「おたふくかぜ」と「その予防接種」について。助成金が出ます

 おたふくかぜの予防接種は、多くの先進国では定期予防接種(公費:無料)ですが、
日本では任意予防接種で行われています。

受けた方が良いのか迷っている人や、自然に感染させた方が良いと誤解している人のために、説明します。
 

1歳になったら、1回目の接種をしましょう。
船橋市では、2020年4月から、1回目接種だけ3,000円の助成金が出ますので、医療機関での金額(当院では4,800円)から3,000円を差し引いた1,800円が自己負担になります。2歳の誕生日前までです。

2回目の接種が必要ですが、自費にはなります。当院では1歳の水ぼうそうワクチンの2回目(1回目の3か月後)と一緒に接種します。

【おたふくかぜ】(流行性耳下腺炎:ムンプス)

『自然感染の時の合併症』

 100人に2人が無菌性髄膜炎(頭痛・けいれん・意識障害で入院となる)を起こします。

 ●6000人に1人が髄膜脳炎(脳に後遺症を残すことがある)を起こします。

 ●10歳以上の男性では1435%で睾丸炎(激痛で入院が必要)を起こします。

 ●3,000人に1人が、難聴になります。片側のことが多いので気が付きにくく、
  しかも、現在治療方法もなく、予防接種による予防しか手がありません。

『ワクチンの副反応』

  23%で接種後23週に耳下腺腫脹や発熱が見られる、という報告もありますが、12日で消失します。

  3週間後くらいに、無菌性髄膜炎(後遺症も残さず、自然感染のものより軽い)を約数千人に1人くらい
   (自然感染よりずっと頻度は少ない)
起こすことがあります。

《評価》自然感染による後遺症の方が重いし頻度も多いです。

                        (2017.3.14)(2023.2.10追加更新)

いのまた こどもクリニック