行の高さ(行間)の理解
■第1章
文書の基本的な行の高さの理解
新規にワード文書を開きます。
↓
[マウスの操作]/[キーボード操作]
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[ファイル(File)]/[F]
[ページ設定(page setUp)]/[U]
↓
[ページ設定]ダイアログボックスが開きます。
[文字数と行数]タブ(小見出し)をクリック
↓
[文字数と行数の指定]欄
○標準の文字数を使う ○文字数と行数を指定する
○行数だけを指定する ○原稿用紙の設定にする
[行数]欄
┌──────┐ ┌──────┐
行数: │36 │◆│(1-45) 行送り: │18pt │◆│
└──────┘ └──────┘
と表示されます。
この「行送り」とは何のことでしょう。
「行送り」とは、
─────
↑
文字列
↓
─────
↑
文字列
↓
─────
のそれぞれの文字列が占有する空間、つまり「行」の高さのことです。
この高さをポイント数で表しています。
ポイントとは、
1インチ(2.54cm、25.4mm)を72で割った数値です。
ですから、1ptは約0.35278mmになります。
ここの18ptは6.35mmとなります。
その6.35mmの高さの1行が、36行分、1ページ内で使用することが出来るという意味です。
その理由は、用紙がA4版です。
用紙のサイズは、210mm(幅)×297mm(高さ)です。
1ページには上余白と下余白があり、
それぞれ35mmと30mmで設定されていますから、
文章入力可能な領域の高さは、297−(35+30)=232mmです。
232mmを1行分の高さ、6.35mmで割りますと、36.545になります。
このことから、1ページ内での行数は36行となる訳です。
ということは、行送りの値を増減すると、行数は自動計算をして、変化する訳です。
┌──────┐
行送り: │18pt │◆│の▼をクリックし続けますと、
└──────┘
↓ 最小値
┌──────┐
行送り: │14.3pt │◆│
└──────┘
になり、
┌──────┐
行数: │45 │◆│(1-45)
└──────┘
となります。
232mm÷(0.35278×14.3pt)=232mm÷5.045mm=45.98
となり、小数点以下切捨てで、45行になる訳です。
その反対に、
┌──────┐
行送り: │18pt │◆│の▲をクリックし続けますと、
└──────┘
↓ 最大値
┌──────┐
行送り: │1584pt │◆│
└──────┘
になり、
┌──────┐
行数: │1 │◆│(1-45)
└──────┘
となります。
232mm÷(0.35278×1584pt)=232mm÷558.7mm
=0.4152
となり、実際には1ページには収まらない行の高さとなります。
これは、
[用紙]タブ(小見出し)の
[用紙サイズ]欄の
幅と高さの最大値558.7mmと同じで、
ワードで印刷出来る用紙の最大サイズのことです。
つまり、「行送り」とは行の高さのことをいっていることが理解できるでしょう。
設定の変更をしない場合は、18ptが行の高さとして設定されています。
つまり、このように、
─────────────
↑ ↑
文字列 ←10.5pt ├→ 18pt
↓ ↓
─────────────
■第2章
文書の基本的な行の高さと段落の行間との関係の理解
[マウスの操作]/[キーボード操作]
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[書式(fOrmat)]/[O]
[段落(Paragraph)]/[P]
↓
[段落]ダイアログボックスが開きます。
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)をクリック
↓
[間隔]欄
┌───────┐
段落前 │0行 │◆│
└───────┘ 行間 間隔
┌───────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
段落後 │0行 │◆│ │1行 │▼│ │ │◆│
└───────┘ └─────┘ └─────┘
□(グレーアウト)
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
↑にチェックが入っています。
と表示されます。
段落の行の高さは、
行間 間隔
┌─────┐ ┌─────┐
│1行 │▼│ │ │◆│
└─────┘ └─────┘
と
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
で、決定されます。
「1ページの行数を指定時に」とは、
第1章の[ページ設定]において、
[文字数と行数の指定]欄
○標準の文字数を使う ○文字数と行数を指定する
○行数だけを指定する ○原稿用紙の設定にする
のうち、
○行数だけを指定する
○文字数と行数を指定する
○原稿用紙の設定にする
の3つのうちのいずれかを、または、
┌──────┐
行送り: │18pt │◆│
└──────┘
を指定した場合ということです。
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
にチェックを入れますと、
段落内の行の高さは
┌──────┐ ┌─────┐
行送り: │18pt │◆│ = 行間 │1行 │▼│
└──────┘ └─────┘
の関係が成り立ちます。つまり、段落内の行の高さは常に一定となります。
ところが、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
のチェックを外しますと、
段落内の行の高さは、
段落ごとに、その段落の行における文字の最大フォントサイズより決まり、
可変となります。
また、
○標準の文字数を使う
にチェックを入れますと、
[行数]欄
┌──────┐ ┌──────┐
行数: │36 │◆│(1-45) 行送り: │18pt │◆│
└──────┘ └──────┘
はグレーアウトになり、無効になります。
そして、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
の命令も無効になります。
文字のフォントサイズが10.5ptのとき、
行数は48行となります。
さらに、段落ごとではなく、行ごとにその行における文字の最大フォントサイズより決まり、可変となります。
そのとき、行の高さは、欧文フォントの場合は最大フォントサイズの1.2倍、
和文フォント、または和欧混合の場合には最大フォントサイズの1.3倍になります。
■第3章
段落ごとに行の高さを設定することの理解
段落書式を設定する段落を選択する必要があります。
つまり、設定対象を限定しなければなりません。
文書内のすべての段落を設定対象とするのであれば、
[Ctrl]+[A]で、全選択状態にします。
1つの段落を設定対象とする場合には、段落内にカーソルを置くだけで選択されたと認識します。
段落が複数行あった場合、その段落内であればどの行でもかまいません。
[段落]ダイアログボックスの
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)の
[間隔]欄
┌───────┐
段落前 │0行 │◆│
└───────┘ 行間 間隔
┌───────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
段落後 │0行 │◆│ │1行 │▼│ │ │◆│
└───────┘ └─────┘ └─────┘
行間とは、行の高さのことです。
ワードには、いわゆる「行間」はありません。
それは、行間と誤訳したことに始まります。
日本語の行間とは
文字列
───
↑
行間
↓
───
文字列
の意味です。
ところが、マイクロソフトは英語のLine spacing
「行が占有する空間の高さ」を単に「行間」と定義してしまいました。
つまり、ワードの意味するところは、
────────────
↑ ↑
文字列 ├→ 行間
↓ ↓
────────────
↑ ↑
文字列 ├→ 行間
↓ ↓
────────────
のことなのです。
行間
┌─────┐
│1行 │▼│ ← をクリックしますと、
└─────┘
↓
┌─────┐
│1行 │
│1.5行 │
│2行 │
│最小値 │
│固定値 │
│倍数 │
└─────┘
とオプションが出ます。
[1行]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値と同じにします。
つまり、18pt(6.35mm)
[1.5行]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値の1.5倍にします。
つまり、27pt(9.53mm)
[2行]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値の2倍にします。
つまり、36pt(12.70mm)
[最小値]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値とは関係なく、
高さを最低○○pt以上確保します。
右側の[間隔]のポイント数を指定します。
[固定値]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値とは関係なく、
常に同じ高さに固定します。
右側の[間隔]のポイント数を指定します。
[倍数]とは、行の高さを[ページ設定]の基本行送り値に対して任意の倍数を指定出来ます。
[固定値]としますと、自動的に、
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
の命令も無効になります。
[固定値]以外では、文字のフォントサイズにより、行の高さは自動調整されます。
□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)
が有効になっているとき、
行の高さは、文字のフォントサイズが14ptづつ増すごとに、2行分、3行分、、、と高さが大きくなります。
■第4章
段落前、段落後における行の高さの理解
[段落]ダイアログボックスの
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)の
[間隔]欄
┌───────┐
段落前 │0行 │◆│
└───────┘ 行間 間隔
┌───────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
段落後 │0行 │◆│ │1行 │▼│ │ │◆│
└───────┘ └─────┘ └─────┘
Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。←┘(第1段落)
Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。←┘(第2段落)
Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。←┘(第3段落)
のとき、
第2段落と第3段落の間隔を2.5行分広げる場合、
第2段落の中にカーソルを置きます。
↓
[段落]ダイアログボックスを開き、
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)の
[間隔]欄の
┌───────┐
段落前 │0行 │◆│
└───────┘ 行間 間隔
┌───────┐ ┌─────┐ ┌─────┐
段落後 │2.5行 │◆│ │1行 │▼│ │ │◆│
└───────┘ └─────┘ └─────┘
↑
ここだけ変更します。
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
↓
Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。←┘(第1段落)
Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。←┘(第2段落)
(2.5行分の間隔=45pt(15.88mm))
Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。Word 2003 は、画期的な日本語入力・編集環境を実現した日本語ワープロです。←┘(第3段落)
となる訳です。
補足事項
by saku2さん
>1ページの行数を指定時に・・・・、はグレイアウトしないの
>で有効のままではないのですか?
無効です。(1ページの行数はフォントの大きさからWord側で判断する為)
>行グリッド
ページ設定で行数が指定できる場合の行送りを表す線です。
※→表示_グリッド線
設定内容を変更する場合:
ファイル_ページ設定_グリッド線_グリッド線(ダイアログ)
※行グリッド線 = 設定が1行の時 行送り(を表す線)
文字グリッド線 = 設定が1字の時 字送り(を表す線)
表示をしても印刷はされません。
参考事項
[段落]ダイアログボックス
[インデントと行間隔]タブ(小見出し)の
[間隔]欄で、
┌───────┐
段落後(E) │0pt │◆│
└───────┘
になっている場合、
↓
[メニューバー]/[Alt]または[F10]
[ツール(Tools)]/[T]
[オプション(Option)]/[O]
↓
[オプション]ダイアログボックスが開きます。
[全般]タブ(小見出し)の
下から3行目が
┌────────────┐
使用する単位(M) │ポイント(pt) │V│
└────────────┘
と、ポイントになっています。
そこで、一番下の行の
□文字単位での編集を可能にする(H)
に、チェックをいれて、
[OK]ボタンをクリックして閉じます。
↓
┌───────┐
段落後(E) │0行 │◆│
└───────┘
に変わります。