エクセルの理解シリーズ

1.エクセルのフォーム(フォーム コントロール)について

ワードのフォームフィールドで紹介しましたようにフォームには
 チェックボックス、ドロップダウンリスト、テキストボックスがありました。
 これらは、一定の型(形式)で表示され、
 GUI(グラフィカル ユーザー インターフェイス)といいます。

 ユーザーインターフェイスとは、画面デザインや操作性など、
 コンピュータとユーザーが直接触れる部分の使い勝手のことです。
 伝統的な文字ベースのインターフェイスではなく、
 ボタンやメニューなどのグラフィックス(図形)の部品を使って設計された
 ユーザーインターフェイスのことをGraphical User Interfaceの頭文字を採って
 GUIと呼ばれます(「GUI」は「ジー・ユー・アイ」または「グイ」と読みます)。

 この図形の「形式」からフォームと呼ばれている訳です。

 そして、コントロールとは、制御、統制、管理するということですが、
 ここでいう「フォーム コントロール」とは一定の型や形式を利用しながら、
 そこから得られたデータを制御、統制するためのツール(道具)または
 手段ということです。

フォームを使用するためには、フォーム ツールバーから指示を出します。
フォーム ツールバーを表示させるには、

表示メニュー(クリック)

ツールバー(ポイント) → フォーム(クリック)

フォーム ツールバーが表示されます。

左から順番にアイコンの名前と働きを紹介します。

 

名前

説明

1.     

ラベル
(コントロール)

文字列を入力して説明などに使います。コントロールまたはワークシートやフォームに関する情報を表示する文字です。

2.     

エディット ボックス(淡い色)使用不可

Excel のブックでは使用できません。このコントロールは、Excel 5.0 のダイアログ シートを編集するときに使用します。

3.     

グループ ボックス
(コントロール)

オプション ボタンやチェック ボックスなどの関連するコントロールをグループ化します。
プロパティ(属性、書式の設定)
3-D 表示
グループ ボックスを 3-D 効果で表示します。

4.     

ボタン
(コントロール)

クリックされたときにマクロを実行します。
ワークシート上のコントロールでマクロを実行できるのは、そのワークシートが作業中のときだけです。すべてのブックまたはワークシートからボタンを利用できるようにするには、ツールバー ボタンから実行するマクロを割り当てます。
プロパティ(属性、書式の設定)
フォントのみ設定できます。

5.     

チェック ボックス
(コントロール)

オプションのオンとオフを切り替えます。シートやグループで同時に複数のチェック ボックスをオンにすることができます。
プロパティ(属性、書式の設定)

チェック ボックスの状態を指定します。
設定できる状態は、[オフ]、[オン]、[淡色表示] のいずれかです。
リンクするセル
チェック ボックスの状態を返すセルです。
チェック ボックスがオンの場合は、
[リンクするセル] ボックスのセルに TRUE が表示されます。
チェック ボックスがオフの場合は、
[リンクするセル] ボックスのセルに FALSE が表示されます。
チェック ボックスが淡色表示の場合は、
[リンクするセル] ボックスのセルに #N/A が表示されます。
リンクするセルが空白の場合は、
チェック ボックスの状態が FALSE であると解釈されます。
3-D 表示
チェック ボックスを 3-D 効果で表示します。

6.     

オプション ボタン(コントロール)

グループ ボックスに含まれるオプションのグループからいずれか 1 つを選択します。
オプション ボタンは、複数の選択肢から 1 つだけを選択するときに使用します。
プロパティ(属性、書式の設定)

オプション ボタンの初期状態を指定します。
状態は、[オン]、[オフ] のいずれかです。
リンクするセル
オプションのグループから選択されたオプション ボタンの番号を返します。
最初のオプション ボタンの番号は 1 です。
グループ内のオプションはすべて同じ [リンクするセル] を使用します。
返された番号を数式またはマクロで使用して、選択したオプションに応答することができます。
たとえば、社員に関するフォームに
[正社員] というラベルの付いたオプション ボタンと
[パートタイム] というラベルの付いたオプション ボタンを追加して、
2 つのオプション ボタンにセル C1 へのリンクを設定できます。
次の数式では、
最初のオプション ボタンがクリックされた場合は
"正社員"、
2 番目のオプションがクリックされた場合は
"パートタイム"
と表示されます。
=IF(C1=1,"正社員","パートタイム")
3-D 表示
オプション ボタンを 3-D 効果で表示します。

7.     

リスト ボックス
(コントロール)

アイテムのリストを表示します。
プロパティ(属性、書式の設定)
入力範囲
リスト ボックスに表示する値を含んだ範囲への参照です。
リンクするセル
リスト ボックスで選択された項目の番号を返します。
一覧の最初の項目は 1 です。
返された番号を数式またはマクロで使用して、
入力範囲から実際の項目を返すことができます。
たとえば、リスト ボックスにセル C1 へのリンクが設定され、
一覧の入力範囲が D10:D15 である場合は、
次の数式によって、
一覧で選択された項目に基づいて範囲 D10:D15 から値が返されます。
=INDEX(D10:D15,C1)
選択の種類
一覧での項目の選択方法を指定します。
選択の種類を
[複数選択]
または
[拡張選択]
に設定すると、
[リンクするセル] ボックスに指定したセルは無視されます。
3-D 表示
リスト ボックスを 3-D 効果で表示します。

8.     

コンボ ボックス
(コントロール)

ドロップダウン リスト ボックスを指します。
リスト ボックスで選択した項目がテキスト ボックスに表示されます。
プロパティ(属性、書式の設定)
入力範囲
ドロップダウン リストに表示する値の範囲への参照です。
リンクするセル
コンボ ボックスで選択された項目の番号を返します。
一覧の最初の項目は 1 です。
返された番号を数式またはマクロで使用して、
入力範囲から実際の項目を返すことができます。
たとえば、
コンボ ボックスにセル C1 へのリンクが設定され、
一覧の入力範囲が D10:D15 である場合は、
次の数式によって、
一覧で選択された項目に基づいて範囲 D10:D15 から値が返されます。
=INDEX(D10:D15,C1)
ドロップダウン リストの行数
ドロップダウン リストに表示する行数を指定します。
3-D 表示
コンボ ボックスを 3-D 効果で表示します。

9.     

リスト エディト コンボ ボックス(淡い色)使用不可

Excel のブックでは使用できません。このコントロールは、Excel 5.0 のダイアログ シートを編集するときに使用します。

10. 

ドロップ ダウン コンボ ボックス(淡い色)使用不可

Excel のブックでは使用できません。このコントロールは、Excel 5.0 のダイアログ シートを編集するときに使用します。

11. 

スクロール バー
(コントロール)

スクロールの矢印をクリックしたり、
スクロール ボックスをドラッグしたときに、
値の範囲をスクロールします。
スクロール ボックスとスクロールの矢印の間をクリックすると、
ページ単位で移動することができます。
プロパティ(属性、書式の設定)
現在値
スクロール バー内のスクロール ボックスの相対位置を表します。
最小値
垂直スクロール バーの上端または水平スクロール バーの左端を表します。
最大値
垂直スクロール バーの下端または水平スクロール バーの右端を表します。
変化の増分
スクロール バーの上端または下端にある矢印がクリックされたときの、スクロール ボックスの移動量を表します。
スクロール バー シャフトの増分
スクロール ボックスと矢印の間がクリックされたときの、
スクロール ボックスの移動量を表します。
リンクするセル
スクロール ボックスの現在の位置を返します。
この数値を数式またはマクロで使用して、
スクロール ボックスの位置を返すことができます。
3-D 表示
スクロール バーを 3-D 効果で表示します。

12. 

スピン ボタン
(コントロール)

値を増減します。
上向きの矢印をクリックすると値が増加し、
下向きの矢印をクリックすると値が減少します。
プロパティ(属性、書式の設定)
現在値
許可された値の範囲内のスピンの相対位置を表します。
最小値
スピンの範囲の最小値を表します。
最大値
スピンの範囲の最大値を表します。
変化の増分
矢印がクリックされたときのスピンの増減量を表します。
リンクするセル
スピンの現在の位置を返します。
この数値を数式またはマクロで使用して、
スピンで選択された実際の値を返すことができます。
3-D 表示
スピンを 3-D 効果で表示します。

13. 

コントロールのプロパティ

コントロールの書式設定ダイアログボックスのコントロールタブを表示します。コントロールのシートとのリンクなどが設定出来ます。

14. 

コードの編集

Visual Basic Editorの画面を開きます。マクロを設定していないときに不用意に開いてしまうと、勝手にマクロが設定されてしまうので注意が必要です。

15. 

グリッド

ワークシート上の行と列を明示するための枠線の表示/非表示を切り替えます。通常、ツールメニューのオプションの表示タブ内で行いますが、ここでも出来るようになっています。コントロールを配置した場合、グリッド線があるとデザイン上好ましくないとの理由からでしょうか。

16. 

ダイアログの実行(淡い色)使用不可

Excel のブックでは使用できません。このコントロールは、Excel 5.0 のダイアログ シートを実行するときに使用します。


ところで、上で紹介しましたコントロールと似ているコントロールがあります。
同じように、表示メニュー → ツールバー → コントロール ツールボックスをクリックしますと、
コントロール ツールボックスが表示されます。

左から順番にアイコンの名前と働きを紹介します。.

 

各部の名前

説明

1.        

デザイン モード

ActiveX コントロールを変更するときにオンにします。

2.        

プロパティ

ワークシートの書式の設定が小さな画面の中に英語で表示されます。

3.        

コードの表示

Visual Basic Editorの白紙の画面が開きます。

4.        

チェック ボックス

オプションのオンとオフを切り替えます。シートでは、同時に複数のチェック ボックスをオンにすることができます。

5.        

テキスト ボックス

文字列を入力できます。

6.        

コマンド ボタン

クリック時にアクションを実行します。

7.        

オプション ボタン

同じグループのオプションから 1 つだけを選択するときに使用します。

8.        

リスト ボックス

項目の一覧を表示します。

9.        

コンボ ボックス

ドロップダウン リスト ボックスが付加されるテキスト ボックスです。一覧から項目を選択する、またはボックスに直接入力することができます。

10.    

トグル ボタン

クリックによって押されたままの状態になるボタンです。もう一度クリックすると元の状態に戻ります。

11.    

スピン ボタン

セルやテキスト ボックスに付加できるボタンです。上向きの矢印をクリックすると値が増加し、下向きの矢印をクリックすると値が減少します。

12.    

スクロール バー

スクロールの矢印をクリックしたり、スクロール ボックスをドラッグしたときに、値の範囲をスクロールするコントロールです。スクロール ボックスとスクロールの矢印の間をクリックすると、ページ単位で移動することができます。

13.    

ラベル

ワークシートまたはフォームに追加されたテキストです。コントロールまたはワークシートやフォームに関する情報を表示します。

14.    

イメージ

図をフォームに埋め込むコントロールです。

15.    

コントロールの選択

その他の ActiveX コントロールの一覧です。


このコントロールは「ActiveXコントロール」とよばれるもので、
チェック ボックスやボタンなど、オプション項目を表示したり、作業を自動化するマクロを実行するコントロールのことです。
Visual Basic for Applications でコントロールのマクロを作成したり、Script Editor でコントロールのスクリプトを作成したりできます。

これ以降、各フォーム コントロールについて紹介していきます。

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