徳島県の「崖っぷち犬」を覚えているでしょうか。
現在この話題を取り上げるメディアはほとんどありませんが、当時は毎日のように崖からの救出劇が報道され、テレビ局も視聴者も大騒ぎ。
その後、徳島県動物愛護管理センターには譲渡希望者が殺到。初めて犬を飼うという女性に迎えられ、リンリンと名付けられました。一部の番組がリンリンの姉妹犬の譲渡希望者がいないことや、リンリンが助かる一方で多くの犬が殺処分されている現状を伝えていましたが、ほとんどの番組ではハッピーエンドとして報道されました。
しかし、私たちのような活動をしていると、このことを手放しに喜ぶことはできません。というのも、各都道府県が行っている譲渡会では、飼い主となる家族に求める基準が低く、譲渡をしたからといって必ずしも良い結果を招かないということを何度も目の当たりにしているからです。譲渡会の翌日に、前日引き渡したばかりの子犬が捨てられた、ということも実際に起きています。
「犬(猫)を助けたい」という気持ちは大切にしたいけれど、安易に譲渡することは根本的な問題の解決にならないということを、行政を始め多くの人に知ってもらいたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
崖っぷち犬以外にも、日本のワイドショーではよく動物の話題が取り上げられます。多摩川に迷い込んだアザラシのタマちゃん、2本足で立つレッサーパンダ……。タマちゃん見たさに、多摩川の河川敷には大勢の人が集まったほど。
←参考イメージ
ポチたまっ子には、散弾銃で撃たれたタミーや、下半身不随で発見された夢、脊髄の発育不全、形成不全のギブ、原因不明の皮膚病に苦しむさとみ……などなど、崖っぷち犬やタマちゃんと同じくらい、いろんな“ストーリー”をもった犬や猫がいます。
  |
 |
 |
タミーは元気、テレビには
取り上げられたけれど・・・・ |
夢は上手に歩くようには
なったけれど・・・ |
お父さんの抱っこが
大好きなギブ・・・ |
この子たちは未だ新しい家族と出会うことなく、ポチたま会のスタッフの家で生活をしています。もしこの子たちがテレビで取り上げられたら、希望者が殺到するのでしょうか。
なんだかとっても複雑な心境です。
ファッションや言葉など、日本人はブームが大好き。どうか、動物の存在(命)に関しては、“ブーム”がなくなりますように。
(といいながらも、某携帯電話のCMの白い犬(カイくん)ブームに乗っかって、ポチたまっ子の白い犬チームが注目を浴びることを少し期待しています。笑)
(文責:ペットジャーナリストNao)
|