スタイルとアウトラインについて

ワードの仕組み

 

■段落を理解し、常に意識する。

 

段落とは、

文字を入力した結果としての文字列の“ワンセット”で、その前後が←┘の段落記号で囲まれた一連の文字列のことを英語で“パラグラフ”というのを、日本語に直訳して『段落』と名付けたものです。

 

常に、“ワンセット”「かたまり」の意識を持つことが重要です。

 

そして、[Enter]キーを押すということは、決して『改行』などとは考えないことです。

日本語ワープロのように改行をするという意識を捨てて下さい。

ワードにおいて、[Enter]キーを押すということは、段落をその時点で終了(区切り)し、新たな段落を作るということです。

 

そして、ワードにはそれを構成する3つの書式があります。

1.文字(レイアウト)書式

2.段落(レイアウト)書式

3.(このセクションでの)ページ(レイアウト)書式

 

それぞれ、その書式情報は

1.文字(レイアウト)書式情報 → ┃文字カーソル

2.段落(レイアウト)書式情報 → ←┘段落記号

3.(このセクションでの)ページ(レイアウト)書式情報 →

  セクション区切り記号

が保持し、引き継がれて行く仕組みになっています。

 

特に、段落においてはその“ワンセット”「かたまり」ごとに、配置の書式が適用されますので、決して、そのために「スペース」を使わないようにしなければなりません。

 

■スタイルの理解

 

スタイルとは、

書式の定型句のようなものです。

フォント、文字飾り、行間(行送り値)、配置などの書式情報を“ワンセット”にまとめたものです。

そして、『段落スタイル』として、定型句のように登録しておきますと、指定した段落に一括して書式の変更をすることが出来ます。

 

ワードにはデフォルト(初期設定)で、組み込みスタイルというのがあります。

その組み込みスタイルの一つが、ワードを立ち上げたときに、標準文書雛型(ノーマル ドキュメント テンプレート)によってもたらされる標準(段落)スタイルです。

 

標準(段落)スタイルは、

フォント:(日)MS明朝、(英)Century10.5pt、(言語1)日本語、(言語2)英語(US)、両端揃え、行間1

で指定されています。

 

その他たくさんの組み込みスタイルがありますが、(書式メニューのスタイルから見ることができます)「見出し(段落)スタイル」について見てみましょう。

 

見出し1(段落)スタイルは、

標準+フォント:(日)MSゴシック、(英)Arial12pt、次の段落と分離しない、レベル1

見出し2(段落)スタイルは、

標準+フォント:(日)MSゴシック、(英)Arial、次の段落と分離しない、レベル2

見出し3(段落)スタイルは、

標準+フォント:(日)MSゴシック、(英)Arial、インデント:左 4字、次の段落と分離しない、レベル3

 

とそれぞれ内容がすこしずつ異なります。

ここで分かるように、常に見出しスタイルには「次の段落と分離しない」ように指定されていますので、この設定をしたときに、文頭位置の左余白内に『・』が付き、

[段落]ダイアログボックスの

[改ページと改行]タブ(小見出し)の

[改ページ位置の自動修正]欄の

□改ページ時1行残して段落を区切らない

□次の段落と分離しない

□段落を分離しない

□段落前で改ページする

の内の「次の段落と分離しない」に自動的にチェックが入り、その目印として、文頭位置の左余白内に『・』が付くよういなるわけです。

 

これは、見出しは必ず本文の前にあるべきで、見出しの段落と本文の段落を分離しないようにするために指定しています。

また、見出し1(大見出し)は常にページの先頭に来るようにしたいのであれば、「段落前で改ページする」のチェックを入れた状態で見出し1スタイルの変更をすることも出来ます。

 

このように見てきますと、表示される文字や文字列は、なぜそのように表示されるかの理由が分かるでしょう。

 

■アウトラインの理解

 

アウトラインとは、

文書の段落の構成を確認しやすくレイアウトすることです。

 

「箇条書きと段落番号」のアウトラインには組み込みのサンプルが用意されています。

 

上段は見出しスタイルなし

下段は見出しスタイル付き

となっています。

上段のサンプルを選んでも、見出しスタイルが適用されていませんので、文頭位置の左余白内に『・』は付きません。

 

1.

 1)

  @

 

のようにアウトライン表示をしたいのであれば、

 

┃←┘

 

このとき、

[メニューバー]/Alt]または[F10

[書式(fOrmat)]/[O]

[箇条書きと段落番号(Number)]/N

[アウトライン]タブ(小見出し)

上側の[なし]のすぐ右側の

┌────────────┐

│ 1──────────│

│  ──────────│

│  1.1───────│

│     ───────│

│   1.1.1────│

│        ────│

└────────────┘

をクリックして選択します。

そのまま、画面右下のアクティブになった[変更(T)...]ボタンをクリックします。

[アウトライン番号の書式設定]ダイアログボックスが開きます。

[レベル(V)]番号の[1]が反転状態になっていることを確認して、

その右側の

[連番の書式(O)]の下の枠内の

[1      ]『1』の後ろにカーソルを入れます。

[1┃     ]『.』を入力します。

[1.┃    ]

 

続いて、

[レベル(V)]番号の[2]をクリックして反転状態にします。

[連番の書式(O)]の下の枠内の

[1.1     ]前の『1』の後ろにカーソルを入れます。

[1┃.1    ][Del]キーを3回押して、『.1』を削除します。

[1┃       ]『)』を入力します。

[1)┃      ]

 

※注意:下の手順のところでも説明しますが、このレベル2は

   1)

   1)と続く場合があります。

そのときは、再度この変更のところに戻り、21)と表示されている部分の『1』を削除してください。

 

さらに続いて、

[レベル(V)]番号の[3]をクリックして反転状態にします。

[連番の書式(O)]の下の枠内のさらに下に、

[番号の種類(N)]があります。

スクロールバーの▼をクリックして、

[@,A,B、・・・]を出します。それをクリックしますと、

[1.1.1   ]

[1.1.@   ]に変わります。

[1.1.@   ]『@』の前にカーソルを入れます。

[1.1.┃@  ][Back Space]キーを6回押して『1.1.』を削除します。

[┃@      ]

順次、[OK]ボタンをクリックして閉じます。

 

■手順

 

1.→┃←┘(レベル1が表示されました。)

1.→あああ┃←┘(文字を入力後、[Enter]キーを押します。)

1.→あああ←┘

2.→┃←┘(レベル1のままですので、[Tab]キーを押してレベルを下げます。)

1.→あああ←┘

   1)→┃←┘(レベル2になりました。)

1.→あああ←┘

   1)→いいい┃←┘(文字を入力後、[Enter]キーを押します。)

1.→あああ←┘

   1)→いいい←┘

   2)→┃←┘(レベル2のままですので、[Tab]キーを押してレベルを下げます。)

 

※注意:上で言いましたように、もし、

   1)→いいい←┘

   1)→┃←┘

となった場合、[変更(T)...]に戻り、

21)の『1』の部分だけを削除して、

OK]ボタンをクリックして閉じます。

1.→あああ←┘

   1)→いいい←┘

      @→┃←┘(レベル3になりました。)

1.→あああ←┘

   1)→いいい←┘

      @→ううう┃←┘(文字を入力後、[Enter]キーを押します。)

1.→あああ←┘

   1)→いいい←┘

      @→ううう←┘

      A→┃←┘(レベル3が表示されます。)

Ctrl]+[Shift]+[N]キーを押して、標準スタイルにします。

そして、[Tab]キーを2回または3回押して、本文を入力していきます。

1.→あああ←┘

   1)→いいい←┘

      @→ううう←┘

        ┃←┘(本文を入力します。)

 

これまで説明に使用した『→』はタブ文字です。

このタブ文字のままですと、1. 1) @ と文字の間が間延びをしたように感じられます。

このタブ文字を使用するのは、その文字が2行以上のときに使用するもので、

文字が1行の場合には、以下の方法で間延びを無くします。

 

[変更(T)...]に戻り、

[オプション(M)▼▼]をクリックして、ダイアログボックスを下に展開します。

[番号に続く空白の扱い]の右側に[タブ文字]▼となっていますので、各レベルごとに、(この場合は3度)そのタブ文字を[スペース]に変更してください。

 

 

また、[箇条書きと段落番号]の下段の「見出しスタイル付き」を選んだ場合でも、基本的には操作は同じです。

目次を作るときには便利ですので、用途に合わせて選択して下さい。

 

上記の操作方法と異なるところは、各段落に『段落スタイル』の「見出しスタイル」が適用されることです。

 

つまり、

 

┃←┘

 

このとき

[アウトライン]タブ(小見出し)下段の

┌────────────┐

│ 1見出し1──────│

│  ──────────│

│  (ア)見出し2───│

│     ───────│

│    @ 見出し3──│

│        ────│

└────────────┘

をクリックして選択します。

・1→┃←┘[スタイルボックス]には[見出し1]が適用される=レベル1、左余白に『・』印

(ここで[Enter]キーを押すと)

・1→←┘

┃←┘[スタイルボックス]には[標準]と表示

(ここで[スタイルボックス]の▼をクリックし、[見出し2]をクリック、または[Alt]キーと[Ctrl]キーを同時に押しながら、キーボードの[2]を押します。)

・1→←┘

・  (ア)→┃←┘[スタイルボックス]には[見出し2] が適用される=レベル2

(ここで[Enter]キーを押すと)

・1→←┘

・  (ア)→←┘

┃←┘[スタイルボックス]には[標準]と表示

(ここで[スタイルボックス]の▼をクリックし、[見出し3]をクリック、または[Alt]キーと[Ctrl]キーを同時に押しながら、キーボードの[3]を押します。)

・1→←┘

・  (ア)→←┘

・      @→┃←┘[スタイルボックス]には「見出し3] が適用される=レベル3

 

さて、このことから分かりますように、次の行(段落)に行くにしたがって、行頭がだんだんと右側に「ずれて」(インデントが深くなって)いきます。

これを「アウトラインの階層構造」といいます。

階段を下がっていくような感じです。

階段を下がること(右側にずらすこと)を「レベル下げ」、

逆に階段を上がること(左側にずらすこと)を「レベル上げ」といいます。

 

レベルの指定は

[段落]ダイアログボックスの

[インデントと行間隔]タブ(小見出し)の

[アウトライン レベル]▼から指定することも出来ます。

 

尚、

Tab]キーの代わりに、

Alt]+[Shift]+[→]方向キー

または、

[書式設定]ツールバーの

[インデント]ボタン

┌────┐

│─└──│

│→===│

│=┌──│

└────┘

 

Shift]+[Tab]キーの代わりに、

Alt]+[Shift]+[←]方向キー

または、

[書式設定]ツールバーの

[インデントの解除]ボタン

┌────┐

│─└──│

│←===│

│=┌──│

└────┘

を使用することもできます。