VBA理解シリーズ

第1章■VBAについて

1.挫折しないために「これだけは知っておきたいVBAの常套句」

 

用語

英語

意味と説明

1.

VBA
Visual Basic for Application

Visual Biginner
All purpose Symbolic Instruction Code for Application

「応用ソフトのための視覚的な初心者用実用演算処理命令符号体系」とでも訳しましょうか。
ウィンドウズ上で動作するプログラム言語のVisual Basic(ビジュアル・ベーシック)をもとにした、ウィンドウズ・アプリケーション用のマクロ言語のこと。
ワード、エクセル、アクセスなどのソフトに搭載され、マクロの記述に使われます。
VBA
を利用することでマクロを自在に操ることができ、自分専用の機能をアプリケーションソフトに追加することができます。

2.

プログラミング言語

Programming language

ソフトウェアの設計図に当たるソースコードを記述するための言語のこと。
プログラミング言語は人間に理解できるように英語などを元に作られているため、そのままではコンピュータが実行することはできません。
プログラミング言語で書かれたソースコードをコンピュータに実行させるためには、コンパイルなどの処理を行って、機械語の羅列(オブジェクトコード)に翻訳する必要があります。

3.

コンパイル
コンパイラ

Compile
Compiler

プログラム言語で記述したソースコードを、コンピュータが理解できる機械語に一括して翻訳すること。
プログラム言語は人間が理解できるように作成されているため、記述したプログラムを実行するためにはコンピュータが理解できる機械語に翻訳する必要があります。
この翻訳作業を一括して行なうのがコンパイラ。
ソースコードをコンパイルすると、コンピュータが理解できる機械語コード(オブジェクトコード)が生成されます。

4.

VBE

Visual Basic Editor

記録したマクロの編集をしたり、VBAを使って新しいマクロをプログラムするためのツールのこと。
VBE
のウィンドウには
プロジェクト・エクスプローラー
プロパティ・ウィンドウ
コード・ウィンドウ
の3つに分かれています。(1012を参照)

5.

オブジェクト

Object

VBAの処理をする対象のこと。
ワードでは、文書、表、段落、ブックマーク、フィールドなど
エクセルやアクセスでは、ワークシート、セル、グラフ、フォーム、レポートなど
のこと。元の英語の意味は目的、対象、対象物。

6.

メソッド

Method

対象に対する操作や動作をさせる命令のこと。
選択する
コピーする
削除する
印刷する
などです。元の英語の意味は方法、順序。

7.

プロパティ

Property

対象の仕様を設定する命令のこと。
対象の情報を調べたり、変えたりするための命令。
また、操作の対象となるものを表すものをプロパティと呼びます。
背景や表のセル内部の色
または塗りつぶしパターン
文字の色
またはサイズ
エクセルのセルの値
などです。元の英語の意味は(ものの)特質、特性。

8.

イベント

Event

マウスのクリックや、キーを押すなど、オブジェクトで認識される動作をイベントと呼びます。
これらのイベントに対し、どのような処理を実行するかをコードで記述できます。
元の英語の意味は出来事、行事、場合。

9.

プロジェクト

Project

実行プログラムを作成するために必要な情報をまとめたファイルのこと。
元の英語の意味は研究課題、計画。

10.

プロジェクト・エクスプローラー

Project Explorer

VBEVBAの編集画面)の左上にある小さな画面で、オブジェクトが表示されている場所のこと。
元の英語の意味は探検者。

11.

プロパティ・ウィンドウ

Property Window

VBEVBAの編集画面)の左下にある小さな画面で、「プロジェクト・エクスプローラー」で選択したオブジェクトのプロパティが表示されている場所のこと。

12.

コード・ウィンドウ

Code Window

VBEVBAの編集画面)の右側にある大きな画面で、「プロジェクト・エクスプローラー」で選択したVBAのプログラムコードが表示される場所、
またはプログラムを書く場所のこと。
アプリケーションを起動させないで、単独で表示させることはできません。

13.

コード

Code

プログラムの記述内容(符号)またはその命令のこと。

14.

モジュール

Module

VBAのプログラム・コードを書くための専用シートのこと。
元の英語の意味は基準寸法、基本単位、組み立てユニット。

15.

モジュールの開放

Relief

モジュールのシートを削除すること。
モジュールはその領域がメモリ上に確保されてはじめて実行することができます。削除をするということは、領域がメモリ上から開放されるということになりますので、削除のことを開放といいます。

16.

プロシージャ

Procedure

VBAの命令 = プログラムとして成り立つ最小の単位、まとまりのこと。
マクロの記録開始から終了までの一通りの手順、ひとつのプロシージャ(手順)は「Sub」から「End sub」まで。
このプロシージャがいくつか集まって、モジュールを構成します。関連のあるプロシージャごとに、モジュールを分けて作成します。
元の英語の意味は手続き、手順。読みはプロセデュアー。

17.

ステートメント

Statement

宣言文のこと。
プロパティ(オブジェクトの仕様)やメソッド(オブジェクトへの動作)で構成された命令を、どのように実行するかを調整するための命令のこと。
処理を繰り返したり、条件によって処理を変えたりすることも可\です。
元の英語の意味は声明、声明書。

18.

インデント

Indent

字下げのこと。タブストップキーを使います。
プログラムをより解かり易くするために字下げをして見易くします。

19.

強制改行

Break

プログラムの文章が長くなり過ぎると読み難いので、半角のアンダーバーを(必ず)ピリオドの後に入れてから改行をします。

20.

変数(名)

Variable

プログラムのソースコードでメモリ領域に付けた名前のこと。
さまざまな値を一時的に記憶しておくために使われるいわば「値の入れ物」です。
コンパイラに対して型と名称を指定することで宣言します。
データや数値の置き換え、つまり代入をするために使います。

21.

セット 変数=

Set variable =

変数を、=以下のものに置き換え、つまり代入します。

22.

定義の宣言と型

Statement of definition and form

Dim変数() As (データ)型と記述します。
Dim
とはdimensionディメンションのことで、次元という意味。
階層構造の次元と理解してください。
As
〜として。
「変数を〜型として定義する」と宣言するという意味です。

23.

宣言する場所

Place to put Statement

サブ ステートメントのすぐ後。
つまり、「Sub 〜 ()」の次。

24.

(変数の)型(データ型)

(data) form of variable

(変数の)入れ物の種類のこと。
変数に置き換える、代入する値ノより分類されています。

25.

整数型

Integer

(変数の)入れ物のひとつ。
数値、列数などあまり大きくならない整数を扱います。
ちなみに、以下の2型を含め、15種類のデータ型があります。
この型の記憶容量のサイズは2パイトで、範囲は
-32,768
32,767です。

26.

通貨型

Currency

(変数の)入れ物のひとつ。
桁の大きい数値、小数点第4位まで扱えます。大きい桁で高精度な計算向きです。
この型の記憶容量のサイズは8パイトで、範囲は
-922,337,203,685,477.5808
922,337,203,685,477.5808です。

27.

文字列型

String

(変数の)入れ物のひとつ。
文章を扱います。コード番号にも使います。
String
の元の意味は、〔人・車などの〕ひと続き, 1のこと。弦ではありません。
この型の記憶容量のサイズは10パイトで、範囲は
0
〜 2ギガバイト(GB)です。

28.

変数の宣言

Statement of variable

プログラムで使用する変数名とその型を定義することです。
「型」は変数に置き換える(代入する)値により分類された入れ物の種類を表しています。

29.

オプション エクスプリシット

Option explicit

VBE[ツール][オプション][編集タブ][変数の宣言を強制するチェックボックス] をオンにすると、コード・ウィンドウの最初に「Option explicit」と表示されます。
元の英語の意味は「はっきりした」です。

30.

条件分岐

If then 〜 End f

If then End If」ステートメントを使います。
Else
を使う構文もあります。

31.

定数

Invariable

常にその値が変わることの無い定まった値のこと。
例えば、消費税率など。
定数として使用する変数は最初に設定しておきます。

32.

メッセージ ボックス(関数、ステートメント)

Msgbox()

小さなダイアログボックス、メッセージボックスといいます。
ボックス内に表示するメッセージ、ボタンの種類、タイトルバーに表示するタイトルを入れます。
ボタンの種類を「値」として変数などに置き換える(代入する)ことが出来ます。

33.

インプット ボックス(関数)

Inputbox()

テキストボックスのあるダイアログボックスのこと。
ダイアログボックス内に表示するメッセージ、タイトルバーに表示するタイトル、最初にテキストボックスに表示しておく「値」を入れます。

34.

組み込み定数

Default invariable

一例として、ダイアログボックスの左から1番目のボタンを標準ボタンに設定する定数は
vbDefaultButton 1
です。(1の前は必ず半角スペース)

35.

マクロ

Macro

一連の決まった処理を登録しておき、後で呼び出して実行する機能のこと。ボタンを作成したり、メニューに組み込んだり、ショートカットキーを割り当てたりして呼び出しやすくします。
元の英語の意味はmacroscopicマクロスコーピック[巨視的な]。元々コンピューター用語として「単純な命令を組み合わせて、新しい命令を実行する」という意味でマクロと言っていました。
そこから、アプリケーションの機能を組み合わせて1つの作業にすることを「マクロ」と呼ぶようになりました。

36.

サブ 〜 エンド サブ

Sub End Sub

マクロの処理の開始と終了を宣言するステートメント。

37.

セレクト

Select

選択すること。

38.

セレクション

Selection

現在選択されているもののこと。

39.

引数

Argument

プログラムコードが関数やサブルーチン(階層構造の下位の命令)を呼び出すときに相手に渡す値のこと。呼び出された側では、この引数に応じて処理を行ないます。
つまり、メソッド(オブジェクトへの動作を指示する)によっては、その指示動作の内容をより具体的に詳しく指示する必要があります。その詳細部分のことを引数と呼びます。

40.

メンバ(ー)

Member

引数の仲間のこと。サブルーチンの種類のこと。

41.

自動メンバ表示

Automember display

VBEでオブジェクトの後にピリオドを入力すると、使用できるプロパティ(オブジェクトの仕様)およびメソッド(オブジェクトへの動作)の一覧が表示されます。

42.

コレクション

Collection

同じ種類のオブジェクトの集まり。グループのこと。
または、コレクションに含まれる一つ一つのオブジェクトを順々に処理すること。

43.

フォー イーチ 変数 イン コレクション

For Each variable In Collection

コレクションに含まれる一つ一つのオブジェクトを順々に処理する命令ステートメント。

44.

フォー 〜 ネクスト

For Next

指定した回数分繰り返す命令ステートメント。

45.

ウィズ 〜 エンド ウィズ

With End With

オブジェクトを省略できる範囲を指定する命令ステートメント。

46.

ディム 変数 アズ 型(データ)

Dim variable As (data)form

定義の宣言と型のこと。

47.

ドゥ 〜 ループ

Do Loop

指定した回数分繰り返す命令ステートメント。