ワードの基本設計理念
■ワードの書式について
ワードには、その体裁(レイアウト)を決定する書式(フォーマット)が3つあります。
文字書式
段落書式
セクション書式
さらに、セクション書式には大別して2つの書式があります。
(そのセクションにおいての)ページ設定(ページ書式)
(そのセクションにおいての)ヘッダーとフッター書式
です。
■ワードの書式への概念・考え方について
ワードの書式は基本的に「一塊(ひとかたまり)」を対象として修飾しています。
文字列は「一塊(ひとかたまり)」です。
段落は文字列ですから、「一塊(ひとかたまり)」です。
セクションはページ設定の内容の「一塊(ひとかたまり)」です。
ちなみに、かたまりという意味においては、次の考え方が顕著です。
文字を対象とする書式には、書体、大きさ、標準・太字・斜体のスタイル、
下線や傍点、文字飾りがあります。
それらの書式を一纏めにしたものを、ワードはスタイル、この場合は「文字スタイル」とよびます。
同じく、段落記号で囲まれた、文字列の一塊(ひとかたまり)を段落とよびますが、その段落にも、
段落を対象とする書式(左右中央揃えの配置の書式、行頭行末揃えの書式などなど)を一纏めにしたものをワードはスタイル、この場合は「段落スタイル」とよびます。
一纏めにしたもの、ひとかたまりのものを単位として捉えています。
ですから、セクションとは『「ページ設定」の内容』の単位のことを指しています。
■書式の更新とそれに伴う書式の引継ぎについて
文字書式の更新は、手打ち入力後、[Enter]キーを押します。
文字の書式情報は[カーソル]に保持され、引き継がれていきます。
段落書式の更新は、文字列を入力、確定後、[Enter]キーを押します。
強制改行を伴って、段落が更新されます。
段落の書式情報は[段落記号←┘]に保持され、引き継がれていきます。
セクション書式、つまり(そのセクションにおいての)ページ設定(ページ書式)を更新するには、
以下の2通りの方法があります。
更新する位置にカーソルを置き、
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[挿入(Insert)]/[I]
[改ページ]と進み、
[改ページ]ダイアログボックスの
[セクション区切り]欄から
指定したいセクション区切りのオプションボタンをクリックして、
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
または、
更新するページの先頭にカーソルを置き、
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[ファイル(File)]/[F]
[ページ設定(psge setUp)]/[U]と進み、
[ページ設定]ダイアログボックスの下段の
[設定対象]の▼をクリックし、
[これ以降]を選択して、
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
更新前のセクションの書式情報は挿入した[セクション区切り]に保持され、
更新後のセクションの書式情報は[段落記号←┘]に保持され、引き継がれていきます。
■書式更新後の書式変更防御策に対する処置について
上記の3つの書式を更新した後では、それぞれの書式を変更することが出来ます。
ところが、例外があります。
それは、セクション書式のヘッダーとフッター書式です。
ヘッダーとフッター書式は、同一セクション内では全く同じものを同じ場所に表示する機能です。
ヘッダーとフッターには、特にフッター領域には主としてページ番号を挿入します。
ページ番号というものは基本的にその番号を連続して表示していきます。
この連番を続けるための防御策が施されています。
第一の防御策として、セクション書式を更新するために、セクション区切りを挿入しますが、
その時点で、前のセクション書式を引き継ぐ(連番を継続する)ように設定されます。
つまり、表示メニューのフッターとヘッダーを選択して、自動的に表示される
[ヘッダーとフッター]ツールバーの[前と同じ(ヘッダーとフッターの書式)]ボタンがオンになり、
その状態を示す「前と同じ」の文字列が更新後のヘッダーとフッター領域の右上に表示されます。
この状態では、ヘッダーとフッターの書式を変更することは出来ません。
[前と同じヘッダー/フッター]がオンの状態とは、前のセクションの書式を引き継いで継続することを意味します。
これを解除するには、[前と同じ(ヘッダーとフッターの書式)]ボタンをクリックして、オフにします。
表示されていた「前と同じ」も消えて、前のセクションの書式を引き継が停止されます。
これでページ番号以外の書式は変更が可能になります。
第二の防御策として、[前と同じ(ヘッダーとフッターの書式)]ボタンがオフになった時点で、
[ヘッダーとフッター]ツールバーの[ページ番号の書式]ボタンをクリックして表示される
[ページ番号の書式]ダイアログボックスの[連続番号]欄の[前のセクションから継続]のオプションボタンがオンになります。
これを解除するには、その下の[開始番号]のオプションボタンをクリックしますと、自動的に
[前のセクションから継続]はオフになり、この時はじめてページ番号の連続番号機能が停止されたことになります。