(Other viewpoints #hitomi)



ちゃんと光くんが、お付き合いを始めたようです。別に驚きはしませんでした。 それは私に限った事ではありません、おばさんもおじさんも「知ってるよ」という態度でした。
何故か充さんだけが、とても驚いていました。
どうやらとても鈍い人みたいです。

それにしても、食卓が前より華やいだ気がします。
ご飯がとてもおいしく感じるのは、みんなが幸せだからでしょうか。





(Other viewpoints #kenya)



最近財前の様子がおかしい、何やらたまに一人でにやけている。
おまけに毒舌が酷くなった、調子がいいらしい。
昼休み、クラスに行くとすでにクラスメイトと弁当開きをしている。 いつの間にそんな仲良くなったんだ(ちょっと寂しい)。

そんなある日、校内でばったりとちゃんに会った。
べ、別に意識なんかしていない(結構、可愛いとは思っているけれど)決して狙ってなどいない。
(けれど相変わらず財前と同じ匂いがする)

これは後から白石に聞いた話だけれど、財前とちゃんは付き合い始めたらしい。
(おい財前、何で俺には言わへんのや!!)

というわけで俺のほのかなラブストーリーは、何も始まることなく幕を閉じたわけである。
(財前、覚えとけ)









(Sweetheart)



「お前、やっぱ意味わからんわ」

相変わらず無防備に俺のベットで体を投げ出すに圧し掛かって、 キスをしようと思ったらそれはあっさりと拒否された。
ガッチリと唇を両手でカバーされ、その顔は真っ赤だった。

「ふぁ、ふぁっひゃんふぁはうふぁひ」
「あーあー、何言ってるかわからんやかましい」

「キスなんて、唇以外にも出来るやで」と口許を押さえる指先をチュ、と吸う。 それから首筋を辿って、鎖骨に噛み付く。 太股を手で撫で上げて、わき腹をくすぐるとは両手を解放して俺の両腕を掴みにかかった。
その隙に、あいた唇にキスをひとつ。
何度も繰り返しやってきたことのはずなのに、はそれだけで顔を真っ赤にした。

「何や順番完璧おかしいで、お前にも恥じらいあったんやな」
「やって、ペットにするような気持ちでしとったんやもん、」
「ほお、お前はペットとセックスもするんか」
「ろ、露骨に言わんといて身も蓋もない!あ、あんなん未遂みたいなもんやんか、気持ち的に」

(まあ確かに)
カウントするならちゃんと双方の気持ちがあった方がええな。

「なら、改めて」
「い、いや、ムリやから、心の準備とかあるやんか、」
「そんなもん、何年分あったと思ってんねん」
「光、何や性格悪なったな」
「言うてればええわ」

どうせ、それでも俺の事好きなんやろ。
(自惚れでもいいです、けれど自信があります)





今、一番幸せです。
もうあの夢は見ません。

この物語は、ハッピーエンドでした。
(迷っていたの両腕が、そろそろと背中にまわった。最初からそうしてくれていれば、 あるいは最初からこうしていれば、良かったんだと俺はを抱きしめた)






(エンドロールを、誰か)

物語は、幕が降りた後からまた始まるのです