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前回のコラムではドイツの犬事情について簡単にご紹介しました。今回はそのなかで少し触れたドイツの「ティアハイム(動物保護施設)」について詳しくお話ししましょう。
さて、ドイツのティアハイムについて詳しいお話をする前に、日本の各自治体の動物行政の現状をご存知でしょうか。 施設に収容された犬・猫のなかには、生まれたばかりの子犬や子猫もたくさんいて、その怯えた表情は「僕たちは何で生まれてきたの?」と、私たちに訴えているようにさえ感じられます。もちろん子犬・子猫に限らず、成犬・成猫も同様ですが・・・。 |
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ドイツの動物愛護の精神を表すティアハイム どんなときも、犬・猫の幸せを一番に考えるドイツ その後動物たちはすぐに舎に移動するのではなく、健康診断を受けるため検疫舎で数日過ごします。ここへ来る動物たちは必ずしも健康とは限らず、病気持ちの子たちもいます。すぐに舎に移しては病気が感染してしまう恐れもあるため、まずは検疫舎で診断を受け、その後適切な処置を施されるのです。またこれにはもう一つの意味が。それは、“新入り”を“先輩”たちがいる環境にポーンと放り込むのではなく、まずは検疫舎で少し落ち着かせてから徐々に慣らしていくという配慮。これまた犬先進国のドイツらしさが伺えます。 可能な限り犬たちが快適に暮らせるよう配慮されたティアハイム。とはいえやはり犬たちだって家族と一緒に温かい家庭で暮らすのが一番幸せ。そんな温かい家族の一員に迎え入れようと、ティアハイムには毎日多くの人が訪れます。しかし、いくら希望者がいるからといって、安易に犬たちを手渡すわけではありません。犬たちが二度と同じ運命を辿らないよう、係員たちが厳重な審査を行います。そのため、ドイツ人にとって、ティアハイムから犬・猫を引き取ることが一種のステータスであるとも言われています。というのも、厳重な審査を通り、犬・猫を幸せにできる飼い主であるとお墨付きをもらったことになるから。 また、訪問者のなかで迷っている人がいれば、係員は熱心にアドバイスもします。自分たちのライフスタイルに合った子が見つかるまで、またきちんと育てられるという覚悟や決心がつくまで何度も何度も施設を訪れる人が多く、なかには、先住犬を連れてきて相性を見る人もいるそうです。 一方で今日本では、ペットに対する意識が高まったとはいえ、人気の犬種を飼うことが一部の人のなかでステータスになっていないかと、私は危惧しています。好きな犬種がいること自体決して悪いとは言いません。しかしそうしたブームが、犬を家族としてではなく、“モノ”として見ることに拍車をかけることにはならないか・・・と心配になるのです。というのも、最近私たちの団体で保護する犬の半分は、一時期ブームといわれていた犬種だから・・・。 |
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今回は、皆さんに直接「ティアハイム ベルリン」のホームページに飛んでいただき、 ドイツの実情をしっかり見て欲しいと思います。 では、どうぞ・・・↓
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2回に渡ってご紹介してきましたドイツの犬事情。次回は「子供と犬はドイツ人に育てさせろ」と題して「しつけとノーリード」について、またその次は「ドイツと日本の動物保護法の違い」について見ていきます。今後はドイツ以外の国の犬事情や国内にも目を向けていきますので、 乞うご期待!! (文責: ペットジャーナリスト Nao) |