文字列の間隔、行間とは
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■その1
[書式設定]ツールバーの
[行間]ボタン
┌─────┬─┐
│↑─── │ │
││─── │ │
││─── │▼│ ← ▼をクリックしますと、
│↓─── │ │
└─────┴─┘
↓
┌─┬───────┐
│レ│1.0 │
│ │1.5 │
│ │2.0 │
│ │2.5 │
│ │3.0 │
│ │その他… │
└─┴───────┘
と、オプションが表示されます。
オプションの[その他]をクリックしますと、
通常は、
[マウスの操作]/[キーボード操作]
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[書式(fOrmat)]/[O]
[段落(Paragraph)]/[P]
で表示される、
[段落]ダイアログボックスの
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)が開きます。
+++++
[間隔]欄
┌─────┬─┐
段落前 │0行 │◆│
└─────┴─┘ 行間 間隔
┌─────┬─┐ ┌───┬─┐ ┌───┬─┐
段落後 │0行 │◆│ │1行 │▼│ │ │◆│
└─────┴─┘ └───┴─┘ └───┴─┘
□(グレーアウト)
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
↑にチェックが入っています。
+++++
そして、さらに、
行間
┌───┬─┐
│1行 │▼│ ← ▼をクリックしますと、
└───┴─┘
↓
┌─────┐
│1行 │
│1.5行 │
│2行 │
│最小値 │
│固定値 │
│倍数 │
└─────┘
と、オプションが出ます。
また、
間隔
┌───┬─┐
│ │◆│← ▲をクリックしますと、
└───┴─┘
↓
┌───┬─┐
│0.5 │◆│
└───┴─┘
となり、
行間
┌───┬─┐
│1行 │▼│
└───┴─┘
↓
┌───┬─┐
│倍数 │▼│
└───┴─┘
に変化します。
■その2
さて、そもそも[行間]とは、何を指していてどういう意味なのでしょうか。
答えは「(この段落での)行の高さ(の書式)」のことです。
ワードには、いわゆる「行間」はありません。
それは、「行間」と誤訳したことに始まります。
日本語の「行間」とは
文字列
─────
↑
行 間
↓
─────
文字列
の意味ですが、マイクロソフトは英語のLine spacing
「行が占有する空間の高さ」を単に「行間」と定義してしまいました。
そして、この「行が占有する空間の高さ」のことを、印刷業界では、
[行送り]といいます。
つまり、ワードの[行間](行送り)とは、
────────────
↑ ↑
文字列 ├→ 行間(行送り)
↓ ↓
────────────
↑ ↑
文字列 ├→ 行間(行送り)
↓ ↓
────────────
のことをいっています。
■その3
では、この[行間](行送り)の実際の大きさはどのくらいなのでしょうか。
[マウスの操作]/[キーボード操作]
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[ファイル(File)]/[F]
[ページ設定(page setUp)]/[U]
↓
[ページ設定]ダイアログボックスが開きます。
[文字数と行数]タブ(小見出し)をクリック
↓
[文字数と行数の指定]欄
○標準の文字数を使う ○文字数と行数を指定する
○行数だけを指定する ○原稿用紙の設定にする
[行数]欄
┌────┬─┐ ┌────┬─┐
行数: │36 │◆│(1-45) 行送り: │18pt │◆│
└────┴─┘ └────┴─┘
と表示されます。
ここに[行送り](行間)の大きさが表示されています。
この「pt」ポイントとは、
1インチ(2.54cm、25.4mm)を72で割った数値です。
ですから、1ptは約0.35278mmになります。
18ptは6.35mmとなります。
これが行の高さです。
ちなみに、文字のフォントサイズ10.5ptは3.7mmです。
つまり、
───────────────────────────────
─────────── ↑
文字列 10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
─────────── ↓
───────────────────────────────
の関係になっています。
そして、
┌────┬─┐
行数: │36 │◆│(1-45)
└────┴─┘
は、6.35mmの高さの行が、1ページ内で36行分があるという意味です。
その理由は、
用紙がA4版で、用紙サイズは、210mm(幅)×297mm(高さ)です。
┌──────────┐
│ ↑ A4サイズ│
│ │ │
│ │高さ297mm │
│ │ │
│ │ │
│←─┼──────→│
│ │ 幅210o │
│ │ │
│ ↓ │
└──────────┘
1ページには上余白と下余白があり、それぞれ35mmと30mmで設定されていますから、
文章入力可能な領域の高さは、297-(35+30)=232mmです。
┌──────────┐
│ 上部余白35mm │
│┌────────┐│
││ ↑ ││
││ │ ││
││ │ ││
││ │高さ232mm││
││ │ ││
││ │ ││
││ ↓ ││
│└────────┘│
│ 下部余白30mm │
└──────────┘
232mmを1行分の高さ、6.35mmで割りますと、36.545になります。
このことから、1ページ内での行数は36行となる訳です。
■その4
[行間]ボタンのオプションの、
┌─┬───────┐
│レ│1.0 │
│ │1.5 │
│ │2.0 │
│ │2.5 │
│ │3.0 │
│ │その他… │
└─┴───────┘
それぞれの数値の意味は、
1.0:行の高さを1行分の1.0倍の18ptにします。
1.5:行の高さを1行分の1.5倍の27ptにします。
2.0:行の高さを1行分の2.0倍の36ptにします。
2.5:行の高さを1行分の2.5倍の45ptにします。
3.0:行の高さを1行分の3.0倍の54ptにします。
という意味です。
つまり、
──────────────────────────────
─────────── ↑
文字列 10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
─────────── ↓
──────────────────────────────
─────────── ↑
文字列 10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
─────────── ↓
──────────────────────────────
のとき、たとえば行間(行送り)を2.0に変更しますと、
──────────────────────────────
↑
─────────── │
文字列 10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=36pt(12.7mm)
─────────── │
↓
──────────────────────────────
↑
─────────── │
文字列 10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=36pt(12.7mm)
─────────── │
↓
──────────────────────────────
このように、結果的に文字列と文字列の間隔が広がったように見せ掛けているわけです。
■その5
[段落]ダイアログボックスの行間のオプションを説明します。
行間
┌───┬─┐
│1行 │▼│ ← をクリックしますと、
└───┴─┘
↓
┌─────┐
│1行 │
│1.5行 │
│2行 │
│最小値 │
│固定値 │
│倍数 │
└─────┘
とオプションが出ます。
[1行]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値と同じにします。
つまり、18pt(6.35mm)
[1.5行]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値の1.5倍にします。
つまり、27pt(9.53mm)
[2行]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値の2倍にします。
つまり、36pt(12.70mm)
[最小値]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値とは関係なく、
高さを最低○○pt以上確保します。
右側の[間隔]のポイント数を指定します。
[固定値]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値とは関係なく、
常に同じ高さに固定します。
右側の[間隔]のポイント数を指定します。
[倍数]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値に対して
任意の倍数を指定出来ます。
右側の[間隔]のポイント数を指定します。
[固定値]としますと、自動的に、行間の下のオプションの
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
の命令も無効になります。
[固定値]以外では、文字のフォントサイズにより、行の高さは自動調整されます。
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
が有効になっているとき、
行の高さは、文字のフォントサイズが14ptづつ増すごとに、2行分、3行分、、、と高さが大きくなります。
■ その6
文書の基本的な行の高さと段落の行間との関係の理解
[マウスの操作]/[キーボード操作]
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[書式(fOrmat)]/[O]
[段落(Paragraph)]/[P]
↓
[段落]ダイアログボックスが開きます。
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)をクリック
↓
[間隔]欄
┌─────┬─┐
段落前 │0行 │◆│
└─────┴─┘ 行間 間隔
┌─────┬─┐ ┌───┬─┐ ┌───┬─┐
段落後 │0行 │◆│ │1行 │▼│ │ │◆│
└─────┴─┘ └───┴─┘ └───┴─┘
□(グレーアウト)
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
↑にチェックが入っています。
と表示されます。
段落の行の高さは、
行間 間隔
┌───┬─┐ ┌───┬─┐
│1行 │▼│ │ │◆│
└───┴─┘ └───┴─┘
と
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
で、決定されます。
「1ページの行数を指定時に」とは、
[ページ設定]において、
[文字数と行数の指定]欄
○標準の文字数を使う ○文字数と行数を指定する
○行数だけを指定する ○原稿用紙の設定にする
のうち、
○行数だけを指定する
○文字数と行数を指定する
○原稿用紙の設定にする
の3つのうちのいずれかを、または、
┌────┬─┐
行送り: │18pt │◆│
└────┴─┘
を指定した場合ということです。
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
にチェックを入れますと、
段落内の行の高さは
┌────┬─┐ ┌───┬─┐
行送り: │18pt │◆│ = 行間 │1行 │▼│
└────┴─┘ └───┴─┘
の関係が成り立ちます。つまり、段落内の行の高さは常に一定となります。
ところが、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
のチェックを外しますと、
段落内の行の高さは、
段落ごとに、その段落の行における文字の最大フォントサイズより決まり、
可変となります。
また、
○標準の文字数を使う
にチェックを入れますと、
[行数]欄
┌────┬─┐ ┌────┬─┐
行数: │36 │◆│(1-45) 行送り: │18pt │◆│
└────┴─┘ └────┴─┘
はグレーアウトになり、無効になります。
そして、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
の命令も無効になります。
グレーアウトにはなりませんが、無効になります。
1ページの行数は、フォントの大きさからWord側で判断する為です。
行グリッドについて
ページ設定で行数が指定できる場合、行送りを表す線のことです。
※→表示_グリッド線
設定内容を変更する場合:
ファイル_ページ設定_グリッド線_グリッド線(ダイアログ)
※行グリッド線 = 設定が1行の時 行送り(を表す線)
文字グリッド線 = 設定が1字の時 字送り(を表す線)
表示をしても印刷はされません。
(上記2項目はsaku2さんよりの情報)
文字のフォントサイズが10.5ptのとき、
行数は48行となります。
さらに、段落ごとではなく、行ごとにその行における文字の最大フォントサイ
ズより決まり、可変となります。
そのとき、行の高さは、欧文フォントの場合は最大フォントサイズの1.2倍
、
和文フォント、または和欧混合の場合には最大フォントサイズの1.3倍にな
ります。
■その7
段落前、段落後における行の高さの指定
[段落]ダイアログボックス
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)の
[間隔]欄
┌─────┬─┐
段落前 │0行 │◆│
└─────┴─┘ 行間 間隔
┌─────┬─┐ ┌───┬─┐ ┌───┬─┐
段落後 │0行 │◆│ │1行 │▼│ │ │◆│
└─────┴─┘ └───┴─┘ └───┴─┘
の
┌─────┬─┐
段落前 │0行 │◆│
└─────┴─┘
┌─────┬─┐
段落後 │0行 │◆│
└─────┴─┘
で、指定します。
──────────────────────────────
──────────── ↑
段落1←┘10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
──────────── ↓
──────────────────────────────
──────────── ↑
段落2←┘10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
──────────── ↓
──────────────────────────────
──────────── ↑
段落3←┘10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
──────────── ↓
──────────────────────────────
のとき、
段落2の前の間隔を2行分広げるとき、
段落2を選択するか、段落内にカーソルを置き、
┌─────┬─┐
段落前 │0行 │◆│
└─────┴─┘
↓
┌─────┬─┐
段落前 │2行 │◆│
└─────┴─┘
と「2」を入力し、
[OK]ボタンをクリックして閉じますと、
──────────────────────────────
──────────── ↑
段落1←┘10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
──────────── ↓
──────────────────────────────
↑
│
├→ 行間(行送り)=36pt(12.7mm)
│
↓
──────────── ↑
段落2←┘10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
──────────── ↓
──────────────────────────────
──────────── ↑
段落3←┘10.5pt(3.7mm) ├→ 行間(行送り)=18pt(6.35mm)
──────────── ↓
──────────────────────────────
となり、結果的に段落1と段落2の間隔が広かったように見せ掛けます。
+++
もっと詳しく
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる
を説明しますと、
●グリッド線
グリッドの目的と機能
本文文字の行の位置、図の位置を強制的に揃えて配置することが目的です。
しかし、Wordのグリッドは本文の行の位置を強制することはできないので、
図の配置決め専用と考えて差支えありません。
本文の行位置については、[段落]ダイアログボックスの
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる
というオプションがありますが、この表示の通りに働くわけではありません。
つまり、本来のグリッド機能とは、いかなる場合においても段落前の空きを調整して
グリッドに合わせるというもので、Wordにはこのような機能はありません。
●「1ページの行数を指定時」とは
[ページ設定]ダイアログボックスにおいて
[文字数と行数の指定]欄の
○行数だけを指定する
○文字数と行数を指定する
○原稿用紙の設定にする
のいずれを指定した時のことです。、
この指定をした場合に
[行数]欄の
[行送り]の右側のボックス内の数値(既定では18pt)を変更することが出来ます。
この結果、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる
がオンのときに、
[1行の行送り値] = [文書の基本行送り値(既定では18pt)]
となります。
●□1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる
をオフにしますと、
各行の行送り値は、個々の段落の最大フォントサイズにより決まることになります。
尚、[ページ設定]ダイアログボックスにおいて
[文字数と行数の指定]欄の
○標準の文字数を使う
を指定した場合、文書のコホン行送り値が無効になるため、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる
がオンでも、オフでも意味を持たなくなります。
●段落の最大フォントサイズと基本行送りの関係
○標準の文字数を使う
をオン、
または、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる
をオフにした場合、
行内で使われているフォントの種類により行間(文字列(行)が占める空間の高さ)は
欧文フォントでは、そのフォントの1.2倍
和欧混合では、1.3倍
となり、同じ段落内でも欧文を多用した場合、行により行間が異なる結果となります。
和文の場合、フォントサイズの1.3倍の値が行間(行送り値)になります。
行間の値は既定値で、18pt です。
このことから、18pt の行間が維持できるのは、
18 ÷ 1.3 = 13.846pt
そこで、フォントサイズを、14pt にしますと、
必要な行間の値は、18.2pt になり、
2行分にジャンプします。
3行分にジャンプするのは、フォントサイズが
36pt ÷ 1.3 = 27.692pt
28pt にした時です。
このことをグリッド線に合わせるということになるという人もいます。