ワードの理解シリーズ特別編
英語の勉強を兼ねた「行と段落の空き具合の調整について」

ワードを学びながら、英語も学べます。
英語を学びながら、ワードも学べます。
 
英語の基本5文型
1.主語+動詞(S+V)
2.主語+動詞+補語(S+V+C)
3.主語+動詞+目的語(S+V+O)
4.主語+動詞+目的語+目的語(S+V+O+O)
5.主語+動詞+目的語+補語(S+V+O+C)
 
とにかく、英語はこの型にする必要があります。
 
文学的な表現の場合は省略や置き換えなどを使うことがありますが、基本的には上の5つの型だということを理解して下さい。
基本型の前後にあれやこれや付けて、詳しく説明します。このあれやこれやに惑わされるから、英語は難しいとか、苦手だという人が出てくる訳です。
 
S=主語(Subject、サブジェクト ◎大注意!!この主語というのが曲者です。日本語では考えられないようなものが、ここに来ると理解することが大切です。その方が英語らしい言い方、言い回しになるからです。
V=動詞(Verb、バーブ ◎字のごとく、動作を表します。)
O=目的語(Object、オブジェクト ◎動作の働きを受ける言葉です。)
C=補語(Complement、コンプリメント ◎文の意味が不完全なときにそれを補う言葉です。)
 
上で言いましたように、基本だけでは、物足りないので、基本のそれぞれを飾る(修飾する・説明する)「句」や「節」があります。
形容詞は名詞を修飾します。
副詞は動詞、形容詞、他の副詞を修飾します。
助動詞は動詞を修飾し(助け)ます。
 
先ずは、上に言いましたことだけを、しっかりおさえてください。
 
参考
第1文型(主語+動詞:S+V)
目的語と補語を必要としないで、主語と動詞だけで完全な文を作ることができる文型です。この文型で使われる動詞は、そのために完全自動詞といわれます。
Everybody laughed.(皆が笑った)
ただこの文型では普通、副詞句を一緒につけることが多いです。
I have been waiting for three hours.(3時間待っています)
たいていの場合は副詞句を取ってしまっても文は成立します。
 
第2文型(主語+動詞+補語:S+V+C)
第1文型とは違い、補語(下線)を必要とする文型です。この文型の動詞は、そのた
めに不完全自動詞といわれます。
The phone kept on ringing.(電話が鳴り続けた)
She became famous.(彼女は有名になった)
 
第3文型(主語+動詞+目的語:S+V+O)
この文型は補語を必要としません。補語を必要とせず目的語をとることだけで文を成立させることができます。目的語(下線)をとるので、この文型で使われる動詞は他動詞といわれますが、特に補語を必要としないことから完全他動詞といわれます。
That play decided the outcome of the match.
(そのプレーが試合の勝敗を決めた)
I learn a little English every day.
(毎日少しずつ英語を学んでいます)
 
第4文型(主語+動詞+目的語+目的語:S+V+O+O)
この文型の動詞は間接目的語と直接目的語をとる他動詞です。間接目的語には主に
「人」がきて、直接目的語には「物」がきます。
I gave him the book.(彼に本をあげた)
「~に」(彼に)にあたるのが間接目的語で、「~を」(本を)にあたるのが直接目的語です。
また、間接目的語と直接目的語の順序を逆にする場合もありますが、その場合は、
I gave the book to him.となります。意味は両方とも同じです。
ただし、前の文は「何を」与えたかに重点を置いていて、後の文は「誰に」与えたかに重点を置いています。
 
第5文型(主語+動詞+目的語+補:S+V+O+C)
この文型は第4文型とは違い後に補語をおきます。このように補語(下線)を必要と
するので、この文型で使われる動詞は不完全他動詞といわれます。
I bake the cake brown on the top.(ケーキの上をきつね色に焼く)
I cut an envelope open.(封筒を開封する)
 
では、ワードのヘルプの日本語と英語の対訳版をみていきましょう。

行と行の間、または段落と段落の間の空き具合を変更する
Spacing between lines or paragraphs

行間によって、段落内の行と行との間の縦方向のあき具合が決まります。
Line spacing determines the amount of vertical space between lines of text in a paragraph.

Line spacing determines the amount of vertical space between lines of text in a paragraph.

①意味と英文法 : (主語S)(動詞V)(目的語O)
(主語S) : 行間が、
(動詞V) : 決定する、
(目的語O) : 垂直の空白の量を、
(目的語を修飾する形容詞句) : 文字列の複数行の間の、
(textを修飾する形容詞句) : 段落内の。

②日本語に変換 :
行間が段落内の文字列の複数行の間の垂直の空白の量を決定する。

③対策と理解 :
これでは、なにかしっくりこない日本語ですね。
理由は、英語特有の「無生物主語」のためです。
「行間」という無生物が主語になっているからです。
これは、英文法の基本的な5 つの語順で縛られているため、その型に無理矢理当てはめなければならないからです。
日本語では、言い回しがいろいろ有り、目上、目下、同等の人への言い方がありますが、英語では一切そのような言い回しは無いと理解して頂いて結構です。
ひとつの言い方で、すべての人に共通して使える言語です。
そういった意味では、簡単な言語です。
日本人にとって解かりにくいのは、この「無生物主語」だけです。
この「無生物主語」をきちんと理解しさえすれば、そんなに難しい言語ではありません。

④日本語にするための工夫:
受け身の形に変える。
つまり、主語の「行間が」を「行間によって」と訳します。
次に、目的語の「段落内の文字列の複数行の間の垂直の空白の量を」を少し変えて「
段落内の行と行との間の縦方向の空き具合」として、これを日本語の主語にします。
そうすると、「行間
によって、段落内の行と行との間の縦方向の空き具合が決まります。」になり、とても解かりやすくなる訳です。
尚、「句」とは前置詞と名詞だけ、またはto + 動詞の不定詞で修飾する文です。
又、「節」とは主語と動詞が含まれている、修飾する文です。

既定の行間は 1 行で、これは行内で最も大きいフォントが収まる高さに、余分なスペースを少し加えたものです。
By default, lines are single-spaced, meaning that the spacing accommodates the largest font in that line, plus a small amount of extra space.

By default, lines are single-spaced, meaning that the spacing accommodates the largest font in that line, plus a small amount of extra space.

①意味と英文法: (主語S)(動詞V)(補語C)
(副詞句) : 既定では、
(主語S) : 行は、
(動詞V) : ~になっています、
(補語C) : シングル・スペースト、(形容詞)
(形容詞シングル・スペーストを修飾する副詞節) : 意味するところは、間隔がその行の中で最も大きなフォントを収容する
(形容詞シングル・スペーストを修飾する副詞節) :(間隔は)余分な間隔の少しの距離を加えます
副詞は、動詞、形容詞、または他の副詞を修飾します。名詞を修飾するのは形容詞です。

②日本語に変換 :
既定では、行は、間隔がその行の中で最も大きなフォントを収容して、余分な間隔の少しの距離を加えたシングル・スペーストになっています。

③対策と理解 :
これでは、なにかしっくりこない日本語ですね。
「副詞節」が付いていて、それが長いときは、分断して訳した方が解りやすくなります。

④日本語にするための工夫 :
ですから、「既定では、行は、間隔がシングル・スペーストになっています。」を「
既定の行間は 1 行で、」とし、続いて、「これは行内で最も大きいフォントが収まる高さに、余分なスペースを少し加えたものです。」とすれば、より解りやすくなります。

(行間 : ある行の下端から次の行の下端までの間隔。
(line spacing: The amount of space from the bottom of one line of text to the bottom of the next line.

(line spacing The amount of space from the bottom of one line of text to the bottom of the next line.

①意味と英文法: (主語S)(動詞V)(補語C)
(主語S) : 行間とは、
(動詞V) : ~です。尚、本文は説明文なので、「:」がbe動詞の「is」の役目をしています。
(補語C) : 間隔、(名詞)
(名詞「間隔」を修飾する形容詞句) : 文字列のある行の下部から次の行の下部までの
尚、このoneは1つという意味ではなく、「ある」の意味です。。

②日本語に変換 :
行間とは、文字列のある行の下部から次の行の下部までの間隔です。

③対策と理解 :
これは、そのままでも解かります。

④日本語にするための工夫 :
この文章はとくにありませんが、ヘルプでは
行間 : ある行の下端から次の行の下端までの間隔。」
と訳しています。「文字列」は省略しています。

Word では、行に含まれる一番大きなフォントまたは図に合わせて行間が調整されます。)
Microsoft Word adjusts the line spacing to accommodate the largest font or the tallest graphic in that line.)

Microsoft Word adjusts the line spacing to accommodate the largest font or the tallest graphic in that line.)

①意味と英文法: (主語S)(動詞V)(目的語O)
(主語S) : マイクロソフト ワードは、
(動詞V) : 調整します。
(目的語O) : 行間を、
(副詞句) : (「動詞」の「調整します」を修飾する副詞の働きをする不定詞句)その行の最も大きなフォント、または一番縦長の図を収めるように

②日本語に変換 :
マイクロソフト ワードは、その行の最も大きなフォント、または一番縦長の図を収めるように行間を、調整します。

③対策と理解 :
これでは、なにかしっくりこない日本語ですね。
理由は、最初に出てきました英語特有の「無生物主語」のためです。
「マイクロソフト ワード」という無生物が主語になっているからです。

④日本語にするための工夫 :
もう、お解かりですね。受け身の形にして訳します。
Word では、行に含まれる一番大きなフォントまたは図に合わせて行間が調整されます。」
とても分かりやすいですね。


これ以降は対訳を良く見ながら、主語、動詞、目的語、補語などを自分で考えていって下さい。

(フォント : 数字、記号、または文字のデザイン。
(font: A graphic design applied to all numerals, symbols, and alphabetic characters.

書体と同義語です。
Also called type or typeface.

フォントを変更することで文字の外観が変わります。フォントには、Times New Roman などの英数字専用のものと、MS 明朝など、日本語の文字 (全角文字) に対応したものがあります。
Arial and Courier New are examples of fonts. (ここは少し異訳しています。)

1 つのフォントには、さまざまなサイズ (ポイント単位) やスタイル (太字など) があります。)
Fonts usually come in different sizes, such as 10 point, and various styles, such as bold.)

段落間隔によって、段落の上下の空き具合が決まります。
Paragraph spacing determines the amount of space above or below a paragraph.

Enter キーを押して新しい段落を開始すると、次の段落までの空き具合が設定されますが、この設定は段落ごとに変更できます。
When you start a new paragraph by pressing Enter key, Microsoft Word automatically sets up the space up to next paragraph, while you can change same individually.

設定した行間よりも大きい文章、図、または数式が行に含まれている場合は、その行の行間だけが自動的に広くなります。
If a line contains a large text character, graphic, or formula, Microsoft Word increases the spacing for that line.

すべての行間を均等にするには、その行にある一番大きい文字や図が収まる行間を指定します。
To space all lines evenly, use exact spacing, and specify an amount of space that is large enough to fit the largest character or graphic in the line.

文字や図の一部が表示されない場合は、行間を広げます。
If items appear cut off, increase the amount of spacing.

 

行間の種類
Types of line spacing

[1 行]
Single

行内で最も大きいフォントが収まる高さに、余分なスペースを少し加えた値に設定します。
Accommodates the largest font in that line, plus a small amount of extra space.
余分なスペースの大きさは、使用しているフォントによって異なります。
The amount of extra space varies depending on the font used.

[1.5 行]
1.5 lines

1 行の 1.5 倍に設定します。
One-and-one-half times that of single line spacing.

[2 行]
Double

1 行の 2 倍に設定します。
Twice that of single line spacing.

[最小値]
At least

行の中で一番大きいフォントや図が収まる最小の空き具合に設定します。
Minimum line spacing that is needed to fit the largest font or graphic on the line.

[固定値]
Exactly

行間を固定します。自動調整は行われません。
Fixed line spacing that Microsoft Word does not adjust.

[倍数]
Multiple

指定した割合で行間を増減します。
Line spacing that is increased or decreased by a percentage that you specify.
たとえば 1.2 に設定すると、行間が 20% 広がります。
For example, setting line spacing to 1.2 will increase the space by 20 percent.