ワードの理解シリーズ{フィールドについて}
第2章その2■共通スイッチ
共通スイッチとは、
フィールドの実行結果の書式を変更(スイッチ)したり、
実行結果を変更できないように(ロック)する命令で、
省略することもできます。
ほとんどのフィールドで使うことができます。
次の4種類の共通スイッチがあります。
@一般書式スイッチ
半角の円記号(¥) +
アスタリスク(*)、
¥*は、オプション スイッチを伴って、文字書式を指定します。
たとえば、¥* Irohaは、イ、ロ、ハ、・・・を表示させます。
A数値書式スイッチ
半角の円記号(¥) +
シャープ(#)
¥#は、数値書式記号を伴って、数値書式を指定します。
たとえば、¥# 00.00は、09.00などと表示させます。
この0(ゼロ)は数字ではなく、記号です。
また、数値書式記号##を使って桁数などを指定できます。
これはエクセルと同じですから解かりやすいでしょう。
B日付/時刻表示形式スイッチ
半角の円記号(¥) +
アットマーク(@)
¥@は、日時書式記号を伴って、日付/時刻表示形式を指定します。
たとえば、¥@ dddd, MMMM d, yyyyは、
Firidey, November 19, 2004 と表示させます。
この d、M、y は文字ではなく、日時書式記号です。
C更新阻止スイッチ
半角の円記号(¥) +
エクスクラメーション マーク(!)
Bookmark、IncludeText、Ref などのフィールドの実行結果に含まれる
フィールドが更新されないようにロックします。
これ以降はヘルプから引用しています。
@一般書式スイッチ (¥*)
大文字と小文字または半角と全角の変換
次のスイッチでは、項目が大文字に変換されます。(英文用)
¥* Caps |
各英単語の先頭文字を大文字にします。 |
¥* FirstCap |
先頭の英単語の先頭文字だけを大文字にします。 |
¥* Upper |
英字をすべて大文字にします。 |
¥* Lower |
英字をすべて小文字にします。 |
数値の変換
次のスイッチでは、数値が変換されます。
(この他にも、ありますが、詳しくはページ番号フィールドでご紹介します。)
¥*alphabetic |
数値を英字に変換します。 |
¥*Arabic |
数値を算用数字の基数に変換します。 |
¥*CardText |
数値を、基数を表す文字列に変換します。 |
¥*DollarText |
数値を、基数を表す英文字に変換します。 |
¥*Hex |
数値を 16 進数に変換します。 |
¥*OrdText |
数値を、序数を表す英文字に変換します。 |
¥*Ordinal |
数値を算用数字の序数に変換します。 |
¥*roman |
数値をローマ数字に変換します。 |
文字書式の設定と設定した書式の保護
次のスイッチでは、文字書式が設定されます。
¥* Charformat |
フィールドの種類 (フィールドの種類 : 文書に挿入したフィールドの動作や効果を表す名前。 |
¥*MERGEFORMAT |
前の実行結果に設定されていた書式を新しい実行結果にも設定します。 |
+++++
一般書式スイッチ(\*)
十干十二支(じっかんじゅうにし)
を連番にする方法
連番フィールドの識別子(文字であれば何でも構わない。)を付けて、
その連番の書式を十干十二支にするには、
\*zodiac1〜3 を使用します。
フィールドコードの一例
{ = { SEQ 十二支 } \*ZODIAC2
}
kokoroni_irisさんから教えていただきました。
表示形式のスイッチ:ZODIAC
++
\*ZODIAC1
↓
甲
乙
丙
丁
戊
己
庚
辛
壬
癸
11
12
13
14
15
16
17
18
++
\*ZODIAC2
↓
子
丑
寅
卯
辰
巳
午
未
申
酉
戍
亥
13
14
15
16
17
18
++
\*ZODIAC3
↓
甲子
乙丑
丙寅
丁卯
戊辰
己巳
庚午
辛未
壬申
癸酉
甲戍
乙亥
丙子
丁丑
戊寅
己卯
庚辰
辛巳
壬午
癸未
甲申
乙酉
丙戍
丁亥
戊子
己丑
庚寅
辛卯
壬辰
癸巳
甲午
乙未
丙申
丁酉
戊戍
己亥
庚子
辛丑
壬寅
癸卯
甲辰
乙巳
丙午
丁未
戊申
己酉
庚戍
辛亥
壬子
癸丑
甲寅
乙卯
丙辰
丁巳
戊午
己未
庚申
辛酉
壬戍
癸亥
(60項目、以下繰り返し)
++
ちなみに、ZODIAC(ゾディアック)とは、
黄道十二宮のことです。
+++++
A数値書式記号スイッチ
(¥#)
次の書式記号を組み合わせて数値書式スイッチを作成します。
書式記号
0 (ゼロ) |
実行結果に表示する桁数を指定します。実行結果の桁数が指定した桁数よりも少ない場合は、0 (ゼロ) が表示されます。 |
# |
実行結果に表示する桁数を指定します。 |
x |
表示する桁数を指定します。小数部に指定した場合は、その桁に合わせて実行結果が四捨五入されます。 |
.(小数点) |
小数点の位置を決めます。 |
,(桁区切り文字) |
整数部を 3 桁ごとに区切ります。 |
- (マイナス記号) |
実行結果が負の数の場合は、マイナス記号が追加されます。実行結果が正の数または 0
(ゼロ) の場合は、スペースが挿入されます。 |
+ (プラス記号) |
実行結果が正の数の場合は、プラス記号が追加されます。実行結果が負の数の場合は、マイナス記号が追加されます。実行結果が 0 (ゼロ) の場合は、スペースが挿入されます。 |
%、$、*、その他の文字 |
指定した文字を実行結果の数値に挿入します。 |
"正の数の数値形式; 負の数の数値形式" |
実行結果の数値が正の場合と負の場合で、それぞれ別の数値形式を使用します。 |
"正の数の数値形式; 負の数の数値形式; ゼロ" |
実行結果の数値が正の場合、負の場合、および 0 (ゼロ) の場合で、それぞれ別の数値形式を使用します。 |
'文字列' |
実行結果に文字列を追加します。文字列は、アポストロフィ (') で囲みます。 |
`連番名` |
[図表番号] ([挿入] - [参照]) を使うか、Seq (連番) フィールドを挿入して連番を付けた項目を指定します。"表" や "図"
などの連番名をアクサン グラーブ (`) で囲みます。連番は算用数字で表示されます。 |
B日付/時刻表示形式スイッチ (¥@)
日付の形式
月 (M)
時刻の分を表す m と区別するために、必ず半角で大文字の "M" を使います。
書式記号
M |
1 桁の月の前に 0 を付けずに表示します。 |
MM |
1 桁の月の前に 0 を付けて表示します。 |
MMM |
英語の月名の省略形が表示されます。 |
MMMM |
英語の月名が省略されずに表示されます。 |
日 (d)
日または曜日を表します。半角の "d" を使い、大文字と小文字のどちらも使えます。
書式記号
d |
1 桁の日の前に 0 を付けずに表示します。 |
dd |
1 桁の日の前に 0 を付けて表示します。 |
ddd |
英語の曜日の省略形が表示されます。 |
dddd |
英語の曜日が省略されずに表示されます。 |
年 (y)
2 桁または 4 桁の年を表します。半角の "y" を使い、大文字と小文字のどちらも使えます。
書式記号
yy |
西暦の年の下 2 桁が表示されます。 |
yyyy |
西暦の年が 4 桁で表示されます。 |
時刻の形式
時間 (h)
小文字の "h" は 12 時間制で時間を表示します。大文字の "H" は 24 時間制で時間を表示し、午後 5 時は "17" と表示されます。
書式記号
h または H |
1 桁の時間の前に 0 を付けずに表示します。 |
hh または HH |
1 桁の時間の前に 0 を付けて表示します。 |
分 (m)
月を表す "M" と区別するために、必ず半角で小文字の "m" を使います。
書式記号
m |
1 桁の分の前に 0 を付けずに表示します。 |
mm |
1 桁の分の前に 0 (ゼロ) を付けて表示します。 |
AM/PM の表示形式と文字列の追加
書式記号
AM/PM |
AM と PM が大文字で表示されます。 |
am/pm |
AM と PM が小文字で表示されます。 |
A/P |
AM と PM の省略形が大文字で表示されます。 |
a/p |
AM と PM の省略形が小文字で表示されます。 |
その他の文字列を表示するための
書式記号
'文字列' |
指定した文字列を表示します。文字列は半角のアポストロフィで囲みます。 |
文字 |
指定した : (コロン)、- (ハイフン)、* (アスタリスク)、スペースなどの文字を表示します。 |
`連番名` |
[挿入] メニューの [図表番号] を使うか、Seq フィールドを挿入して連番を付けた項目を指定します。"表" や
"図" などの連番名を半角のアクサン グラーブ (`) で囲みます。連番は算用数字で表示されます。 |
C実行結果のロック (¥!)
参照先のフィールドの実行結果が更新されない限り、Bookmark、IncludeText、Ref などのフィールドの実行結果に含まれるフィールドが更新されないようにします。
このスイッチを指定していないと、Bookmark、IncludeText、Ref の各フィールドが更新されるたびに、フィールドの実行結果に含まれるフィールドも更新されます。
例えば、
{ INCLUDETEXT C:¥¥Sales¥第4四半期販売.doc ¥!
} というフィールドで "第4四半期 販売.doc" という文書の内容が挿入され、この文書に Date フィールドと Embed フィールドが含まれているとします。
IncludeText フィールドを更新する場合に、参照先の文書 ("第4四半期 販売.doc") で更新しない限り、"¥!" スイッチにより、文書中に含まれている Date フィールドと Embed フィールドは更新されません。
この結果、IncludeText フィールドで挿入した内容と、本来の文書の内容が確実に一致します。Date フィールドと Embed フィールドを両方の文書で更新するには、まず参照先の文書 ("第4四半期
販売.doc") でフィールドを更新し、次に作業中の文書の IncludeText フィールドを更新します。
メモ 次のフィールドでは、共通スイッチを使用できません。
AutoNumフィールド |
AutoNumLglフィールド |
AutoNumOutフィールド |
Embedフィールド |
Eq (数式) フィールド<拡張書式のルビを除く> |
FormCheckBoxフィールド |
FormDropdownフィールド |
FormTextフィールド |
GoToButtonフィールド |
ListNumフィールド |
MacroButtonフィールド |
RD(参照ファイル)フィールド |
TA (引用文献一覧) フィールド |
TC (目次登録) フィールド |
XE (索引項目) フィールド |