36months in NYC(Sillent Breath−Speak)
2005制作 TRT:5.09
作品について (制作意図 2008年1月24日)
私はこの10年、<時間の流れを客観的に見る>というコンセプトのもとに作品を発表してきました。
また医療用マスクを用いた作品作りを適し、環境問題について考えをめぐらせる『マスク・プロジェクト』を内外に広く展開しています。
『このビデオ作品』は、これら二つの活動が融合したものです。
同時多発テロ直後のニューヨーク市民の外貌、内面の感情や思考…。
3年後の同一人物に見るそれらの変化…。
そうした変容を画面上で具体的に比較して見ることにより、
あなたもあなた自身にやはり<3年という時間の流れ>があり、
<内外両面の変化>があったことに気づくことでしょう。<歳月がもたらした変容>を直視することで、世界の、日本の、あるいは身の回りの環境の変化にも思いがおよぶことでしょう。ひいては、医療用マスクを媒体に人間が人間の呼吸を奪い支配する
行為をも含む人間の行為、地球上の全生物に早晩訪れるだろう生命の危機についても、考えがいたることでしょう。

2008.1.24  池田 緑