ルビを振ると、その行だけが他の行に比べて、少し下がってしまうことがあります。

 

なぜ下がってしまうのでしょうか?

 

■ワード(語)の「行間」とは

 

通常、日本語の「行間」とは、

 

あああああ

  ↑

  ↓

いいいいい

 

のことを言いますが、

 

ワード(語)では、

 

──────グリッド線

  ↑

あああああ

  ↓

──────グリッド線

  ↑

いいいいい

  ↓

──────グリッド線

 

のように、「行間」が「1行」に設定されている場合、グリッド線とグリッド線との空間、間隔のことを言います。

英語では、“Line spacing”といいます。

ワード語は日本語の直訳なので、解かり難くしています。

 

 

■「行間」を見るには

 

[表示(V]メニュー [グリッド線(G]で、グリッド線が表示されます。

文字または文字列を選択しますと、その文字は「白色」になり後ろは「黒く」表示されます。

このことを「白黒反転の選択状態」といっています。

後ろの「黒い」部分を良く見てみると、グリッド線とグリッド線の間隔そのもので、

この黒色の部分の「高さ」、つまりグリッド線の間隔がワード語の「行間」なのです。

 

 

■行の表示方法

 

[書式(O]メニュー [段落(P]で、[段落]ダイアログボックスが開きます。

[インデントと行間隔]タブ(小見出し)の[間隔]欄の

□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)にチェックが入っています。

この意味は、文字または文字列をグリッド線とグリッド線の間の中央の位置に配置するということです。

これにより、通常の文字または文字列は

─────────────グリッド線

文字または文字列(中央揃え)

─────────────グリッド線

文字または文字列(中央揃え)

─────────────グリッド線

文字または文字列(中央揃え)

─────────────グリッド線

となり、相対的に文字列と文字列の間隔は均等の間隔に揃えられている様に見

える訳です。

 

 

■下がる理由

 

1.ワードは自動的に、行に含まれる一番大きなフォントまたは図に合わせて行間「高さ」が調整される様になっています。

2.ルビを振った文字は、フィールドというものに変わります。

3.そのフィールドを、グリッド線とグリッド線の中央に揃えて表示する様になっています。

4.と、同時に、

□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W)に

チェックが入っていたとしても、無効にして、行内の文字列はそのフィールドの「高さ」の底辺の位置に合わせるように調整をします。

5.ルビを振った文字列を選択してみて下さい。「高さ」のほぼ真ん中に位置しています。

しかし、その他の文字列は少し下がっています。

6.ですから、相対的にルビが振られた文字列の行は、ルビが振られていない

文字列の行よりも下がり、「行間」が不揃いになる訳です。

 

 

■他の行との間隔を合わせるには

 

(1) 同一段落内の場合

上記の如く、ルビを設定すると、段落ダイアログの

[□1ページの行数を指定時に文字を行グリッドに合わせる(W]

にチェックが入っていたとしても、無効にして、行内の文字列はそのフィールドの「高さ」の底辺の位置に合わせるように調整をします。

ということは、他の行においても、「グリッド線に合わせる」を無効にし、文字列をフィールドの底辺に合わせるようにすれば、結果として、全ての行の間隔が同じになります。

無効にするためには、対象となる段落を選択し、(カーソルをおくだけで選択と同じ効果があります。なぜならば、段落書式のみを変更/設定をするからです。)

[書式(O]メニュー [段落]で、[段落]ダイアログボックスを開き、[インデントと行間]タブ(小見出し)の[間隔]欄の[行間]のドロップダウンリスト▼をクリックし、[固定値]を指定します。

この[固定値]は、「グリッド線に合わせる」を無効にし、文字列をフィールドの底辺に合わせます。

段落内の行がグリッド線内で全体としてフィールドに合わせた形で下がります。

その結果、行の間隔は揃うことになる訳です。

 

尚、[行間][固定値]にしても、[間隔]が12ptのままですと、行間が狭すぎて詰まったようになりますので、フォントのサイズが10.5ptの場合は[間隔]を「18pt」にすると、ちょうどグリッド線内に収まり見映えが良くなります。

 

() 段落が異なる場合

ルビを振った段落にカーソルを置き、

[書式(O]メニュー [段落]で、[段落]ダイアログボックスを開き、[インデントと行間]タブ(小見出し)の[間隔]欄の[段落後(E]のスピンボックス内に「0.1」と入力します。

次の段落が少し下がり、行(段落)の間隔が広くなります。

 

尚、「0.1行」は、標準フォントのサイズの場合ですので、臨機応変に対応して下さい。

 

これが、ワードでのルビを振った場合の「行」の間隔を調整する操作です。

 

※これを良く理解するためには、グリッド線を表示し、行を選択して確かめて下さい。