられていることを実感する出来事でした。

私たちは足腰の弱っている老犬を保護することもあります。ギブだけでなく、このカートは大きな力を発揮してくれることと思います。